タニケイ式シャドーイング(10) シャドーイングトレーニングが続かない理由
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最終更新日:2017/01/28
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
さて、今日はシャドーイングが続かない理由について書いてみたいと思います。
シャドーイングトレーニングが続かない理由
続ければ必ず、英語のリスニング力アップだけでなく、スピーキング力アップ、発音改善にも大きな効果が出るシャドーイングですが、なかなか続かない人が多いのは、なぜでしょう。
シャドーイングが続かなかった人たちの声を聞いていると、続かない主な理由は、「難しすぎる」「効果が実感できない」ということのようです。
シャドーイングが続かない理由(1) 「難しすぎる」
これは私もシャドーイングを始めた当初、自分自身で実感したことだったので、よくわかります。音声を聞きながら、そのすぐ後を追いかけて話して、それを何十秒も続けるなんて、日本語でやっても難しいですよね!それを、馴染みのない英語で、しかも、ネイティブスピードでやるなんて、難しくないわけがありません。
英語のセミナーや研修などで、「リスニング力のアップにはシャドーイングがおすすめです」と言われて、少しお手本を見せられて、それだけでシャドーイングができるようになったら、かなり器用な人だと思います。
私の場合は、2009年頃、会社の英語研修でシャドーイングのトレーニングに出会ったのですが、シャドーイングの練習をしてくることが宿題で、その成果をペアでチェックしたり、時には他のメンバーの前でシャドーイングの成果を披露させられたりしたので、恥をかきたくない一心で、最初は力づくで何とかシャドーイングの練習をしていました。でも、全然楽しくなかったのです。楽しくないと練習をしたくなくなりますし、うまくシャドーイングができないとクラスにも出たくなくなります。実際、クラスの出席者は1人減り、2人減り・・・という具合。始業前の早朝クラスだったので、仕事の忙しさが理由ではなかったはず。
私も最初は辛かったのですが、「シャドーイングができると、最初聞き取れなかった音が聞き取れるようになる」という実感は早めに得られたので、何とかこのトレーニングに慣れたい、続けていきたい、と思いました。そこで、いきなりシャドーイングを始めるのではなく、ステップを踏んで、耳の準備、口の準備、心の準備ができてからシャドーイングに入るようにしていったら、あまり抵抗なく、また難しさも前ほどは感じずにシャドーイングを続けることができるようになりました。
しかも、準備段階で、色々なトレーニングをしておくと、シャドーイングを単体でやるよりも、多くの効果が得られることが実感できました。特に、耳だけでなく口も鍛えることができて、英語を話すのが楽に感じられ、音としてもスムーズに英語らしく話せるようになっていくのが分かりました。
最初は単に、シャドーイングのときに感じる難しさを減らそう、ということで試行錯誤しながら追加していった準備ステップでしたが、実はそれぞれのステップに意味があり、このトレーニング全体の効果を最大化するために必要なステップになっています。
<タニケイ式シャドーイングのステップ>
(1) リスニング:音声を聞く
(2) ディクテーション:聞き取りをする
(3) 黙読&理解:黙読して疑問点がない状態にしておく
(4) 音読:声を出して読む
(5) リピーティング:音声を一文ずつ流して、真似をして繰り返す
(6) オーバーラッピング:音声と同時に発話する(スクリプトを見ながら)
(7) シャドーイング:音声を聞いて少し後を追いかけて発話する(スクリプトは見ない)
この7ステップで進めても、シャドーイングが「難しすぎる」と感じるときには、教材自体のレベルが合っていないことが考えられます。教材については、自分のリスニング能力の少し上のレベルのものを選ぶこと、スピードや長さに気をつけることが大事です。ぜひ「効果を最大にする教材の選び方」を参考に、ちょうど良いレベルの教材を選んでみてください。
最初のうちは、シャドーイングというトレーニング自体に慣れず、自分が完全に聞き取れるような教材を選んでもシャドーイングは難しく感じる、という人もいると思います。そのときには、シャドーイング自体に慣れるまでは、少し易しめの教材を選んでください。
シャドーイングが続かない理由(2) 「効果が実感できない」
これは、色々な原因で起こりえます。たとえば、教材が難しすぎる、教材が易しすぎる、実はシャドーイングではなくスクリプトを覚えて話している、シャドーイング自体に慣れずうまくできない、などが主な原因です。
これも、「タニケイ式シャドーイング」のステップを踏んでシャドーイングに入っていくこと、そしてちょうど良いレベルの教材を選ぶことで、ほぼ解消することができます。「実はシャドーイングではなくスクリプトを覚えて話している」という場合には、自分ではなかなか気づきにくいので、人にチェックしてもらったり、音声を追い越して話していることがないかをセルフチェックしてみることがおすすめです。追い越して話している場合には、音は聞いていない、ということになります。
何度もシャドーイングを練習していると、自然と覚えてしまって、最後にはシャドーイングをしているのか、覚えて暗唱しているのか分からなくなりますが、それは自然な流れですので仕方ありません。ただ、シャドーイングの3日目、4日目くらいまでは、シャドーイングをしている実感、音声を追いかけている実感を大切にしてください。ぜひ、「音を聞き取れるようにしていくためのトレーニング」だということを意識しながら、シャドーイングをしてください。
ちなみに、難しすぎず、効果も実感できるようになれば、続けていける可能性は高まるのですが、それにプラスして、「楽しい」と思えると、さらにトレーニングを継続していけるモチベーションになります。
どんなものが「楽しい」と思えるかは人それぞれ違うと思うのですが、自分で記録をつけたり、Facebookなどでトレーニングの進捗を公開するのもいいですし、シャドーイング仲間を作ってお互いにチェックし合ったりすることはおすすめです。また、ひとつの本を次々にやっていくのもいいのですが、色々な教材で試してみると、シャドーイングのやりやすさや、効果の実感具合に変化があって、楽しめると思います。単純に何度聞いても飽きない、自分の好きなものを教材に使う、ということも、楽しむためにおすすめです。
ぜひ、自分のモチベーションをキープしやすい、「楽しい」シャドーイングトレーニング方法を見つけて、ぜひ続けてくださいね!!
「タニケイ式シャドーイング(11) なぜ1日30分3ヶ月で英語を聞けるようになるのか」はこちら
(「タニケイ式シャドーイング(1) タニケイ式シャドーイングの特徴」はこちら)
Enjoy learning English!!
タニケイ