グローバル人材に聞く!外資系金融機関で働く高田さんの英語学習歴<後編>
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最終更新日:2014/05/05
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
いま現在、英語を仕事で使っている人で、長期の留学経験や海外滞在経験がない人に、英語をどうやって身につけたのか、そして、効果があった学習法などをお聞きする「グローバル人材に聞く!」シリーズ。外資系金融機関で毎日英語を使って働く高田さんの英語学習歴をインタビューさせていただきました!
外資系金融機関で働く高田さんの英語学習歴インタビュー(後編)
タニケイ:他にも何か英語関係でやってきたことはありましたか?
高田さん:そういえば、ビジネススクール・インターナショナルの基礎クラスが終わったくらいの時に、リーズナブルな合宿形式のものにも参加しました。静岡で行われたLanguage Villageの、「国内で海外留学体験・英語漬け」という5泊のものです。
「英語漬け」ではあるのですが、実際には遊びが多く、そんなに厳しくはなかったです。あまり普段英語に触れる機会がない人や、英語がしゃべれない人が行ったら良いかなという感じです。お花見、映画鑑賞、ビリヤードをみんなでするなど……。個人的には、少し物足りなかったです。もっとスパルタ系の合宿は値段が高いようですね。
その頃は英語の勉強を始めたばかりだったので、習ったばかりの表現である「Could you say that again, please」ばかり使った記憶があります。各種ある英語合宿の中でこれを選んだのは、リーズナブルで、日本で行われていたからです。
他には、語学スクールのCOCO塾にも6ヶ月、通いました。先生の質は高いのですが、時間単価が高くコストを考えるとパフォーマンスはあまりよくないと感じました(あくまで個人の感想です)。
フィリピン留学にも
タニケイ:フィリピン留学にも行かれたそうですが、それはいかがでしたか?
高田さん:今まで3回セブに留学しました。実は今年、4回目のフィリピン留学に行きます。国内の合宿形式の学校に物足りなさを感じたのがきっかけです。安くて、学校選びを間違えなければ、すごく勉強ができます。
タニケイ:セブ島を選ばれたのは理由があるんですか?
高田さん:マニラは治安が悪いイメージがありました。空港でニセの案内表示(○○さん、ようこそ!のような)を作って、誘拐された人もいると聞いて、リゾート地で安全そうなセブを選びました。
タニケイ:具体的に学校はどうやって探しましたか?
高田さん:学校は「フィリピン留学ドットコム」で検索し、韓国資本がやっているスパルタなところを選びました。
1回目はCDU ESLに行きました。スパルタコースを選択しており、勉強時間は1日8~10時間でした。授業時間には満足でした。ただし、生徒は韓国人が98%で、韓国語の勉強にはいいかもしれません(笑)。授業以外では、ほとんどみんな韓国語を話していて、留学している人が英語の初心者ばかりなので、授業以外で英語を使うことは期待しないほうがいいと理解しました。友達はできましたが、なかなか意思の疎通は難しいですね。フィリピン留学の学校選びのポイントの1つは、「日本人比率が高い学校を選ぶこと」と思います。
2回目以降は、USP ESLに行き、次の4回目も同じ所に行きます。100分×4コマで、全てマンツーマン授業です(追加費用が必要)。オプションとして、これに無料のTOEIC向けの授業も追加でできます。私はTOEICに興味がないので受講していませんが、「この授業もしっかりとしている」と他の生徒から聞きました。
タニケイ:留学先ではどんな内容の授業を受けているんですか?
高田さん:2回目以降は、自分でやりたい教科書を持って行って授業方法を指示しています。マンツーマンですので、融通がきくはずなのですが、先生によって希望通りになるかどうかはわかりません。レベル分けがかなり粗いので、自分で教科書を持っていくことも1つの方法だと理解しました。
正直、先生の質はレアジョブよりはかなり上と思っています。特に、私が当たった先生は飛び抜けてよかったです(ただ運がいいだけかもしれませんが)。発音も直してくれました。先ほど、言いませんでしたが、レアジョブはいい先生もいるのですが、講師の質の分散が大きいんですよね。
USP ESLはおすすめの学校の1つです(注)。私の考えている学校のいいところは、「日本人比率が高いこと」、「60分授業ではなく、100分授業」、「マンツーマン授業が多いこと」等です。また、セブ島のITパークの近くで、治安もいいです。この学校も恐らく韓国資本と思いますが、今のところ韓国人だらけという時期には当たっていません。各国の大学の休みの時期によって生徒の国籍比率は異なるようです。私は、3月か9月の滞在でした。
(注)2014年中に学校の形態が大幅に変わるようなので、今後はよくわかりません。本当か知りませんが、噂では辞めている先生も多いと聞きいています。
タニケイ:申し込みは学校に直接されたんですか?
高田さん:ハングルを読めないと直接申し込むのは難しいと聞いたので、代理店経由で申し込みました。代理店経由になると、日本人と韓国人で値段が違う学校があるようです。代理店によっても値段が異なります。また、USP ESLに関しては、2回目の滞在以降は、直接、学校に申し込むことも可能でしたが、引き続きフィリピン留学ドットコムで申し込みました。めんどくさいことはしたくないと思ったので。
タニケイ:期間はどのくらい行かれていますか?
高田さん:今までの3回は、2週間ずつ留学していました。今度の4度目は、3週間です。実は、今の会社はフランスの会社なので、休みがとりやすいのです。せっかく休暇なので、将来に向けて自己投資をしたいと思っています。
現在の英語学習状況について
タニケイ:ちなみに、今はどこかの英会話学校には通っていらっしゃいますか?
