タニケイ英語学習放浪記vol.7 〜初めてのステージで目覚めたもの〜 | Enjoy Learning English!!

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タニケイ英語学習放浪記vol.7 〜初めてのステージで目覚めたもの〜

公開日: : 最終更新日:2013/12/17

こんにちは。英語学習コーチのタニケイです。

前回のタニケイ英語学習放浪記vol.6 〜英語学校FORWARDとの出会い〜では、2011年秋に、当時カプランという名前だった英語学校に入学し、私の英語学習の放浪に終わりを告げるときが来た、というお話を書きました。

(タニケイ英語学習放浪記vol.1 〜英語との出会い〜はこちら

今はFORWARDという名前に変わっていますが、場所は同じ表参道、国連大学のすぐ隣にあります。青山ブックセンターの上です。そして、私は今もその学校の生徒です。

さて、2011年の9月末に、ワンデープログラムを体験し、その翌日には石渡誠先生と面談をして、私は迷わずカプランに入りました。面談をする前に、志望動機についてエッセイを書いてきてください、とのことでした。ちょっと恥ずかしいですが、これがそのときの私のエッセイです。

昨日のワンデープログラム、私にとって衝撃的でした。中学生の頃から英語を勉強することが好きで、高校生のときにはニューヨークの国連本部を見学し、そこで働く日本人女性の話を聞いて、海外でプロフェッショナルとして働く女性の格好良さに魅入られ、自分も英語を勉強してグローバルに仕事ができる人間になろうと決意しました。

大学卒業後は外資系の会社に就職して、6ヶ月間アメリカへの赴任を経験し、日系の会社に転職してからも、時々、海外事業所のメンバーと電話やテレビ会議で英語を使って会話をする機会に恵まれました。また仕事以外にも、英会話スクールに通ったり、会社の研修を受けたりしながら、ずっと積極的に英語を学んできたつもりでしたが、なかなか英語が十分なレベルに達せず、なぜだろう、と思っていました。

昨日のセミナーを受けて、それは当然のことだったと気づきました。

まず、これまでは、目指すレベルが「TOEIC満点」や「電話会議をするときに通じるレベル」など、低いレベルに留まっていました。また、勉強量の点でも、英会話スクールは週に2回、50分のレッスンを受けるだけでしたし、独学での勉強も「ビジネス英会話」のようなテキストについているCDを通勤中に聞いたり、時々英語のニュースを読んだり、英語の音声を聞いて真似してみたり、という具合で、まさに中途半端な勉強に終始していました。

「無理なく、時間のあるときに勉強して、少しずつ英語ができるようになったらいいなー」という程度の気持ちでいたと思います。

今回、セミナーの受講前に、石渡先生のブログ「英語をモノにする心構え」を読んで、はっとしました。言い訳は一切なしで、本気でやらなければ、英語が本当に身につくはずはない、私は今まで英語を勉強してきたつもりだったけれど、ここまで英語を一番に優先してきたことはなかった、と気づかされました。

また、セミナーの最後に石渡先生にお話いただいた、「英語の学習を通して、人間性を磨く」という点も大変共感できました。言葉を通じて表現されるものは、今の自分の大きさ、深さを超えることはないと思います。セミナーの中で石渡先生のスピーチを聞いて、自分もこのように、力強く人にメッセージを伝えられる、人の心を揺さぶるようなスピーチができるようになりたい、とはっきり意識しました。セミナーでカプランのメソッドを体験して、これらを実直に本気で続けていけば、たしかに「ネイティブを超える英語力」を身につけられるだろうと実感しました。

また、個性的で楽しい先生方がたくさんいらっしゃるところや、高い向上心を持つ他の生徒たちと切磋琢磨しながら英語力を磨いていけるところも、他の学校にはない大きな魅力です。何より、英語教育に対する石渡先生の強い思いに共感し、ぜひこの学校で自分も英語力と人間性を磨きたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします!

