ジョブズの”Stay Hungry, Stay Foolish”スピーチのその後
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最終更新日:2013/11/04
皆さん、こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
スティーブ・ジョブズの2005年のスタンフォード大学卒業式での、あの有名なスピーチを使ったシャドーイングの実践練習本を電子書籍(Kindle本)で出版させていただきました。
【実践練習本】英語耳を作るシャドーイング-スティーブ・ジョブズ編-
さて、この有名なスピーチですが、後日談をまとめられている方がいましたので、ご紹介します。
このスピーチの5年後、2010年6月の「D8 Conference」というイベントで、「あれから数年経って、何かあのスピーチに付け加えたいことはありますか?」という質問を受けたジョブズは、こんな風に答えています。
Steve Jobs at the D8 -Life is fragile-(動画)
"Oh, I have no idea...I have no idea. Probably I would just turn up the volume on it, because the last few years have reminded me that life is fragile."
"life is fragile" もまた、心に刺さる言葉ですね。
「人生はもろいもの、儚いもの」だということを、私たちは普段忘れがちです。誰かの死に直面したときや、自分が病気になって、死の可能性を少しでも考えたときに、人生は有限で、もしかしたら予想よりも早く終わりがくるかもしれない、ということを突然実感します。
ジョブズは、2005年のスピーチでは、"I had the surgery and thankfully, I'm fine now." (手術を受けて、今は元気です)と語っていますが、その後2008年には肝臓への癌の転移が判明し、2009年に肝臓の移植を受けました。
そして2010年には一旦体調回復の兆しを見せましたが、2011年に入って癌が再発。その年の8月24日、取締役会に辞表を提出してAppleのCEOを辞任しました。そのときのジョブズの言葉です。
"I have always said if there ever came a day when I could no longer meet my duties and expectations as Apple’s CEO, I would be the first to let you know. Unfortunately, that day has come."
自分が愛する仕事、AppleでのCEOとしての職務を果たせなくなるときがくることを、前から覚悟していたのですね。
そして、2011年10月5日、自宅で妻や親族に囲まれて、56歳で亡くなったのです。
私は当時、Appleと競合関係にある日本のメーカーで働いていましたが、実はApple製品やジョブズのスピーチやプレゼンがとても好きでした。(競合の会社についての勉強会でAppleについてプレゼンをしたときに、あまりに熱く語り過ぎて、上司に引かれたくらいです・・)
ジョブズの死はショックでした。それを知った直後に、私がFacebookでつぶやいた言葉です。
We lost him.
One era has ended.
I loved his exciting, charming, and strategically structured presentation so much.
I really really loved his speech in Stanford Univ.
He was like a curious boy, even after he became a CEO or one of the most famous people in the world.
And at the same time, he was like a strict coach for every business person, not allowing us to compromise.
He gave us a huge gift. It is not i-something.
It is a belief. Belief that we can change the world by acting with a strong passion.
May his soul rest in peace.
No.
His soul will stay hungry, stay foolish.
ちょうどその頃、今も通っている表参道の英語学校FORWARDに入学したのですが、そこで、数ヶ月後にスティーブ・ジョブズのスピーチを題材にしたRecitationの練習が始まりました。ジョブズのスピーチが題材に選ばれて、とても嬉しかったのを覚えています。
そして、Recitationの練習を通して、ただ聞くだけで好きだと思っていたこのスピーチが、もっとずっと深く味わえるようになりました。
何度も自分で口に出して練習するうちに、ジョブズの言葉が本当の意味で、自分の中に入ってきました。好きなフレーズがたくさんあって、何度も口に出して言いたい、心を込めて話したい、人にも伝えたい、という部分がたくさん出てきました。
中でも、2nd storyの中の、この部分が私は一番好きです。
Sometimes life is gonna hit you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for work as it is for your lovers. Your work is gonna fill a large part of your life and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking and don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it and like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So, keep looking. Don't settle.
そして、3rd storyの、この部分も。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
この部分を繰り返し練習していて、まるで自分自身に問いかけられているように感じ、それがきっかけで、自分の人生に満足できるような仕事をしようと、思ったのです。そして、周りの人の声に従って、ではなく、自分の心や直観に従って生きることにしたのです。
今回作った本はシャドーイングトレーニングのための実践練習本ですが、ぜひシャドーイングを終えたらRecitationにも挑戦していただきたいと思います。
私も何度かジョブズのスピーチのRecitation Contestに出たのですが、スピーチ全体のRecitationにはチャレンジしたことがないので、引き続き練習して、スピーチ全体のRecitationをいつか人前でしてみたいな〜と思っています。(14分も誰か聞いてくれるでしょうか・・)
ぜひ一緒に、ジョブズのスピーチを使ったシャドーイング、そしてRecitationの練習をしていきましょう。
Enjoy Learning English!!
タニケイ