高田さん:今は語学学校には通っていません。仕事をしながら、夜間の大学院(MBA)に通っているので、時間的に英語学校に通う余裕がないんです。
タニケイ:では、なにか英語のセルフトレーニングはしていますか?
高田さん:今でも「キクタン(reading)」を使って、時間がある限り1人で勉強していますよ。
タニケイ:どんな時間を使って、どんな風に覚えていますか?
高田さん:Basicのほうは、お風呂に入っている間に1日1冊の半分くらいを1 Reading Partずつ音読しています。Advanceのほうは、「聞いて読んで」を週2~3日、30分~1時間程度ずつ繰り返しています。もう暗唱はしていません。基本的には、仕事や大学院から帰宅してからしています。
タニケイ:すごいですね!そんなお仕事後の疲れている時間に英語を続けるのって、大変じゃないんですか?
高田さん:大変ですが、私の場合、もう外資系企業で生きていくしかないですからね。「今のままじゃ、やばい」との思いから続いているのだと思います。
実務では今も悔しい思いをしています。チームメートが頑張って、私の英語を聞き取ろうと頑張ってくれているのがわかるからです。相手の好意の上に、業務が成り立ってるんだと思いますね。
今の会社はすごく魅力的な会社で、当初、今の業務を始めるときに、「英語をしゃべれて、仕事ができる人間はなかなか見つからない。英語だけがしゃべれる人間は腐るほどいるけど、それしかできない人ばかり。英語よりも、仕事上の実力が大切で、語学は少しつずつ勉強していってほしい(←私なりの要約)」と言われたんです。私も、仕事において、確かに英語なんて本来は大切ではないと理解しています。だから、早く英語の勉強をやめて、もっと大切な仕事にかかわる勉強に時間をさけるよう、早期の英語習得に向けて頑張っています。
効果があったと思う英語学習
タニケイ:では、今まで色々な方法で英語学習を続けてこられて、これは効果があった、と思う方法はなんですか?
高田さん:日本で英語の教育を受けてきて、ただしゃべれるだけじゃなく、きちんと書く練習をしてきたのは良かったと思います。ビジネスにおいて、「書く英語をしゃべる」ことが大切と理解しています。口語においては、多少、適切でない表現の場合でも、「書く英語」を話すと、相手も敬意をもって対応してくれます。恐らく、しっかりとした教育を受けてきた人と認識するのだと思います。あるいは、しゃべれなくても、きちんとした英語を書いて渡すと、しっかりした人だと一目置かれます。ただしゃべれるだけの人間は世界にたくさんいます。だから、きっと英語よりも中身が大切なんですよね。きちっとした教育を受けた人しか、書く力はないと確信しています。「英語を書く力」がなかったら、今の自分はなかったでしょう。
その点で、今までの日本の英語教育は、本当に世界で通用する素晴らしいものと思っています。最近は日本の教育は中途半端に「話すこと」に集中し始めているようで、危惧しています。「中途半端な帰国子女」みたいな人を量産しないことを祈っています。
英会話については、ビジネススクール・インターナショナルで自分のレベルを確認しながら、勉強を進めることができたのがよかったです。それをベースに、補助的に、FORWARDで発音矯正(Hidemi先生)ができたことはプラスに影響していると思います。この2つの学校には感謝しています。
タニケイ:ちなみに、TOEICのスコアはどのくらいだったんですか?
高田さん:今の会社に入った時に、300点台でした。リスニングを1回しか聞けないともしらず、英語を聞いているうちにいつのまにか眠りにつきました。英語はまさに子守唄ですね。いびきで隣の人に迷惑をかけていなかったことを願っています(笑)。目が覚めてから、半分以上を勘でマークして提出しましたね。
タニケイ:その後、スコアは上がっていきましたか?
高田さん:2年くらい勉強した後に受けた時は、低いのですが、700点台でした。今の会社(チーム)は米英の大学(院)を出ている外国人ばかりで、誰も試験のスコアを気にしていないです。だから、私も今さら「受験しろ」なんて言われません。もし仮に転職活動をするなら、もう一度、受験をしないといけないといけないとは思っています。
タニケイ:英語力を伸ばして、それがスコアにも反映されていった形ですね。では、今後の目標は何ですか?
高田さん:いまだに社外の国際的な会議に出席した際には、ミーティングに積極的に会話に入りにくいです。仮に日本語だとしても内容的に難しいこともあるのかもしれませんが、英語が1つのネックになっているのは、間違いありません。自分の中で何か問題があった時に、「英語力を言い訳としないレベル」にまで、少なくとも高めたいと思います。早く英語の勉強をやめて、英語なんかより重要なことに時間を費やすためにも!
タニケイ:なるほど。たしかに、英語だけができてもダメですよね。私も中身を磨かないと…!今回は詳細なお話を本当にありがとうございました。英語学習者の皆さんの参考になると思います。今後ともがんばってください!
インタビュー後記
高田さんにインタビューをさせていただいて、忙しい中でいくつも英語学校に通いながら、TOEICを300点から700点台へと伸ばし、仕事に使えるレベルの英語力を身につけられたのは、きっと、毎日仕事で必要性を感じながら、強い危機感があってのことなのだろうと思いました。
「いつか英語ができるようになったらいいな」ではなく、「英語ができないと仕事にならない!」という状況に自分を置いてみるのも、英語を本気で身につける一つの方法だな、と思います。
皆さんも、ぜひ高田さんの例から、何かヒントを得て頂けたらと思います!
Enjoy Learning English☆
タニケイ