グローバル人材に聞く!「英語ができないとクビ!」TOEIC400点台からの英語奮闘記
公開日:
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最終更新日:2015/03/09
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
いま現在、英語を仕事で使っている人で、長期の留学経験や海外滞在経験がない人に、英語をどうやって身につけたのか、そして、効果があった学習法などをお聞きする「グローバル人材に聞く!」シリーズ。
(過去のシリーズのインタビューはこちら)
今回は、コンサルティング会社でグローバルプロジェクトを担当し、日々多国籍のメンバーと英語を使いながらお仕事をされている田中恵里(仮名)さんにインタビューをさせていただきました。
学生時代の英語学習
― 田中さん、よろしくお願い致します! まずは、学生時代のお話から伺っていきたいと思います。
― 田中さんは、学生の頃には英語は特別何か勉強されていましたか?
大学時代は英会話学校には通っていました。また大学1年生のとき、3週間だけカナダに短期留学に行きました。ホームステイをして、語学学校にも通いましたが、まったくわかりませんでした…。
「3週間じゃ上手くはならないよ」「1年間いても苦労しているのに」といろいろな人に言われたり、日本のバブル時代だったので現地の人に「どうせ親のお金で遊びに来てるんだろ」と言われたこともありました。
― 英語自体は好きだったのですか?
英語は昔から好きで、中学の時は英語クラブで英語の紙芝居を作ったりしていました。英検も中学生のときに取っていました。
高校は公立高校の体育系の部活に所属していたので、英語に熱心な学校だったものの遊んでいたばかりで勉強しませんでした(笑)。周りにはテストができる人がたくさんいましたし、毎年夏休みには英語の小説が課題本として配られましたが、それも読まず、確認テストもとくに勉強していませんでした。この頃はどんどん英語が嫌いになっていってしまいました。
大学受験でも英語はありましたが、英語を読んでも楽しい話なのか悲しい話なのか、話の趣旨すらもわからないようなレベルでした。
大学に入り、カナダに短期留学に行ってみて、これではまずいなと思って、自分のお金で英会話教室に行くようになりました。ICU(国際基督教大学)に通っている友人がたくさんいたので、彼女たちと一緒に海外に勉強旅行にも行ったのですが、ディスカッションなどで彼女たちがバーっと英語を話しているのを見て、すごいなぁと思っていました。そのあたりから真面目に英語をやるようになったと思います。
NCCに通いたかったのですが、費用が高くて断念し、近所だったこともあってイーオンに行きました。基本的にはネイティブの先生とのグループレッスンを受けていましたが、時々個人レッスンでTOEFL対策をやったりもしていました。イーオンには週1~2回通っていましたが、そこで伸びた記憶はありません。ただ、就職活動のとき、イーオンの先生が「外資系も受けたらいいじゃない」と言ってくれて受けたのが、最初に入社した外資系の会社です。
― 英語を使って仕事がしたいという想いはありましたか?
英語を使った仕事をしたり、海外に行きたいという漠然とした憧れはありました。外資系に行ったらそういう機会もあるかなと思い、その外資系の会社を受けました。就職試験のときは英語が全然できない状態でしたが、"I want to work here."を何度も繰り返して受かりました。会社の雰囲気が面白かったのと、大学で専門にしていた管理工学と似ていることをやっていたので生かせると思い、そこに入社を決めました。1996年、ITバブルの頃のことです。
社会人になってからの英語学習歴
― 働き始めた頃の英語力はどのくらいでしたか?
新卒同期のTOEICの平均は700後半でした。その中で私は400点後半くらい。それなりに勉強してきたという自負はあったのですが、世の中にはたくさんすごい人がいるんだ…という思いでした。当時英語は読み書きができず、辞書を片手に英文を読んでいましたが、周りにはそんな人はいませんでした。入社時は、英語はあまり使いませんでしたね。
― 社会人になってからは何か英語学習を続けられていましたか?
社会人になってからは、NOVAにも4~5年行きました。文法項目ごとに、単語だけを入れ替えて同じようなフレーズをひたすら練習したりしたので、そこでは基礎力がついたと思います。
NOVAに通っているときはNOVA以外の学習は特にしていませんでした。ただ、予習復習はちゃんとやり、ノートも取っていました。真面目にNOVAの授業を受け、しっかり身に付けていったという感じです。
― NOVAを止められたのは、NOVAがなくなってしまったときですか?
