通訳案内士1次試験免除を狙おう!1ヶ月でセンター試験「現代社会」を8割取る方法
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最終更新日:2016/02/16
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
皆さん、「通訳案内士」という資格をご存知でしょうか。通訳案内士とは、有料で外国人に外国語でガイドをすることができる国家資格のことを言います。(過去にも、何度かこの通訳案内士について紹介しているので、詳細はこちらをご覧ください!)
さて、通訳案内士の試験には1次試験の筆記試験と、2次試験の口述試験があります。1次試験では、なんと「外国語」「日本地理」「日本歴史」「一般常識」の4科目も受験しなくてはなりません・・・!その上、どの問題も難易度が高く、対策本があまり出版されていないため、対策が非常に難しいのです。ただ、実は1次試験の受験科目が免除になる方法がいくつかあります。例えば、1次試験の「外国語(英語)」は、英検やTOEIC,TOEIC SWで一定以上のスコアを持っていると免除になります。(詳細はこちら)
そして、外国語以外の筆記試験免除については以下のようなものがあります。
・日本地理:
旅行業務取扱管理者試験の合格者、地理能力検定の一級日本地理又は二級日本地理の合格者
・日本歴史:
歴史能力検定の日本史一級又は二級合格者、大学入試センター試験の日本史Bで60点以上
・一般常識:
大学入試センター試験の現代社会で80点以上
そこで、これから通訳案内士試験を受けてみようと思っている方には、1次試験の「一般常識」の免除を狙って、センター試験「現代社会」で80点を取ることをオススメします!理由は、通訳案内士1次試験の「一般常識」は対策が非常に難しいのに比べて、センター試験なら参考書もたくさん出ていて対策しやすいからです。
普段仕事で忙しい社会人の方々は、学生のようにまとまった学習時間を確保することは難しいと思いますが、そんな忙しい社会人や、今まで一度も現代社会を学習したことのない人でも、1ヶ月でセンター試験「現代社会」を8割取る方法をご紹介したいと思います!!
センター試験「現代社会」の問題構成
センター試験の問題数は大問が6問、全部で36問という構成になっています。配点は、1問2点のものと3点のものがありますが、2点の問題は少ないので、基本的に1問3点と考えて良いでしょう。つまり、8割を取るには、36問中30問正解すれば良いのです。逆に6問まで間違えても良いと考えると、気持ち的にかなり楽になりますね!
大問数 | 6問 |
---|---|
すべての問題数 | 36問 |
配点 | 2点または3点 |
8割取るために必要な正解数 | 30問 |
間違えられる問題数 | 6問 |
まずは過去問を解こう
センター試験の「現代社会」は、高校生にとっては馴染みのない分野も含まれていますが、社会人にとっては常識で解ける問題も多くあります。例えば労働問題や金融問題。また、近現代の国際的な動向などについても、リアルタイムでニュースを見ていればどこかで記憶に残っていたりするものですよね!
そこで、まずは過去問を3年分解いて、自分の得意な分野と馴染みのない分野を明確にしましょう。参考書を頭から読むのはあまり効率的ではありません。1ヶ月という短い期間で学習するのですから、まずはできないところを洗い出し、そこに注力して学習するようにしましょう!
では、一体どんな内容の問題が出題されるのか見てみましょう。
1. 政治分野
国会と内閣の機能、裁判制度、地方自治、選挙制度、憲法、基本的人権の保障
2. 経済分野
市場メカニズム、GDP、金融政策、戦後から現在までの日本経済、農業問題、労働問題、社会保障制度
3. 国際社会分野
国際法、国際連合、冷戦の流れ、地域紛争、貿易、国際通貨制度、経済統合
4. 倫理・現代社会分野
環境問題、エネルギー問題、情報化社会、青年期の特徴、生命倫理
以上のように大きく分類すると、「政治分野」「経済分野」「国際社会分野」「倫理・現代社会分野」の4分野に分かれますが、それぞれの内容は非常に幅広いです。過去問を解いて苦手分野を分析するときには、「経済分野の中のどこが苦手なのか」まで細かく見るようにしましょう。
具体的な学習方法
では、1ヶ月という短時間でどうしたら80点を取ることができるのでしょうか。ポイントは、自分の苦手な分野を素早く見つけて、その箇所から学習するということです。ここからは、その具体的な学習方法について紹介したいと思います!
