2014年度通訳案内士口述試験(二次試験)受験レポート☆ | Enjoy Learning English!!

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2014年度通訳案内士口述試験(二次試験)受験レポート☆

公開日: : 最終更新日:2016/06/17

<追記>以下に紹介している通訳案内士試験の情報は2014年度の情報です。通訳案内士試験の最新情報は、2016年6月に出版した『通訳案内士のすべてがわかる本』をお読みください☆

こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!

12月7日(日)、通訳案内士口述試験を受けてきました。会場は三軒茶屋から徒歩10分の昭和女子大学。

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口述試験の内容は、(1)通訳問題、(2)プレゼンテーション問題、(3)質疑応答。全部で約8分間と短い面接です。

集合時間からの流れを詳細にレポートしますので、来年以降受けられる方はぜひ参考にしてくださいね!

タニケイの通訳案内士口述試験受験レポート

当日の服装について

当日の服装ですが、きちんとした服装で行くべし!とハロー通訳アカデミーの植山さんが書かれていたので、ワンピースにジャケットで行きました。実際、スーツやジャケットを着た方がほとんどでした。和服の女性もチラホラいました。

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集合〜受付

口述試験は時間帯が6つに分かれているのですが、私は3つ目の時間帯でした。12:00〜12:20の間に受付で、試験は13:00〜14:00という時間帯です。

◆注意!受付前に飲み物を買っておこう!
昭和女子大学の場合、受付後は飲み物を買う場所はありませんので、1Fの食事スペースの自販機でペットボトルを買っていきました。

◆注意!トイレは受付前にすませておこう!
口述試験は同じ時間帯では同じ問題が出ますので、受験済みの人と未受験の人が出会わないように、導線が限定されています。そのせいで、トイレに行くにも時間が限られますし、係員に引率されてトイレに行く形になります。何度か行くチャンスはありますが、だいぶ待たされますので、トイレは受付前にすませておくのがオススメです。

受付では、受験票・筆記試験の合格通知書・身分証明書の3つを見せて、首にかける番号札をもらい、それをかけて受付前の大教室(最初の待合室)へ入ります。私が入ったのは12:15頃でした。

最初の待合室〜直前待合室

◆注意!電子機器は使用不可なので、紙の参考書を用意しておこう!
最初の待合室の中では、番号順に席が決まっていて、そこに座ります。受験者同士話してはいけない、飲み物のみOKで食べ物はガム、飴などもNG、携帯等の電子機器は使用不可、などのルールがホワイトボードや配布された紙に書かれています。参考書などの本は見てOKとのことで、ハロー通訳アカデミーの「日本的事象英文説明300選」や、江口先生の「新・英語で語る日本事情」を読んでいる人が何人かいました。

時々「男性でトイレに行きたい方〜」「女性でトイレに行きたい方〜」というお声がけがあり、ぞろぞろと一列になってトイレに引率されていました。大人が引率されてトイレに行くというのは、なかなかない光景ですよね...。

12:30を過ぎると、注意点やこの後の流れの説明があり、数十人ずつその部屋を出て、次の「直前待合室」へ移動しました。

直前待合室でも、番号順に座りました。ここではトイレの一斉引率はなく、トイレに行きたい人は個別に手を挙げて連れて行ってもらっていました。係員の人数が限られるうえ、トイレは引率必須なので、行きたいときにすぐには行けません。私の隣の方も、トイレに行きたいと一度言ったのに、かなり待たされて、焦っていました。

最初の待合室と同じく、電子機器NG、飲み物のみOK、本は見てOKというルールです。ここでは20分ほど待たされたかと思います。私はハローの「日本的事象英文説明300選」を読みながら待ちましたが、ここで新しい言葉などが出てくると焦るので、軽く目を通すくらいにしました。

日本的事象英文説明300選

いざ試験室へ!

