タニケイ式シャドーイング(7) ネイティブの音を聞き取る耳を作るには
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最終更新日:2017/01/28
みなさん、こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
昨日、今日とTOEIC直前対策講座に1名ずつご参加いただきました。TOEIC対策講座の度に思いますが、実力があっても、解き方を知らなかったり、問題形式に慣れていないことによって、その実力がTOEICのスコアに反映されていない方が多いようです。
少人数のTOEIC対策講座は、リクエストを頂ければその都度開講していますが、それとは別に、TOEIC独特の形式に慣れて、解き方の練習をするような、実践練習会を兼ねた対策講座も近日中に開催しようと思っています。これまであまりTOEIC対策をやったことがない方、受験経験が少なく形式に慣れたい方は、よかったらご参加ください。
「タニケイ式シャドーイング」の7ステップ
- リスニング:音声を聞く
- ディクテーション:聞き取りをする
- 黙読&理解:黙読して疑問点がない状態にしておく
- 音読:声を出して読む
- リピーティング:音声を一文ずつ流して、真似をして繰り返す
- オーバーラッピング:音声と同時に発話する(スクリプトを見ながら)
- シャドーイング:音声を聞いて少し後を追いかけて発話する(スクリプトは見ない)
今回は、タニケイ式シャドーイングトレーニングの最後の3ステップの(5)リピーティング、(6)オーバーラッピング、そしてついに、(7)シャドーイングに入ります。
この最後の3ステップが、ネイティブの音を聞き取る耳を作る、特に大事なステップです。
(5)リピーティング
スクリプトを見ながら、センテンスごとに音声を止めて繰り返す「リピーティング」をします。このとき、発音だけでなく、アクセント、イントネーション、リズム、スピードなどもしっかり聞いて、まるごと真似をしましょう。
(2)のディクテーションで聞き取れなかった箇所は、特に、音声を良く聞いて、聞こえるままに真似をしてみましょう。スクリプトを読んで、自分が思い込んでいる発音で話すのではなく、音声を聞きながら「ネイティブはこう発音するのだ」「音がつながるとこう聞こえるのだ」など、正しい音をしっかり意識しながら、音を丁寧にインプットして、繰り返してみてください。このステップをしっかりやっておくと、シャドーイングによるリスニング力アップの効果が格段に違ってきます。
(6)オーバーラッピング
リピーティングできれいに音を真似られるようになったら、次は、スクリプトを見ながら音声と同時に話す「オーバーラッピング」をします。このときも、発音だけでなく、アクセント、イントネーション、リズム、スピードなど、できるだけ真似しましょう。
オーバーラッピングをすると、リピーティングのときにはわかりづらかった、リズムやスピードのずれがよくわかります。しっかりネイティブの音声についていけるようになるまで、何度もオーバーラッピングしてみましょう。
この段階で遅れてしまうようだと、シャドーイングに入ったときになかなかついていけません。スムーズに口を動かす練習と、音声をコピーして発話する練習です。焦らずに、「これならシャドーイングに入っても少しは言えるだろう」と思えるまで、オーバーラッピングを繰り返しましょう。
(7)シャドーイング
最後はいよいよ、シャドーイングです。スクリプトを隠して音声だけを聞いて、その0.5秒後くらいをずっとついて発話します。
1回目はとにかくチャレンジ!という気持ちで、聞こえた音をできるだけたくさん発話できるようにがんばってみてください。全部言えなくても大丈夫です。途中でついていけなくなったら、また聞こえたところから再開しましょう。
オーバーラッピングまでスクリプトを見ていたので、頭の中にどうしてもスクリプトが浮かんでしまうかもしれませんが、それを思い出しながら言うのではなく、音に集中して、聞こえた音を再現しましょう。この切り替えが少し難しいのですが、とにかく耳に神経を集中させるように意識すると、頭の中からスクリプトが消えていきます。頭の中のスクリプトを読んでしまうと、自分の思い込んでいる音での発話に戻ってしまいやすいので、ここは何とかがんばってみてください。
シャドーイングのときも、発音、アクセント、イントネーション、リズム、スピードなど、まるごと、できるだけ真似をしましょう。これによって、ネイティブに近い「英語らしい英語」が話せるようになる、という効果も生まれます。
2回目、3回目とシャドーイングを繰り返していくと、だんだん慣れて、追いかけられる部分が増えていきます。このとき、ただずっと全体のシャドーイングを繰り返すのではなく、苦手な箇所を探して「ポイント練習」をしていきます。
この「ポイント練習」をすることが、リスニング力向上の効果をさらにアップさせて、スピーキングも上達する秘訣です。「言えたつもり」のシャドーイングに終わらず、必ずポイント練習を入れましょう。
<ポイント練習の方法>
1. まず、スムーズに言えない部分の音声をよく聞きます
2. 聞き取れない場合は、スピードを遅くして聞いてみます(0.6倍速〜0.8倍速くらい)
3. 音声が聞き取れたら、まずゆっくりリピーティングしてみます。言えるようになったらだんだん早くします。スムーズに口が動くようになるまで、何十回でも練習してください。
4. 言えるようになったら、その部分のスクリプトを確認します。「この言葉はこう発音するのだ」という結びつけをしましょう。
ポイント練習で、苦手だった箇所をスムーズに言えるようになったら、また全体のシャドーイングに戻ります。このポイント練習を繰り返していくと、「聞き取れなかった音」「真似できなかった音」が、「聞こえる音」「スムーズに言える音」に変わっていきます。
目安として、全体がスムーズに追いかけられるようになったら、そのスキットのシャドーイングは卒業です。
「自分の声を録音して、音声と比べる必要がありますか」と良く聞かれますが、タニケイ式シャドーイングでは、そこまでする必要はありません。
そこまでの、いわゆる「100%シャドーイング」を目指すと、たしかに発音矯正の効果は上がりますが、一個のシャドーイングを卒業するのがとても大変になります。大変すぎるとシャドーイングトレーニングはなかなか続きません。
シャドーイングはリスニング力のアップを一番の目的として設定し、音が正確に聞き取れるようになったら、あとは80%くらい真似できていれば卒業する、くらいのイメージで構いません。
ちなみに、発音トレーニングは、シャドーイングトレーニングとは別に、もっと短い文章で行うことをおすすめしています。発音トレーニングの詳細についても、またご紹介しますね!
「タニケイ式シャドーイング(8) 英語耳を作る3ヶ月集中セルフトレーニング」はこちら
(「タニケイ式シャドーイング(1) タニケイ式シャドーイングの特徴」はこちら)
Enjoy learning English!!
タニケイ