ミッチーのイギリス短期留学体験記 Vol.3 ~学校生活編~
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最終更新日:2015/02/25
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
ミッチーのイギリス短期留学体験記、今回は「学校生活編」ということで、ミッチーがどんな学校で、どんな授業を受けて来たのか、そして、果たして1ヶ月の短期留学で、ミッチーの英語力は上がったのか...を語ってもらいました!
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ミッチーのイギリス短期留学体験記~学校生活編~
イギリスでの短期留学中、僕は現地のGloucestershire(グロスターシャー)大学に通っていました。
キャンパスではネイティブの先生から英語の授業を受け、現地の学生とのランチや英会話に挑戦しました。また音楽のクラスに参加してThe Beatlesの曲を演奏したのも良い思い出です。
今回のブログではその僕が体験した短期留学中の学校生活についてお話します。
【Gloucestershire大学 キャンパス紹介】
Gloucestershire大学は4つのキャンパスに分かれていて、それぞれCheltenhamとGloucesterに校舎があります。その中の1つの「パークキャンパス」はアジアや他のヨーロッパの国からの留学生が多く所属していて、僕もここで授業を受けていました。
パークキャンパスの校舎に入るとまずレセプションというロビーのようにくつろげるスペースがあります。ここでは友達とソファーで話したり、コーヒーを飲んだりすることができました。
↑ パークキャンパスのレセプション。ここから各教室や食堂へ移動できます。
↑ 大学のカフェテリア
コーヒーやサンドウィッチが買えます。ランチ時はバイキング式の食堂に。
このパークキャンパスはまだ新しい建物でどの設備も綺麗で清潔です。あまり利用する機会はなかったのですが図書館やパソコン室、洗濯ができるランドリールームもありました。
校舎の外は芝生や川などの自然が多く、ちょっとした公園のような雰囲気でした。近くに住む子どもが遊びに来ていたり、老夫婦が散歩している姿を見かけることも多かったです。
【学校での英語授業】
【語学クラス】
学校の授業はSpeakingやWriting、文法などを学ぶ語学クラスが午前中に2コマ(9:00~10:30と11:00~12:30)、午後に現地の学生を交えたイギリスの歴史や音楽、観光地などの文化を学ぶグループワーク式のクラスが1コマ(13:30~15:30)。
どちらもネイティブの先生が担当で、午前のクラスは日本人とスペイン人の留学生がミックスされていました。
特にこの午前の語学クラスは英語の発音や語彙力アップに加えて「自分の考えていることを英語で話す」ということに重点を置いた授業が行われました。先生が「FacebookなどのSNSを使う際のメリットとデメリットは?」や「もしあなたがイギリスの首相になったらどんなことをしたい?」などの具体的な質問をクラスに投げかけ、生徒はそれぞれ意見や立場を決めてディスカッションを行う、といった授業が印象的でした。
【ディスカッションの会話を紹介】
先生:「君は自分のことをoptimism(楽観的、ポジティブ)、pessimism(悲観的、ネガティブ)、どっちのタイプの人間だと思う?」
ミッチー:「どちらかというとoptimismな方だと思います。」
先生「それはどうして?」
ミッチー:「なにかに失敗したり、身のまわりで良くないことが起こった時、そのことを引きずっていても状況は改善しないと思うから。そういう時でも、きっとなんとかなるだろうって考えることができるから、かな。先生はどっちのタイプ?」
先生:「僕はたぶんpessimismの方だね。なぜなら~。」
このように、実際に日常のどこかで誰かと話しそうな話題が中心のディスカッションでした。先生はゆっくり綺麗な発音で話してくれるので、言っている内容はほとんど理解できます。高校や大学の英語の授業をある程度理解できているなら、聞き取りは問題無いはずです。
むしろ難しいのはSpeaking。自分の意見をきちんと英語で話すことでした。文法的におかしな英語になっていないか?使っている単語は正しいか?そしてなにより、聞かれていることに対して正しく答えられているか?そういうことを同時に考えながら会話を続けるのは予想以上の難易度です。