その少し前で、子供ができて通えなくなったためです。その頃には「もう英語はいいかな」と思っていました。英語で行われる電話会議も聞いていてもわからないし、出張で海外に行っても全然わからず、普段はせいぜい英語の文書を読むくらいで、英語を使う仕事もしていなかったため、英語の必要性はなかったのです。
「英語ができないとクビ」!
― そんな中で、また英語をやろうと思われたきっかけは何だったのですか?
あるとき、新しい上司がやってきて、「英語ができないとクビだ」というプレッシャーをかけてきました。「TOEIC800点は取れ」と言われ、800点を取っていない人は、常々「どうせお前は800点取っていないし」なんて言われていました。
― それで、また英語学習を再開されたんですね。
はい。800点を越えるまでに5年はかかりました。当時は2002年頃。本当に、その上司は先を見通している人だったと思います。今思えば、あのとき必死で英語をやっていなければ今の私はいません。
― とてもお忙しかったと思いますが、どんな風に勉強されたのですか?
私は、育休中を勉強期間に充てました。子供を抱っこしながら、主人が買っていたヒアリングマラソンを聞いていました。どんどん題材を変えて聞いていくのではなくて、1か月分をひたすら1年間ずっと聞きまくりました。体力的にも色々なことはできなかったので、ひたすら聞きました。
他には、『英語耳』をやりました。この時期ではないですが、『家出のドリッピー』もやったこともあります。
また会社では、英語勉強チームを組んでいて、半年ほどBSフジでTOEICの問題をやる番組があったので、それを昼休みに会議室で見て皆で解きました。これも基礎力作りになりました。チームでやっていたので、何とか続けられました。
その他にも色々な本を買いましたね。「今すぐ英語ができるようになる」という触れ込みの本をたくさん買っていました(笑)。
― 使って良かった本はありましたか?
『英語耳』はよかったです。「発音できないと聞けないんだな」という考え方や、著者の英語に対する想いが「なるほど!」と思いました。しかし、洋楽は好きではなかったので、1曲をずっと聴いて繰り返すというのは、モチベーションは上がりませんでした…。
― 他にも良かった本はありますか?
TOEICの点数を上げるという観点だけで言えば、アルクの『TOEIC TEST英文法出るとこだけ!』を何度もやりこんだら、点数が100点はあがりました。
それまでは、英語の力がつけば点数も上がるだろうと思っていましたが、日々点数を上げなければいけないというプレッシャーにさらされるなかでこのテキストを読んだところ、「これができないからできなかったんだ」というのがわかり、とても効率が良かったです。この本はある程度基礎がないと少し難しいので、当時の自分には合っていたけれど、もう少し前の時代だったら難しかったかもしれません。TOEICの点数が700点を越えて、800点を越えたい!というときに使い始めました。「厳密にはどっち?」とか、「どっちだろう・・・」と迷った時の判断に役立ちました。この本のおかげで800点を超えられたと思います。
あとは、『特急』シリーズも、電車で読めるし面白く、とてもよかったです。
― TOEIC対策以外で役立った本はありましたか?
『英会話ペラペラビジネス100』もよかったです。一見、馬鹿馬鹿しく思えるくらいシンプルな文章が多いですが、それが普段パッと出てこないわけですから、それらを繰り返し聞くのは実は効果があったと思います。
そのときそのときに合った勉強の仕方がある
― 色々な教材や本を使われて来たんですね。
そうですね。そのときそのときに合った、勉強の仕方があると思います。他の人がいいと言ってもそれが自分のレベルに合わないと効果は出ませんし。
― リスニングはずっと続けられていましたか?
そうですね。常に英語を聞くようにしていました。聞き流すだけでしたが、暇さえあればいつも聞いていました。元々リスニングの方が点数が良く、文法をやれば点数が上がると言われていましたが、リスニングにはいまだに苦手意識があります。
TOEICの試験とは違って実際の現場で使われる英語は速いし、崩れるし、話題も飛ぶので、今でも会議で半分以上はわからなかったりもします。言いたいことを言ったり、読んで大体意味がわかるようになった今でも、リスニングは永遠の課題だなと思っています。
― 800点を超えられた今でも、TOEICは受けていらっしゃいますか?
今はTOEICは受けていません。数年前に最後に受けたときは845点でした。私自身、TOEICは900点を目指したかったですし、その頃には上司には「870点を超えろ」と目標を上げられていたので、900点用の問題集を買ったりもしたのですが、伸び悩んでしまったのでとりあえず置いておくことにしました。
ただ、今会社では「英語がある程度できて、グローバルプロジェクトに入っても物おじしないレベルにならないと3年後に会社に残れない」と言われていて、私自身そのラインには残れています。
社内で、英語で仕事ができる人材かどうかを見られるときには、TOEICの点数だけではなく、実際に話せるか、メンタル面はどうか、など現場で仕事を回せるかどうかにも重点が置かれています。
― 実際にグローバルプロジェクトにアサインされていたのですよね。そこでも英語はたくさん使われましたか?
