オバマスピーチのレシテーションを一緒に練習しませんか?
公開日:
:
最終更新日:2014/08/11
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
私のお気に入りの英語学習法の一つ、「レシテーション」は、有名なスピーチなどを覚えて話すものですが、ただ暗唱するだけではなくて、意味を深く理解して、自分のスピーチかのように語る、というユニークな練習法です。
私の通っている英語学校FORWARDの石渡誠先生は、この学習法を「朗唱」として広められていて、私もFORWARDで2年半以上、スティーブ・ジョブズやオバマのスピーチのレシテーションを練習しています。
レシテーションには色々な効果があるのですが、私が感じているのは、発音への感度が高くなったり、英語がなめらかにナチュラルに抑揚をつけて話せるようになったり、色々な語彙やフレーズを自分のものにできる、という英語力そのものの向上のほかにも、英語と自分の気持ちが直接結びついていく感覚を味わうことができる、という効果です。こんな練習法は他にないので、ぜひ英語学習者のみなさんにはレシテーションにトライしていただきたい!と思います。
英語学校FORWARDでは、レシテーションが全生徒の課題になっていて、3ヶ月に1回レシテーションコンテストも開催されます。
今の課題はオバマの2004年民主党党大会での大統領候補ジョン・ケリーの応援演説スピーチで、これまで1年くらいかけて、このスピーチに取り組んで来ました。そして、次回10月のコンテストが最後のパートになります。16分ほどあるスピーチのうち、最後の2分ちょっとが次回コンテストの範囲です。
オバマのスピーチ動画はこちらから
FORWARD代表の石渡誠先生が、このオバマスピーチのレシテーション(朗唱)を練習するためのトレーニング本を電子書籍で5冊シリーズで出されていて、本日この最後の5冊目が発売になりました!
昨年オバマスピーチのレシテーションを始めたときには、私は正直、その前に課題になっていたスティーブ・ジョブズのスピーチほど、レシテーションを楽しいと思えませんでした。政治家のスピーチで、しかもアメリカ人に向けてのスピーチですから、どうしても自分から遠いことのように思えて、最初の頃は、ただオバマの真似をして話すことしかできませんでした。
でも、このスピーチをただ聞くだけでなく、石渡先生のスピーチに関する解説を読んだり、オバマのスピーチテクニックを知っていくことで、このスピーチの素晴らしさがだんだん分かるようになりました。
また、スピーチでは語られていないオバマの生い立ちや、それまでのアメリカの政治の流れを知ったり、政敵に対するネガティブ広告を打つ人たちの具体的にとった手法などを知っていくことで、なぜオバマがこのときにこんなスピーチをしたのか、そしてそれに対して聴衆がこんなにも盛り上がったのかを、理解することができたように思います。
このスピーチの素晴らしさの一つは、細部まで考えられ、練り上げられた構成にあると思います。それぞれのパートがスピーチの中で欠かせない役割を持つとともに、全体を通して、伏線があったり、同じフレーズを使って、前の部分を思い起こさせるようにしていたりと、聞けば聞く程に味わえるスピーチになっています。
たとえば、スピーチの最初の方で、オバマは自分の祖父母や両親の話をしているのですが、両親は寛容な国であるアメリカを信頼し、自分にアフリカ系の(アメリカでは目立つおかしな)名前である"Barack"と名付けた、という話を出しています。
They would give me an African name, Barack, or “blessed," believing that in a tolerant America your name is no barrier to success.
そして、スピーチの最後の方では、この選挙は「希望溢れる政治」を望む人のための選挙だと語り、どのような希望かという例として、以下のように言っています。
It’s the hope of slaves sitting around a fire singing freedom songs; the hope of immigrants setting out for distant shores; the hope of a young naval lieutenant bravely patrolling the Mekong Delta; the hope of a millworker’s son who dares to defy the odds; the hope of a skinny kid with a funny name who believes that America has a place for him, too.
この最後の、"the hope of a skinny kid with a funny name who believes that America has a place for him, too" というところはオバマ自身のことで、"funny name"というのが、"Barack"という名前のことだと、私たちは聞いてすぐに分かります。
この部分を聞くと、スピーチの最初の方に語られた両親の想い、そしてオバマがアメリカの中でマイノリティとして、しかし希望を持って、理想を掲げて生きてきたことが思い起こされ、毎回涙が出そうになります。
また、最後のパートの中でも盛り上がるクライマックスの部分は、とてもリズミカルで、かっこいいのです。ぜひ音声を聞いてみてください。
America! Tonight, if you feel the same energy that I do, if you feel the same urgency that I do, if you feel the same passion that I do, if you feel the same hopefulness that I do - if we do what we must do, then I have no doubt that all across the country, from Florida to Oregon, from Washington to Maine, the people will rise up in November, and John Kerry will be sworn in as President, and John Edwards will be sworn in as Vice President, and this country will reclaim its promise, and out of this long political darkness a brighter day will come. Thank you very much, everybody. God bless you. Thank you.
このパートを聞いていると、英語の作り出すリズムをもっと味わい、自分のものにしたくなります。
最後の一文、"out of this long political darkness a brighter day will come" は低めのトーンで話していますが、とても力強く、そこには、オバマの心からの願いが込められているように聞こえます。
まだ私もこの5冊目に含まれている最後のパートを練習し始めたばかりですが、これを練習し終わって10月のコンテストを迎える頃には、このレシテーションによってまた自分自身に何か変化があるだろうな〜という、そんな期待をしてしまうスピーチです。
FORWARDのコンテストの詳細はまだ発表されていませんが、前々回、前回と同様に、一般参加も可能になると思います。詳細が発表されたら、こちらでも告知させていただきますね!
この本で一緒にレシテーションを練習して、できればコンテストにも出場してみて、レシテーションの面白さを一緒に味わってみませんか?あなたとコンテスト予選でお会いできるのを楽しみにしています☆
Enjoy Learning English☆
タニケイ