そして上の会話でもあったように、先生は「なぜ?どうして?」という質問をかなりの頻度で飛ばしてきます。英語圏は”Why?”を重視する文化だということは前から聞いていたのですが、いざディスカッションで話すとなると英語力に加えて、論理的な思考力も必要になってくることがわかりました。
このように、教科書に載っている会話文と違って、授業では話す内容が瞬間瞬間で変わっていくため、瞬発力のある英語が求められます。「自分はこういう理由でこう思うんだ。」ということをすぐに頭の中で英語に変換して発言する作業です。
これを授業で繰り返しているうちに、少しずつですが言いたいことが英語で言えるようになってきました。1ヶ月の短い期間でも毎日学校に通ってネイティブの先生やクラスメイトとディスカッションを繰り返すことで、Speakingに慣れがでてきます。
この授業を通して、「日本語→英語」という脳内変換のラグを無くしていくこと、あるいは日本語を経由しないで最初から英語だけで思考することが、流暢な英語を話すためには必要だと感じました。イギリス人の先生やスペインからの留学生を交えて、そういったディスカッションができるのは海外の学校の良いところです。
【グループワーククラス】
午後はイギリスの有名な音楽アーティストや料理、コッツウォルズCotswolds地方の観光地について現地の学生のサポートを受けながら学ぶグループワークのクラス。最終授業日にはそれらに関連したテーマで生徒がプレゼンテーションを行います。20人ほどのクラスが5グループに分かれ、僕のグループは日本とイギリス料理についてまとめました。
プレゼンは1人あたり5,6分の短いもので、その際に話す英語のおおまかなスクリプトは現地の学生にアドバイスをもらいながら考えました。
この午後のクラス、個人的には「日本の学校でもできるな」という印象。午前のクラスと違って授業を受ける生徒は日本人だけで、さすがに日本語で会話を続けるということはなかったのですが、結局知っている仲でのゆるい英会話になってしまう場面が多かったです。
また、イギリスの文化知識もインターネットでも調べられるものが多く、プレゼン内容も日本の大学で作成できるものでした。短期留学のプログラムは授業日数も限られているため、やれることも限られてくるのが現状なのかなと思います。
ただ、同年代のイギリスの学生と交流することができたのは良い経験になりました。ホームステイ先の家族とはまた違ったフランクさや距離感で、好きな音楽やスポーツの話題を共有できるのは楽しいものです。
【海外で英語授業を受けて】
こうやって約1ヶ月間、Gloucestershire大学で英語を学んでみて僕は自分の英語力を再確認しました。学校から受け取った成績表を見るとReadingの項目がExcellent、WritingがVery Good、Speakingは単にGoodという評価。
自分でも分かっていたことですが、英語をある程度読めるわりにそれほど書けない、流暢に話せない。これは自分のように留学や長期滞在などの海外経験がそれまでなく、高校や大学の授業だけで英語を学んできた日本人に共通して起こる現象です。
同じクラスにいたスペイン人や、ランチタイムに食堂で話したフランス人の留学生は僕等とは逆でした。彼らは時制やイディオムなどの文法的な知識は少ないけれど、とても流暢な英語を話していました。どちらが「使える英語」なのかと考えた時、それは彼らが話す英語の方だと思います。
この僕が感じたリアルな英語の壁を乗り越えるためには、やはりもっともっと会話をする必要があると感じました。
教科書に書かれた長文を丁寧に読み解くのではなく、実際に生活の中で使われる日常会話、世間話、自分の考えを相手に伝えるための英語。それらの生きた英語に会話の中で慣れていく。その作業の繰り返しでListeningやSpeakingの質が上がっていく。
そんな英語の学び方はあっていいし、そもそも言語を身に付けるとはそういうことなのかなとも感じました。それをある程度の期間、日常的に且つ自然にできるのが、海外の学校で英語を学ぶメリットの1つです。
自分の英語力を知るため、ネイティブや他国の人が話す流暢な英語に触れるため、そして彼らとの会話の中で使える英語を学ぶため、留学という形で海外に飛び込んでみるのはどうでしょうか?それが1ヶ月の短期留学であっても、自分の英語をワンランク上げるきっかけに必ずなると思います。
↑授業最終日、担任の先生方と。
【学校外で音楽の授業】
【The Beatlesの曲をセッション】