はい。一昨年、ほぼ初めてのグローバルプロジェクトに入ったときに、海外育ちの後輩と一緒だったのですが、その子の英語を聞いて、こういう風に言うのか!と勉強になりましたし、その子が英語をものすごく速く話すので、自分もそれについていこうとするうちに英語を速く話す癖がつきました。その子と一緒に、そのグローバルプロジェクトを一年くらいやっていました。
最初の頃は英語を話さなければならないときには彼女、あるいはプロの通訳に任せていました。自分が言いたいことを彼女達が同時に話してくれるわけですから、リアルタイムでこう言いたいときには英語でそういうのか、と学ぶことができました。
英語ができると担当する仕事は変わる?
― やはり英語ができると、担当する仕事は変わりますか?
「英語ができるからグローバル案件に優先してアサインされる」ということはありませんが、ある案件があって、そのプロジェクトに入ってもらいたい人を検討するときに、グローバル案件については英語ができないと候補にならないわけで、英語ができない人は仕事の選択肢が自然と狭まります。
今、若いコンサルタントたちは英語ができるのが当たり前です。恐らく採用時点で基準に入っているのでしょう。逆に日本語ができない人も入ってきてしまっています。でもお客様は日本人なので、どちらか一方ではなく、両方できるということが強みになりますね。
上の世代の方たちのほうが英語ができない人が多いので大変だと思います。仕事が忙しく時間もない中で、とにかく自分でやるしかありません。彼らは、「適当なレベルでも話す」ということをなかなかしません。通訳がいるならいてくれたほうが正確に伝わるから、自分では話さないし、自分で勉強するにもなかなか時間が取れないし。ということで、英語力を伸ばす機会がなかなかないのでは、と思います。
― そういう方たちが英語力を伸ばすにはどうしたらいいんでしょうね…。
理想としては、1年間でも留学した方が良いかもしれません。でも、会社としては、英語ができない上の世代の人には望みをかけておらず、自分で何とかしてね、というのが会社のスタンスです。数年後、会社の中心になるのはその世代ではないからです。
逆に言えば、英語は若いうちにやらないとダメということです。失敗できるうちにたくさんやっておくべきです。会社としても、若手社員を海外のプロジェクトに入れて経験を積ませたりするなど、英語のできる社員を育てようとしています。
― なるほど。上の世代にはなかなか厳しい状況ですね…。
言いたいことが口をついて出てくるという感覚
― 田中さんご自身は、TOEICのスコアを上げるための勉強を辞めてからは、実戦の中で英語を使って英語力を上げてこられた形ですよね?
そうですね。実戦で英語を使ううちに、さらに使えるようになっていきました。実際に使っていく中で「話せる」という感覚を得られるようになっていったのです。
過去何十年の間に学んできたフレーズが、ふと出てくるという経験をして、今まで色々やってきたことは無駄じゃなかったと思えました。これは知識がないと出てきません。プレゼンの資料を見て「なんかこのフレーズ変だな」という違和感が持てるようになったのも、きっと今まで様々なものを読んできたからですね。
― スピーキングの練習、というのは何か特別されていたのですか?
スピーキングは特に練習していませんでした。言いたいことが口をついて出てくるようになり、ばーっとしゃべれている自分にびっくりしたくらいです。留学しているとある日突然英語が話せるようになる、ということがあるそうですが、私自身は一昨年くらいまで携わっていたグローバルプロジェクトの期間を通じて話せるようになったと感じています。
一昨年まで携わったグローバルプロジェクトは、最初のうちは大変でした。若くて私よりも英語ができる社員がいたので、最初はその子に私が作った日本語の資料を英訳してもらったり、などという作業を任せていましたが、それも時間がかかるので直接自分で英語を使ってやるようになっていきました。私が仕事を仕切らないといけない立場でもあったので、最初は大変でしたが、仕事をしていく中で慣れていきました。プレッシャーがある中で実地で英語を使っていったことが、英語力向上に一番役立ったと思います。
― そのプロジェクトの後も英語を使われていますか?
