MOOCを活用して「英語で学ぶ」を実践しよう☆
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こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
みなさんは毎日シャドーイングなどリスニング力を向上させるセルフトレーニングを続けていますか? 英語の音はしばらく聞かないでいると聞き取れなくなっていきます。できれば、毎日意識的にセルフトレーニングをして、リスニング力を上げていくのがお勧めです。そして、そのセルフトレーニングの成果を試すためにも、一定期間トレーニングをしたら、実践で英語リスニングをしていきましょう☆
英語のリスニングを実践する方法としては、「英語で何かを学ぶ」のがおすすめです。学ぶ対象は何でもいいのですが、自分の興味があるものを選ぶことが大切です。
そこで活用したいのは、アメリカの大学などがオンラインでたくさんの授業を提供しているMOOC(Massive Open Online Course)というサービス。あらゆる分野の最先端の内容を、いつでも好きなときにオンラインで学ぶことができ、嬉しいことにほとんどの場合、無料で学ぶことができます。これを利用しない手はありません。せっかく身に付けた英語力を使って、興味のある分野を学んでみましょう!
MOOCがお勧めの理由
①さまざまな分野の講座を学ぶことができる
MOOCと一言で言っても、さまざまなサービスがあります。そして、各サービスの中に数百から1000以上のコースがあります。たとえば、有名なMOOCサービスの一つであるcourseraを見てみると、政治、経済、教育、法律、語学、生物学、生命科学、薬学、ヘルスケア、栄養学、数学、統計、哲学、心理学、音楽、芸術、Webデザイン、ゲームデザイン、アプリ開発、電子工学、機械工学といった、大学の教養科目から専門科目まで多岐にわたる内容のコースがあります。また、ビジネスに役立ちそうな、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、コーチング、パブリックスピーキングといったコースもあります。
基本的に無料で学ぶことができる
アメリカのHarvard, Stanford, UCLAといった有名大学の教授陣が講師となり、最新の内容を講義してくれるにも関わらず、基本的にはMOOCのコースは無料で受講することができます。修了証や学位を取得したい場合には有料となりますが、今後MOOCの認知度が上がっていくにつれ、MOOCのコース修了や学位取得を履歴書に書くこともできるようになるでしょう。実際、ヘッドハンティングなどによく使われるビジネス系SNSのLinkedInでは、こうしたMOOCのコース修了証を登録して表示させることもできます。
いつでもどこでもオンラインで学ぶことができる
代表的なMOOCのサービスはどれもPC版だけでなくアプリもあり、スマホやタブレットを使って通勤時間などにも観ることができます。また一つの動画が15分以内で作られている場合が多く、短い時間でも区切りのいいところまで見ることができるのも嬉しいポイント。データ通信の容量が心配な場合や、通信が不安定になる場合に備えて、動画をオフラインでも観られるようにあらかじめダウンロードできる機能もあります(coursera,edXなど)。
MOOCの機能を活用して講義を受けよう
こうしたオンライン講義を受けるとき、ぜひ活用したい機能があります。それは以下の3つです。
英語字幕
多くのサービスでは、英語を聞くだけでなく、英語字幕を出して確認することができます。これをぜひ活用しましょう。常に字幕を表示させてしまうと、どうしても字幕を読んでしまうので、基本は字幕を非表示にしておいて、聞き取れない場合だけ表示して確認するのがおすすめです。サービスによっては、字幕表示機能がなくても、スクリプトがダウンロードできる場合もありますので、確認してみましょう。
スピード調整
スピードを速くしたり遅くしたりする機能もついている場合が多いので、ぜひ活用しましょう。こうしたオンライン講義の動画は、数分の短い単位で作られていますので、ちょっとした時間に聞いていくことができますが、講師によっては話すのが遅い人もいますので、その場合は1.25倍など速くして聞くとストレスなく聞くことができます。また、早口で聞き取りにくい場合には遅くすると聞き取りやすくなります。
Practice QuizやDiscussion Forum
こうしたオンラインのコースでは、いくつかの動画を見終わるたびにPractice Quizという確認問題があったり、Discussion Forumという、コース参加者同士や講師も含めて意見交換ができる場があったりします。動画の内容を正しく聞き取れていたかのチェックにもなりますので、ぜひこうしたPractice QuizやDiscussion Forumを活用しましょう。
主なMOOCのサービス
主なMOOCのサービスとしては、以下のようなものがあります。
edX
https://www.edx.org/
HarvardとMITが立ち上げたサービス。パートナー大学としてUCバークレー、Boston大学、アリゾナ州立大学、コロンビア大学、ペンシルバニア大学、京都大学なども参加。2016年8月現在、30科目、1000以上のコースがあり、特にComputer Science, Business&Management, Humanities, Language, Data Analysis&Statisticsなどの科目が人気。