僕が参加した留学プログラムには週に1回、学校の外でイギリス文化を実際に体験できる授業がありました。クリケット、お菓子作り、シェイクスピア劇場の見学など色々な文化体験を選択できたのですが、ここでは一番印象的だった音楽の授業についてお話します。
ある日の午後、僕はスティーブという音楽の先生を訪ねました。彼は目が不自由な男性で、同時に歌とピアノが抜群に上手い先生でした。学校から現地スタッフの車に乗って15分ほどで着いた先はスティーブの自宅。一部が音楽スタジオになっていて、ここで留学生や現地の子どもたち向けに音楽の授業が行われているようでした。
お互いに自己紹介をした後、スティーブの提案でイギリスの代表的なポップスの曲、The Beatlesの”Let it be”を一緒に歌って、CDに録音しようということになりました。自分はギターが弾けるのでそのことを伝えると、「じゃあミッチーはうちにあるギターを使って参加してくれ。」と言われ、音楽の授業が始まりました。
最初に歌詞を確認してから、歌の練習。英語の曲なので、正しい発音で歌うことから教えてもらいました。それが終わると、簡単なレコーディングが開始。スティーブのピアノと僕のギター、その上に歌が入ります。一斉に演奏したのをそのままマイクで録音する形式だったのですが、間奏部分でいきなり「ミッチー、ここでギターソロを弾いてー♪」という指令がスティーブから飛んできたり、あとからハモリのコーラスを録音したり、とても楽しい演奏になりました。
最終的に完成した音源はCDに焼いてくれて、帰る時に記念としていただきました。その時にスティーブが「君のギターはとてもいいね!」と言ってくれたことをよく覚えています。
その時、言語の違いや目が見えない不自由さ、初対面の緊張感、そういうものを軽々と越えていく音楽の持つパワーを感じました。外国の人と繋がるツールは言語だけじゃない。その事実を初めて実感しました。そういう意味でこの音楽の授業は、僕のイギリス短期留学で最も大切な思い出の1つになっています。
【イギリス人の歌の上手さの秘密!?】
ちなみに滞在を通して、僕はスティーブをはじめイギリス人はみんなデフォルトで歌が上手いなと感じていました。テレビに出るような歌手ではなく、一般の人たちの歌が明らかに日本人よりも上手いのです。
そして道で見かけるストリート・ミュージシャン、パブで始まるジャムセッション、週末のグロスターやバーミンガムなどの都市で行われるアマチュアの音楽イベントなど、とにかく街中に音楽が溢れています。特にストリートライブの数は多く、これが東京で始まったらすぐにストップがかかるだろうな、と思いながら聴いていました。
この「イギリスと日本の音楽環境の違いはどこから来るのか?」と現地で知り合った学生に尋ねてみたところ、「学校での音楽教育の違いが理由の一つじゃないかな。」という答えが返ってきました。というのも、イギリスの小中学校は音楽のクラスで「発声法」からきちんと教えるらしいのです。そして「演劇」のクラスを必修とする学校も多く、そこでもきちんとした声の出し方や歌い方を学ぶそうです。
子どもたちが音楽や演劇など芸術の道に進む可能性を広げたい、という教育理念がそこにはあるらしいのですが、それが前述したようなイギリス人の歌の上手さ、音楽に対する寛容さにつながっているのかなと思います。
こういったイギリスの音楽文化に人との触れ合いを通して気付くことができるのも、海外留学の良いところです。
特にロックやポップスのバンドやアーティストが好きな人にイギリスはオススメです。夏期にはグラストンベリーなどの大規模な音楽フェスや、ノッティングヒルで開催されるカーニバルもあります。語学留学の合間にそれらのイベントに足を運んで、その国の音楽文化に触れるのも留学の楽しみ方の1つです。
【短期留学で海外の学校生活を体験して】
短期留学では外国の方との会話や交流の中で、自分の英語がどの程度通じるレベルなのか、現地の学生や他国からの留学生はどんな英語を話すのかを知ることができます。音楽やスポーツなどその国特有の文化も学べます。
また、日本の学校以外ではほとんど英会話をしたことがない人でも、1ヶ月の学校生活を経験するとネイティブの方と話すことに慣れていくと思います。僕もそうでしたが、少なくとも英語で話すということに対する不安は無くなっていきました。
ここまでブログを読んでくださった皆さん、海外での学校生活にトライしてみるのはいかがでしょうか?
短期間の留学でもその経験はきっと、教科書には載っていない「使える英語」を身に付けるきっかけになるはずです。
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