伝わる英語発音の5要素 ①音の変化（リンキング）をマスターしよう！

こんにちは！英語学習コーチのタニケイです。

前回、文単位で伝わる発音に変えていくための5つの要素をご紹介しました。
今回はその中の1つ、『音の変化（リンキング）』について、少し詳しく解説しようと思います！

英語の音声を聞いたときに、音だけでは何と言っているのかわからなかったけれど、スクリプトを見たらとても簡単な文だった、という経験はありませんか？

たとえば「レッミーティンカバウリッ」と聞こえて「レッミー」「カバウリッ」って何？ と思ってスクリプトを見たら、"Let me thinkabout it." だった、というような例です。英語にはこういった音の変化がよく起こります。これが「リンキング」と呼ばれる現象です。

リンキングとは、単語と単語がつながって聞こえることです。
これには色々なパターンがあります。音が単純にくっついて発音されたり、つながった部分が違う音に変化したり、一部の音が聞こえなくなることもあります。

こうした現象について、一般の英語学習者向けの書籍では「リンキング」以外にも、「リエゾン（音がつながって変化すること）」「リダクション（音が脱落すること）」といった言葉がよく使われます。
一方、英語音声学の書籍では「連結、同化、消失」といった用語を使って、これらの現象を説明しています。タニケイ式では音の変化をまとめて「リンキング」と呼ぶことにします。

次の２つの文を見てみましょう。

◇Have a nice day.
（訳：良い一日を！）

このような文を話すとき、単語ごとに「ハヴ・ア・ナイス・デイ」と区切って話すのではなく、「ハヴァナイスデイ」となめらかに話します。ここで、「ハヴ」と次の「ア」がくっついて、「ハヴァ」のようになるのもリンキングの一種です。

子音で終わる単語の次に、母音で始まる単語があれば、その子音と母音をくっつけて発音するのが一般的です。

◇Don’t waste your time.
（訳：時間を無駄にしてはいけない）

このときも「ドゥント・ウェイスト・ユア・タイム」ではなく「ドゥンウェイスチュアタイム」のようにつなげてなめらかに話します。そのとき、Don' tの最後のtの音は消えてしまいます。このように、前の単語がtやdなどの子音で終わって、次の単語も子音で始まる場合には、前の単語の最後の子音を省略させて話すことが多くあります。
またwaste yourがつながって、「ウェイスチュア」と音が変化します。こうした、子音＋ y のつながりで起こる音の変化もリンキングの一種です。

以下は主なリンキングの例です。

▶ リンキングの例

◎子音＋母音（1 つの音になる現象）
前の単語が子音で終わり、次の単語の最初が母音のとき、子音と母音がつながって、1 つの音になります。

◎子音＋ y（音が混じって変化する現象）
前の単語が子音で終わり、次の単語の最初がy で始まるとき、その2 つの音が変化して違う音に変わります。

◎子音＋子音（音が聞こえなくなる現象）
前の単語が子音で終わり、次の単語が子音で始まるとき、前の単語の子音をはっきり発音しないことが多くなります。

◎ t + 母音（ラ行のようになる現象）
前の単語がt で終わり、次の単語が母音で始まるとき、そのtと母音がくっついて変化し、日本語のラ行のような音に変わります。

リンキングは、絶対のルールというわけではありません。
話す時にスムーズに口を動かせるようにするため、会話の中で自然とこのように発音されるようになったものなのです。
ですから、ゆっくり話す時はリンキングが使われないこともありますし、国によってもリンキングをあまり使わないことがあります（一般的にアメリカ英語ではリンキングによる音の変化が多く起こります）。

リンキングを意識して練習すると、発音がなめらかになるだけでなく、早口の英語が格段に聞き取りやすくなるため、ぜひリンキングをマスターしましょう！

次回は『伝わる英語発音の5要素 ②アクセント』について詳しく見ていこうと思います。

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