そのプロジェクトの後、去年から突然、日本人のいないプロジェクトに入れられ、今もそのプロジェクトに従事しています。ボスが日本人ではないため、私が全部英語でプレゼンもしなければなりません。チームの外国人メンバーはグローバルプロジェクトに慣れていて、図を書いて説明してくれたり、わからないところをフォローしてくれたりしています。私の使った英語の意味がわからないとき、「こういうこと?」って聞き返してもらえると「こっちの単語を使えばよかったんだ」という勉強になり、使える単語や言い回しも増えました。ただし、それこそ基礎がないと出てくるも言葉もないので、基礎力をつけておいて良かったと思います。
― 最近はお仕事で実地で英語を使われる以外には特に英語学習はされていませんか?
仕事以外では、オンラインの「グローバルイングリッシュ」を会社のお金でやっていました。例えば‘wouldとshouldの使い分け’などというように、「今日のチャプターはこれ」とテーマが決まっていて、それらを様々な文例やそれを使った会話、ビジネスをテーマにしたストーリーから学習していました。
グローバルイングリッシュは、レッスンを1個1個こなしていく感じです。15分くらいでできるので、毎朝やる、という形で続けやすかったですね。自分で録音した音声も評価してくれたので面白く、スピーキングの勉強にもなりました。1年で6万円ほどかかりますが、それだけ払う価値のあるものだったと思います。まずはレベルチェックからスタートしますが、やりたいところからやりたいところだけもできたりします。リーディング、リスニング、文法など、1つのチャプターの中にいろいろなものが入っていて、バランスよく楽しみながらできます。それに、ビジネスを題材としていて、実際に使う場面をイメージしやすいのも良かったです。
― そのグローバルイングリッシュは会社の方、皆さん使われていましたか?
仕事が忙しく時間がないので、やっていた人はほとんどいないと思います。進捗チェックもなかったので自己管理が必要でした。
― 田中さんはそういうものをご自身で続けられるのは元々得意な方なのですか?
元々、通信講座などの自分でやっていくものはあまり得意ではありませんでした。前にも挙げたヒアリングマラソンはCD1~2枚をやっただけです。わからなくて次に進めなくて…。じっとしていられない性格で、育休中で「何かやらないと」と切羽詰っていたこともあって、「こんなところでじっとしていられない!」と頑張れていたのが大きかったです。
自分の向いているものに出会え、モチベーションが入ると集中してやれる性格なのだと思います。全然読んでいない本も本棚にはたくさんありますが、気に入った本はずっと読んで取ってあります。
― 私も、本だけはたくさん買って、その一部だけ気に入ってやるタイプです(笑)
今は、ネイティブスピーカーが書いた英語に関する本も良さそうだなと思い、時間があったら読もうと思っています。‘洗練された会話のための英語表現集’と言う本です。
― 英語を話すことへの抵抗はもう全然ありませんか?
全然抵抗がないわけではありません。ネイティブとはなかなかスムーズに話せませんし、電話会議で「わからない!」と思った瞬間に何を言っているかわからなくなってしまうこともあります。わかったふりをしてあとから聞いたりすることもありますし、上司は「ノンネイティブだから仕方ない」と思っているかもしれません。インド人と話していて、わからず「Yes, yes」と言っていたら「Yesじゃないよ、聞いてるんだよ!」と言われたこともあります(笑)。
今後のばしていきたいところ・目指す英語力
― これから伸ばしていきたいところはありますか?
たとえば、プレゼンのときに、 would like to… というフレーズばかり使って、「このスライドはこれが言いたいんです」、「ポイントはこれなんです」などと同じようなフレーズやセンテンスを何度も繰り返してしまいます。
幸か不幸か留学をしていないので、汚い英語をつい話してしまう、というようなことはないのですが、あまり使わないような硬い言い方(~でございます など)をしているかもしれません。
― 今後はどんな英語力を身につけていきたいですか?
この半年、「自分の英語が伝わる」ことは学びました。ただ、もしかするとかなり失礼なことを言っているかもしれないし、相手がわかろうとしてくれるのをいいことに自分は単語を並べるだけになってきてしまっています。それで生きていけるということはわかりましたが、相手のことを考えて初心に帰って勉強していこうと思っています。
いまは仕事の中で触れているのみですが、そろそろ他にもやりたいと思い始めています。今はプレゼン内容もおかしいところは直してもらっているので、仕事に使うのに相応しい、オフィシャルな英語を自分で使えるようになりたいです。ビジネスに即して自分のレベルもだんだん上げていきたいです。
発音はそんなに上手ではなく英語が流暢ではなくても、相手の言っていることがきちんとわかり、間違ったことや失礼なことは言わず、論理的で、ちゃんと伝わっているような人がいます。"仕事ができる"というのはこういうことか、と思いますし、そういう人になりたいです。ビジネスを通じてどんどん高みを目指していきたいですね。
― 英語学習を続けるうえでのハードルはありますか?