①過去問を解いて苦手分野を明確にする
②苦手分野について参考書を読んで知識をインプットする
③過去問を解いて問題の傾向に慣れる
④予想問題を解いて強化する
①過去問を解いて苦手分野を明確にする
過去問は、最新のものを3年分解いてみましょう。オススメは駿台の過去問です。本試6年分、追試4年分、計10年分が掲載されています。解説も、正解の解答だけでなく全ての解答についているので勉強になります。
『大学入試センター試験過去問題集現代社会 2016 (大学入試完全対策シリーズ)』
苦手分野を分析する時には、解答時に自分の解答をエクセルに記入し、分野ごとに集計することで、自分の苦手分野を把握しやすくなります。特に解答時に、自信のある問題=○、自信のない問題=△、全く分からない問題=×をつけておくことをオススメします。このように問題を分類することで、対策しなければならない問題の優先順位が明確になり、効率的に学習できるようになります。
②苦手分野について参考書を読んで知識をインプットする
過去問を一通り解き、自分の苦手分野が分かったら、まずは参考書でその分野について学習しましょう。特に、解答時に×がついた問題は、知識がほとんどない状態なので、まっさらな気持ちで知識をインプットしていきます。
ここでオススメの参考書を2冊ご紹介☆
『センター試験現代社会集中講義』
この参考書では、「政治分野」「経済分野」「国際社会分野」「倫理・現代社会分野」の4分野それぞれのテーマ(全50テーマ)について、「テーマの要点整理(見開き)」「ここがセンターのツボだ!」「実力テスト(センター試験実践演習)」と分かれていて、4ページで完結するように構成されています。重点が絞られていてとても簡潔にまとまっています。特に「ここがセンターのツボだ!」では、センター試験でよく出題される内容にフォーカスしたまとめ方をしてくれているので、ここを読むだけでも点数を取ることができます。そして最後に、「実力テスト(センター試験実践演習)」を解くことで、実際の問題形式の中でどのように出題されるのかを体験することができます。
また、この参考書では、過去15年間(2001~20015年)にセンター試験で出題された問題を抽出し、それぞれの頻出度をランク付けしています。
・50テーマの頻出度ランク「A」~「C」:頻度Aのテーマからの出題率50%
・大見出し218項目の頻度ランク「★★★」~「☆☆★」:★★★の項目からの出題率60%
センター試験では問題が幅広く出題されるので、頻出度の高いものしか学習しないとなると、高得点を取るのは難しいと思いますが、学習の優先順位として参考になります。
まずはこの『センター試験現代社会集中講義』を使って、頻出度ランクを参考にしながら重要なポイントを効率良くインプットしていきます。過去問を解いたときに×がついたテーマは、この参考書で該当箇所を一読するだけでも点数が取れるようになります!ただ、「どうしても内容が理解できない」とか、「どうしてそうなるのか詳しく理解したい」といった場合には、もう一冊別の参考書で詳しく見ていくことをオススメします。『センター試験現代社会集中講義』は、短時間で効率良く学習するにはとても便利なのですが、細かい内容や理論などについては書いていないことが多いです。人によって得意・不得意があるので、なかなか理解できない場合は、こちらの参考書を使ってみましょう。
『センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本』
この参考書は、他の現代社会の参考書と比較してもかなり厚く、読むところが多いです。つまり、1ヶ月しかない学習者にとってこの参考書を隅から隅まで読むことは難しいでしょう。ただし、先ほど述べたように、自分の苦手な分野やもっと詳しく知りたい箇所について理解するには、この『センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本』はベストだと言えるでしょう。なぜなら、とにかく解説が充実しているからです。ただ、単語を羅列して綺麗なレイアウトにした参考書とは違います。読むところが多い分、条約締結のいきさつや、訴訟の内容などを詳しく知ることができるので、丸暗記でない学習をすることができます。
この参考書は、まるで先生が講義をしているかのような口調で文章が書かれています。文章が長いのもこのような理由があります。また、生徒役のキャラクターが登場し、時々疑問を投げかけては、それに対してまた説明が続く、という流れになっています。この生徒役のキャラクターが、私たち学習者が感じる疑問を良いタイミングで代弁してくれるので、ただ丸暗記するのではなく、「どうしてそうなるのか」「何のためにそうしたのか」などを理解しながら読み進めることができます!
反対に、言葉の説明では分かりにくい箇所に関しては、図表や箇条書きスタイルで取り上げているので、視覚でインプットすることもできます。図表も非常に分かりやすいので、自分でまとめ直す必要もありません。解説と図表の両方でインプットが定着しやすくなるでしょう。
まずは、『センター試験現代社会集中講義』を使って苦手分野について一読してみましょう。内容を理解することができれば良いですが、もし理解に苦しめば『センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本』を使って詳細を読み、理解を深めましょう。「どうして」「何のために」といった本質的な部分が理解できると、知識も定着しやすくなります。
③過去問を解いて問題の傾向に慣れる
自分が苦手な項目の知識を一通りインプットしたら、次は実戦形式で問題を解いてみましょう。自分が学習した内容がどのような形で出題されるのかを理解することが大切です。いくら知識があっても、着眼点が違うと問題を解くことができなかったり、少しひねった問題が出るとひっかかってしまったりします。「②苦手分野について参考書を読んで知識をインプットする」「③過去問を解いて問題の傾向に慣れる」は何度も繰り返してください。自分が全く知らない項目をカバーするだけでも、60~70点は取れるようになるでしょう。
残りの10点をアップさせるには、やはりどの項目の問題も細かい部分に目を向ける必要があります。そこで、過去問解答時に△が付いた箇所を徹底的に参考書で振り返り、紛らわしい箇所などをつぶしていきましょう。
④予想問題を解いて強化する
最後の仕上げには、模擬問題を解いてみましょう。オススメは駿台の『大学入試センター試験実戦問題集現代社会』です。5回分のオリジナル問題が収録されており、問題は本番より難しめの内容になっています。なので、この問題集で80点を取れれば自信を持って本番に臨めると思います。この段階では本番直前になっているはずなので、問題を解く際にはいつもと違う場所に行ってみたり、付属のマークシートに解答するなど、本番を意識してみると良いでしょう!