coursera
https://www.coursera.org/
Stanford大学コンピュータサイエンス教授Andrew NgとDaphne Koller
が立ち上げたサービス。2016年8月現在、10科目、1600以上のコースがある。145の大学や企業を含むパートナーがコースを提供。東京大学も参加。
Udacity
https://www.udacity.com/
プログラミングや情報系のコースが多数受講できる。Google、Facebook、NVIDIAなどのIT企業がパートナーとなっている。「ナノディグリー」という、ある特定の分野や技術に特化した学位を発行しており、これがIT業界での就職や転職に役立つのではと話題になっている。
その他にも、大学が提供しているものではなくMOOCには入りませんが、こうしたオンライン講義の先駆けである、有名な「カーン・アカデミー」もおすすめです。
カーン・アカデミー
https://www.khanacademy.org/
創設者のサルマン・カーン氏が、離れたところに住む親族の小学生のために、オンライン動画を使って算数の解説をしたことをきっかけに始めたサービスで、今でも算数や数学が充実しているが、化学、生物、コンピュータ、歴史、音楽、経済などのコースもある。
こんなコースを受けてみよう
たくさんのコースがあって迷ってしまうという人は、ビジネスや実生活で役立ちそうな以下のようなコースを受けてみてはどうでしょう。
(1) Learning How to Learn (coursera)
「学び方を学ぶ」コースです。何かを習得したいときに、脳の特性などを活かして学ぶと効果的です。そうした学び方について教えてくれるコースですので、何か習得したいものがある人にはお勧めです。
(2) Successful Negotiation (coursera)
実は仕事だけでなく日々の様々な場面で使える「交渉術」について学ぶコース。アカデミックというより実践的な内容です。また、decision treeやBATNAといった交渉以外にも活用できる重要な概念も学ぶことができます。
(3)Becoming a Resilient Person - The Science of Stress Management
「レジリエンス」を持っている人は、さまざまなストレスに対して抵抗力、耐久性があり、回復力がある人です。ストレスの多い現代社会において、ストレスマネジメントの方法を知っていることはとても有効。このコースでは、いくつかの切り口から、ストレスマネジメントの具体的な方法を教えてくれます。どなたにもお勧めしたいコースです。
(4) Business Accounting Basics
会計の基本を知りたい人向けのコース。会計とは何か、法人格の種類、財務諸表の説明、決算書からリスクや収益を予測するための比率の見方など、基本的な内容から始まり、各決算書に出てくる主な項目の説明もあります。このコースを終えると、一通り英文決算書が読めて、分析ができるようになるでしょう。
(5) Introduction to Public Speaking
人前でのスピーチやプレゼンを練習したい人、構成や話し方についてヒントが欲しい人向けのコース。どんな内容を含めるべきか、どんな言葉を使うべきか、といったことから、話すときの声の調子などテクニック的なことまで網羅しています。特徴的なのは、実際にスピーチを録画したものを提出して、peer review(受講者同士がフィードバックをしあう)を行う課題があること。ぜひ活用しましょう。
いくつかお勧めのコースをご紹介しましたが、少しでも興味があればつまみ食いのように観てみて、つまらなければやめることができるのも、こうしたオンラインコースのメリットです。興味を持ったコースがあれば、気軽にコースに登録して動画を見てみましょう。さまざまな分野の英語を聞くことで、新しい単語や表現に触れることもできますし、人によって英語の話し方、口調が違いますので、多少くせのある英語も聞き取れるようになっていきます。
MOOCを継続していくには
いくつか動画を観てみて、「これは続けたい」と思うコースに出会えたら、以下のような工夫をすると、続けやすいですね。
・自分で受講の時間割を決めてしまう
・学位や修了証を取得して、LinkedInなどのSNSに記載することを目標にする
・コース受講の進捗状況や学んだ内容のサマリをSNSでシェアする
・興味のありそうな人に声をかけて受講仲間を作り、さらに内容を深める勉強会をする
ぜひ、自分の興味のあるコースを見つけて、英語での学びを始めてみましょう。
ちなみに私は今、ITを活用したpersonalized learning(個別最適化学習)の手法に興味があるため、学習メソッドに関するコースや、教室でのIT活用に関するコースを、edXやcourseraで受講しています。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!
タニケイ受講中・受講済みのMOOCのコース(教育学関連)
- Learning How to Learn (coursera)
- Emerging Trends & Technologies in the Virtual K-12 Classroom (coursera)
- Leaders of Learning (edX)
- Blended learning with edX (edX)
ぜひ、自分の興味のあるコースを見つけて、英語での学びを始めてみましょう!!