どうやって時間をやりくりするかが今一番の課題です。12歳と8歳の子供がいて、英語ができないと生きていけないというのは子供たちにも言っています。まだピンと来ていないようですが……。
私の子供たちが大人になるころには、英語ができないと仕事がないと思い、心配しています。私が家で電話会議をしているのを聞いて、英語ができないと仕事にならない、というのは子供たちは見て感じているのかもしれません。
― 今後、どんな風に英語学習を続けていく予定ですか?
今後も隙間時間を使いながら勉強していくと思います。言いたいことがうまく言えないというのは続くし、聞けないものもまだあるし、インド英語もできないといけませんし……。インド人は頭がいいので考えることも早いし、ものすごいスピードで話してきます。単語の使い方も独特です。これを聞き取れるようになるには慣れなのではないでしょうか。
― ネイティブと話すときと、ノンネイティブと話すときは、やはり英語を話すときの感覚は違いますか?
私のチームはインド人、台湾人、中国人だけで、皆ネイティブではありません。アメリカ人はわからなくてもお構いなしに配慮せず話すので、いまだにアメリカ人だけのチームに入ると話すのが難しいですね。ノンネイティブ同士のほうが話しやすいです。
英語が話せるようになって変わったこと
― 英語が話せるようになって、何が変わったと思いますか?
英語が話せるようになると、当然仕事の幅が広がります。私もグローバル案件について「田中さん、行ってきて」と言われて、直ぐに「はい」と引き受けられるようになりました。私のチームから一緒にサポートしてくれるメンバーを連れて行こうとしても、英語以外のスキルは完ぺきなのに、英語ができないという理由だけで連れていけない人が本当に多いです。もったいないですし、すごく残念です。
英語が話せるようになると、経験できることも変わります。インドやメキシコの人たちと電話会議をするなどというような面白いことも、今まで日本語しかできなかったためにやれていなかったのか!と、できるようになって気づきました。
私自身も、かつては、自分が英語できるようになることを想像しておらず、「英語ができて何になるんだろう」と思っていました。当時は英語のプロジェクトもありませんでしたし、まさか自分がそういう仕事をするようになるとは思ってもみませんでした。
― そういう英語を使うプロジェクト自体が増えてきたのですか?
昔は自分が英語のプロジェクトに触れていなかったからということもあるかもしれませんが、最近英語を使う仕事は社内でも増えてきたように感じます。「英語ができない奴はいらない」という流れがあります。会社は海外の案件を取りたがっており、みんな必死になって英語をやっています。
― それは本当にそうですね。でもそういう流れや危機感を感じている方と、まだ感じていない方もいらっしゃるかもしれないですね。
英語学習者のみなさんへのメッセージ
― では、最後に、今英語学習をがんばっている方や、いつかは仕事で英語を使えるようになりたいという方へ、メッセージをお願い致します。
「諦めない」「続ける」。これだけだと思います。
今英語ができている自分を見て、あのとき諦めてやめなくてよかった、と思います。面白くないし、成果も見えてこない、というときは本当に嫌でやめたくなりましたが、なんで英語をやっているんだろうと思うとやめたくなるので、考えないようにしていました。
きっと、やり方に正解はありません。あのとき読んだつまらない本が、今になって役立った、ということもあります。
皮算用はしないで、自分がこれ、と思ったものをやればいいのではないでしょうか。後からわかるときがきます!
― 勇気の出るメッセージをありがとうございます!!
インタビュー後記
田中さんにインタビューをさせていただいて、「諦めない」「続ける」ということの大事さは後で分かるものなんだな〜と思いました。「皮算用はしないで、自分がこれ、と思ったものをやればいい」という田中さんの言葉が、経験に裏打ちされたアドバイスとして、とても印象的でした。
ジョブズのスピーチの1st storyの最後の部分を思い出しました。
Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. Because believing that the dots will connect down the road will give you the confidence to follow your heart even when it leads you off the well-worn path, and that will make all the difference.
今回のインタビューでも、いくつか本や学習法をご紹介いただきました。もちろん、向き・不向き、相性はあると思いますが、何かピンとくるものがあったら、これと決めて、一定期間つづけてみましょう!始めなければ、そして続けなければ、未来は変わりません。
Go for it!!
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タニケイ