このとき私が一番課題に思っていたのは、どうしたら人に自分の思いをそのまま伝えられるような英語が話せるのか、ということでした。語彙を知っているとか、フレーズを知っているとか、そういうことも必要ですが、それ以外に、「伝える力」というものを身につけたいな〜と思っていたのです。

それには、一つ大きな関門がありました。私は、かなり強い「あがり症」だったのです。特に20名を越える人数の前で話すのが、とても苦手でした。

オラクルでIRの仕事をしていたときには、年に数回決算説明・業績説明会の司会をしたり、毎月入社してくる中途入社の方々数十名に向けて、IR活動やインサイダー取引についての説明会をしたり、という機会がありましたが、毎回ひそかに胃痛をこらえながら、こなしていました。

また、ソニーでは、月に1回、30名くらいの部長、部門長クラスの方々の前で話す会議がありましたが、これも緊張のあまり、終わると毎回ぐったりと疲れきって、早く帰っていました。

周りからは、「そんなに緊張しているように見えない」と言われていたのですが、自分としては、「できることなら人前で話さない仕事がしたい」といつも思っていました。

それが英語と何の関係があるの?と思われるかもしれません。

でも「伝える力」ということを考えたとき、「緊張している」ということは、とてもマイナスになってしまうのです。緊張しているとき、意識は「自分」に向いています。自分がうまく話せるか、予定どおりこなせるか、人からどう見られているか...。

「人に何かを伝えたい」と思ったら、その伝えたい相手のことを考えないといけないんですよね。それは日本語も英語も同じ。

相手がどういう反応をしているかを見ながら、その反応に合わせて、スピードや言い方を変えながら、丁寧に伝えることが必要なんだろうと思います。

それは、相手が1人だろうと、20人以上いようと、100人、200人になろうと、やっぱり一緒だと思います。もちろん、大人数になると、一人一人の反応を見るのは難しくなりますが、自分が話しているときに感じる、「場の空気」のようなものがあります。

それを、ある経験を通して、感じられるようになったのです。

その経験というのは、FORWARDの必修クラス「プロジェクトワーク」の発表会で、ステージ上で演劇をしたことでした。

なぜ英語の学校で演劇?

FORWARDには必修クラスと選択クラスがあるのですが、必修クラスの一つに「プロジェクトワーク」というクラスがあります。

このクラスでは、生徒が主体となって、一つのプロジェクトを半年間動かしていくのです。3種類のプロジェクトが選べるのですが、ドラマ(演劇)、プレゼンテーション、ドラマチックディベートの3種類があります。ドラマチックディベートというのは、ディベートをドラマのように事前に作って披露するものです。

私は入学当初はディベートクラスを選んだのですが、実は入学直後の2011年10月にタイの洪水が起こって、危機管理の仕事がとても忙しくなってしまい、しばらく通えないうちに1回目の発表会が終わってしまいました。自分のクラスの発表には出られなかったのですが、少しだけ見に来た発表会で、ドラマクラスがとても楽しそうだったのを見て、次のタームはドラマクラスに移りました。

ドラマクラスは、メンバー各自が演じたいタイトルをプレゼンし、投票などで決めるところから始まります。ドラマクラスだけで曜日ごとにいくつかあるのですが、私が入った月曜ドラマクラスでは、そのとき「笑点」というタイトルに決まりました。

はい、あの「笑点」です。

私は「フレンズ」を推薦するメンバーのひとりでした。フレンズは少ししか見たことがありませんでしたが、元が英語ですし、やりやすそう、と思ったのと、内容が楽しそうだったからです。

でも、その場のノリだったのか、投票方法によるミラクルが起こったのかわかりませんが、最初あまり注目されていなかった「笑点」が、最終投票で1位になりました。正直、「英語で笑点なんて、難しそう〜」と思い、後ろ向きでした。

内容を相談していくうちに、「大喜利」+「落語」を半分ずつやろう!ということになりました。そして、メンバーは大喜利と落語のどちらかを選ぶことになりました。当時まだ少しタイの洪水の危機管理対応で忙しかった私は、落語チームに入る、ということは決めたものの、配役決めのときにはクラスに出席できませんでした。