『大学入試センター試験実戦問題集現代社会 2016 (大学入試完全対策シリーズ)』
各テーマで押さえておきたい内容
現代社会の問題は一般常識で解ける部分も多くありますが、そこで油断していると危険です。先ほど紹介したように、各テーマには幅広い項目が含まれています。そこでつい見落としがちな項目や、簡単そうに見えてややこしい項目などを、テーマごとに紹介していきます!
1. 政治分野
政治分野で最も注意したいのが、「基本的人権の保障」です。この項目は非常に抽象的で分かりにくいです。ポイントを絞って覚えておきたいのが、日本国憲法が保障する以下の基本的人権です。
・平等権 / 自由権 / 社会権 / 参政権 / 請求権
それぞれの権利が具体的に何を保障しているのかを理解する必要があります。各権利がまたさらに細かい内容の権利を提示しているので、何がどこに分類されるのかも覚えます。また、センター試験では必ず、これらの権利をめぐって起こった訴訟について問われます。どんな裁判で、判決はどうだったのか。これらは、全てまとめて覚えてしまいましょう。覚えるまでは大変ですが、覚えてしまえば必ず点数が取れるので、めんどくさがらずに取り組んで欲しいです。
2. 経済分野
経済分野で注目すべきは、「戦後経済の歴史」です。
・経済復興~高度経済成長~安定成長~バブル景気
この項目では、それぞれ個別に暗記をするというよりも、一連のストーリーとして理解することが大切です。「このような出来事があったから、このような政策ができた」など、因果関係に注目して考えると良いでしょう。また、海外との関わりも重要です。日本の経済はもちろん海外の経済事情に影響を受けますから、そういった横のつながりにも目を向けることが大切です。
また、経済分野で見落としがちなのが、「農業問題」と「消費者問題」です。この二点は、それぞれ類似した名前の法律が出てくるのでややこしいです。ただ、出題されるポイントは限られているので、各法律とその内容をきちんと把握すれば点数につながります。
3. 国際社会分野
国際社会分野は、国際政治と国際経済に分けられます。国際政治では、「国際紛争とその調停」が主なテーマです。冷戦では、米ソが互いにどんな政策を何のために打ち出し合っていたのか、という流れを理解する必要があります。その他の地域紛争は、誰と誰が何の目的で争っていたのかということ、またその発生時期が重要です。数が多くややこしいですが、一つずつ丁寧に覚えておきたい箇所です。
国際経済では、「貿易や地域的経済統合」が主なテーマになります。例えば、GATTからWTOへの流れや、ECからEUへの流れ、またAPECやNAFTAなどの経済統合した協定や連盟などです。この辺りは少し細かく問われるので、必ずそれぞれ内容や主要加盟国も一緒に覚えましょう。また、国際経済の分野では円安、円高についても問われるので、その仕組みがあやふやな人はきちんと理解しておく必要があるでしょう。
4. 倫理・現代社会分野
倫理・現代社会分野は、上記の4分野の中では1番点数を取りやすいです。環境問題やエネルギー問題などは、普段から耳にすることの多いテーマなので、常識で解ける問題が多いでしょう。この分野で注意が必要なのは「環境問題をめぐる国際的な取り組み」です。
・「国連人間環境会議」「国連環境開発会議」「環境開発サミット」「国連持続可能な開発会議」
この4つは全て完璧に覚えておきたいところです。出題の頻度が非常に高い上に、ややこしい内容だからです。覚えることは、それぞれの会議が開催された順番と開催地、それぞれのスローガン。その他、どんな宣言が採択されたのか、それによって制定された条約やプロジェクトは何か、ということです。この分野に関しては何も見ずに、紙にそれぞれの会議の内容を書けるようにしておくぐらいできると安心です!
オススメの問題集・参考書
・『大学入試センター試験過去問題集現代社会 2016 (大学入試完全対策シリーズ)』
・『大学入試センター試験実戦問題集現代社会 2016 (大学入試完全対策シリーズ)』
・『センター試験現代社会集中講義』
・『センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本』
・『直前30日で9割とれる 河合英次のセンター現代社会』
・『蔭山のセンター現代社会 パワーアップ版 (大学受験Nシリーズ)』