シャドーイングトレーニングをする際にやってはいけない3つのこと
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最終更新日:2017/01/28
みなさん、こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
私のイチオシのセルフトレーニング法、『シャドーイング』ですが、最初のレッスンをさせていただいた後、ご相談を受けた方や、2回目の実践編のレッスンに参加された方によく見られる、トレーニング方法の間違いがあります。
シャドーイングは筋トレと同じで、正しい方法で継続すると、必ず効果が出るトレーニングなのですが、方法を間違ってしまうと、効果は半減してしまいます。半減するどころか、効果が全く感じられず、続けるのが苦痛になってしまう、ということもありえます。
シャドーイングをこれから始めてみたいと思っている方、始めてみたけれど正しい方法でできているか不安な方、ぜひチェックしてみてくださいね!!
シャドーイングでやってはいけないこと:その1
簡単すぎる教材、難しすぎる教材を選んでしまうこと。
ちょうど良いレベルの教材を選ぶことは、シャドーイングの効果を上げるために、とても大事です!
ちょうど良いレベル、というのは、5〜7日かけて、シャドーイングを卒業できるくらいのレベルです。
簡単すぎる教材を選ぶと、シャドーイングによって伸ばせるリスニング力の幅が少ないので、手応えがありません。目安として、初めてシャドーイングをしたときに、7-8割言えてしまうようだったら、簡単すぎると思ってください。最初にそのくらいできてしまうと、3日くらいでシャドーイングは卒業できてしまうと思います。
逆に難しすぎる教材を選ぶと、なかなかシャドーイングができるようにならず、苦痛になってしまいます。目安として、初めてリスニングをしたときに、全部は聞き取れないけれど、何の話か、トピックは分かるくらいのものを選びましょう。ほとんど聞き取れない場合には、スピードが速すぎるか、知らない語彙が多過ぎるもので、どちらにしてもシャドーイングをするには難しくなります。ただ、スピードが速すぎるだけであれば、スピードを0.8倍速、0.7倍速など遅くしてシャドーイングをしてみる、という方法もあります。速くて聞き取れないだけかな?と思うときには、スピードを遅くして聞いてみてください。
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ちょうど良いレベルの教材をシャドーイングしていくと、最初は「う〜ん、難しい!」と感じますが、やっていくうちにシャドーイングができるようになっていく手応えが感じられます。最初からかなりできてしまうものや、何日やってもできるようになっていかないものは、レベルが合わないものだと思ってください。
今の自分のリスニングレベルを基準に、それよりも少し上のものを選んで、自分のリスニングレベルが上がるごとに、教材のレベルを少しずつ上げていくのが、遠回りなようで、実は近道なのです!焦らずに、ちょうど良いレベルのものを選んでいきましょう。
また、「この英語を聞き取れるようになりたい!」「こんな英語を話せるようになりたい!」と思うものを選ぶことも、とても大事です。ちょうど良いレベル&好きなもの、という基準で、教材を選んでくださいね。
シャドーイングでやってはいけないこと:その2
シャドーイングではなく「頭の中のスクリプトを音読」してしまうこと。
「タニケイ式シャドーイング」では、いきなりシャドーイングをする難しさを減らし、抵抗感をなくすために、その直前までリピーティングやオーバーラッピングをして、たくさんスクリプトを見て練習しますので、シャドーイングをするとき、最初は頭の中にスクリプトが浮かんでしまうこともあると思います。
シャドーイングをしていて、音が聞こえなかったとき、遅れてしまったとき、この頭の中のスクリプトを読んでしまうと、それはもうシャドーイングではなくなってしまいます。
シャドーイングの目的は、ネイティブの英語を聞いて、それを「正しい英語の音」として自分の中に取り入れること、さらに、その音と言葉との結びつけをして、「この言葉はこう聞こえるのだ」という結びつけをたくさんしていくことにあります。それによって、リスニング力が上がるのです。
頭の中のスクリプトを音読してしまったら、それはもう、生のネイティブの英語ではなく、自分なりの読み方になってしまっているので、リスニング力アップの効果は期待できません。
シャドーイングができているかの目安として、音を聞いてそれを真似している実感があるか、音声より少し遅れて言い続けられているか、自分の記憶に頼って話していないか、をチェックしてみてください。
シャドーイングでやってはいけないこと:その3
ただひたすら、シャドーイングを繰り返すこと。
シャドーイングをすると、「聞き取れなかった音」を「聞き取れる音」に変えることができます。それは、生の英語をよく聞いて、真似をしてスピーキングをしてみることで、音と言葉の結びつけができていくからです。
シャドーイングの段階で、ただひたすら、最初から最後までのシャドーイングを繰り返すだけだと、苦手な箇所が、なかなか克服できません。もちろん、しっかり聞いて真似をするということを繰り返せば、少しずつ言える量が増えて、シャドーイングは進歩していくのですが、言えるところも毎回繰り返してシャドーイングをするのは、効率が悪いのです。
ぜひ、苦手な箇所を「ポイント練習」するようにしてください。
ポイント練習の方法ですが、最初の3〜4回のシャドーイングで、苦手な箇所をいくつかに絞れたら、1ヶ所ずつ、その苦手な箇所だけを指定して、繰り返し聞き、生の英語がどのように聞こえるかを、先入観なしで聞いてみます。このときには一旦スクリプトも忘れます。そして、その音の通りに真似をしてみます。何度も聞いて、何度も真似をして、ということを繰り返すと、段々スムーズに言えるようになってきます。ネイティブのスピードで口が動くようになってきたら、少しずつ、その前後に範囲を広げていきます。そして、苦手な箇所のポイント練習を全部終えたら、また全体のシャドーイングに戻ります。
繰り返し練習、というのは面倒に感じるかもしれませんが、これも実は遠回りなようで、近道なのです。集中して、限られた学習時間の中で効果を上げていくために、ぜひポイント練習をしっかりやっていきましょう!
以上、「シャドーイングトレーニングをする際にやってはいけない3つのこと」でした。
せっかくシャドーイングを始めても、この3つをやってしまうと、効果が出なかったり、効率がとても悪くなってしまいます。やっているつもりのシャドーイングにならないように気をつけて、ぜひきちんと効果をあげてくださいね!!
Enjoy Learning English!!
タニケイ