落語チームは「芝濱」という落語をドラマ化することに決まりましたが、私は全く落語のことを知らず、このディスカッションにもほぼ参加できませんでした。

そして、配役決めの回のクラスを休んだ日の夜だったかと思いますが、クラスの子から、こんなメッセージをもらったのです。実際のメッセージは英語でした。(FORWARDはクラス関係のやりとりはすべて英語でするルールになっています)

「タニケイ、今日配役を決めたけれども、主役の奥さんの役がまだ決まっていないの。よかったらやってみない?入ったばかりのタニケイにはとてもチャレンジングなことだとは思うけれど、得られるものは大きいと思う。よく考えて決めてね」

そのメッセージを読んだ瞬間、「いやいや、無理無理・・・」と思いました。

こんな上がり症な私が、ステージの上に立つなんて。しかも、脇役ならともかく、主役級を演じるなんて。

FORWARDの発表会は200人以上が見に来ます。

そんな大人数の前で、英語をステージの上で話す?
それも、小学校低学年以来やったことのない「演劇」をやる?

私は自然と「どういう言葉で感じ良く断るか」を考え始めたのですが、もう一人の自分が「待って待って」と言いました。

「何かを変えたいんでしょう?」と。

「Comfort zoneから出たいんじゃないの?」と。

そこで私は彼女に「少し考えさせて」と返事をしました。

そして、翌日「やってみる!」ともう一度返事を送りました。

自分の中で何か変えたいこと、成長したいことがあるとき、居心地のよい場所にとどまっていてはそれは実現できない、ということは石渡先生のブログを読んで、頭では分かっていました。それでも、先のことを考えると不安になるから、「できそうかどうか」ではなく、「とにかくやってみよう!」と考えることにしたのです。

そして、数ヶ月の練習の間、なぜ私は演劇をしているんだろう?英語を学びに来たのではなかったっけ?と時々思うこともありましたが、クラスメイトと英語で話すのがすぐに楽しくなり、落語チームの皆で落語を観に行ったり、自分の娘役の子と二人でカラオケボックスでボイストレーニングをしたり、英語だけではなくて、そういうこと全部が楽しかったので、あまり深く考えずに、楽しみながら練習をしていきました。

そして、練習をしているうちに、だんだんセリフを暗記して話しているのではなく、自分が「おさき」という名前のその役になりきって、まるで英語が自分の母国語かのように、気持ちを込めて話せるようになっていきました。

「笑点」、そして「Shibahama 〜芝濱〜」

2012年4月、思い出の初舞台でした。

01.オープニング:娘役のAyaのボイトレ効果が出ていたのが嬉しかった。私はちょっと声が小さい...

02."Shut up!!" 人生で初めて、こんなに大声を出しました...

03.クライマックス:おさきになりきっていたので、かっつぁんに怒られて本当に泣きそうでした...

ステージの上では全く緊張せず、むしろ、観客の笑いがおこると、それに合わせてセリフを言うのを待ったりする余裕もありました。

なぜ緊張しなかったのか・・・それはたぶん、自分自身にではなく、「観ている人にこの話を分かってもらって楽しんで欲しい」ということに意識が向いていたからだと思います。

そして、観ている人たちが楽しんでいる様子をステージから感じられて、とても楽しかったのです。

このステージを経験することで、私は自分の中に新しいもの、"Something new" を見つけた、と思いました。

でも、後から考えると、それは、「新しいもの」ではなく、それまで眠っていた本当の自分が目覚めただけのような気もします。

とにかく、それまでは考えられなかったようなチャレンジをして、Comfort zoneを出ることで、自分が人に何かを「伝える」ということが、実は好きなのではないか、ということに気づいたのです。

少し英語そのものからは離れてしまいましたが、この経験は私にとって大きな転機となりました。

そして、次の転機がまたすぐに訪れました。レシテーション(朗唱)との出会いです。
次回「タニケイ英語学習放浪記vol.8 〜レシテーションコンテスト」はこちらからどうぞ!

長い話を読んで頂いてありがとうございました!!

Enjoy Learning English!!

タニケイ

shoten3

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タニケイプロフィール

谷口 恵子(タニケイ)

プチ・レトル株式会社 CDO
ワクワク英語学習コーチ
TOEIC ・TOEFLリスニング満点
Street Academy Platinum Teacher

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