番号を呼ばれて、待合室を出て、試験室の前の椅子に座りました。試験室の前には2つずつ椅子が置いてありましたが、座っているのは1人ずつでした。廊下が寒くて、コートを膝にかけて待ちました。

これまたハローの植山さんが口述対策講演会の資料の中で「試験室の中の様子が聞こえることもある」と書かれていたので、中の声が聞こえるかな?と思って耳をすませましたが、受験者の方が何か話しているな〜というくらいしか聞こえませんでした。ただ、日本人の面接官の男性が、「最初にどのトピックを選んだかを英語で話してから始めてください」と言っている声はよく聞こえました。もしもっと早く試験室の前に行っていたら、通訳問題の日本語文が読み上げられるのも、きっと聞き取れたと思います。

前の受験者が部屋から出てきてから、数分待たされました。その間に試験官の方は評価を書いたり、もしかしたら二人で話し合ったりしていたのでしょう。少し緊張してきました。

「カチャッ」とドアが開き、日本人面接官の男性が「どうぞお入りください」と。さあ、口述試験開始です!

口述試験開始!

面接官との距離は2mないくらい。思ったよりも近いです。ネイティブの女性の面接官と、日本人の男性の面接官でした。受験者用には椅子が3つ並んで置いてあり、入口から遠い椅子にはバインダーに挟んだ紙と筆記用具が置いてあったので、入口近くの椅子の方に荷物を置いて、真ん中の椅子に座りました。

椅子に座る前に、"Nice to meet you. Thank you for having me today." と挨拶をしたら、ネイティブの女性面接官がニコリと微笑んでくれたので、緊張が和らぎました。

名前は聞かれず、日本人面接官に"Where are you from today?"と聞かれたので、"I'm from Shibuya. I live in Shibuya." と答えました。何か会話が続くのかと思いましたが、特になく、そのまま通訳問題へ。

◆通訳問題

通訳問題は、日本語で読み上げられた文章(10~20秒程度)を、聞き終わったらすぐに英語に訳すというものです。日本語を聞きながらメモをとることができます。

日本人面接官が「これから通訳問題を始めます。私が日本語で話す内容をすぐに英語に訳してください。筆記用具と紙を使ってメモをしても構いません」と言いました。隣の席にあった筆記用具(バインダーに挟まれた紙とボールペン)を手に取って準備しました。机はありませんが、バインダーは膝の上に置けば十分安定するので、書きにくくはありません。

私の時間帯の通訳問題はこんな問題でした。

「日本で交通網を使うときには、ICカードを使うと便利です。事前にチャージすることで、日本中のほとんどの鉄道やバスを一枚のカードで利用することができます。」

「交通網、ICカード、チャージ、電車、バス、一枚」などのワードをメモしましたが、シンプルな覚えやすい文でしたので、メモを見ないで話しました。過去問よりも簡単な気がしましたが、やはり他の時間帯の通訳問題はもう少し難しかったようです。

それにたいして、私が話したのは、こんな英語でした。


When you use some transportation system in Japan, it's convenient to use IC card. IC card is a prepaid card and if you charge some money in advance, you can use it for most of the trains and buses all around Japan. It's enough to have only one card.

完全な直訳ではなく、説明を少し足した部分もありますが、それがどう評価されるのかは結果を待たないと分かりません。

◆プレゼンテーション問題

次のプレゼンテーション問題では、3つのカードが渡され、そのうちの一つのトピックを選んで、30秒の準備時間の後、そのトピックについて2分間話します。準備時間の間にもメモをすることができます。

私が渡されたカードは、「鎖国について」「日本三景について」「宝くじ」の3つでした。「鎖国」と「宝くじ」で迷いましたが、「鎖国」は事前に自分で作った予想問題のリスト「タニケイ100選」の中に入っていて、2分間話す練習をしていたので、それにしました。

30秒の準備時間の間は、「isolation policy」「Edo period」とだけメモをして、あとは出だしの話し方を考えました。

30秒が経ち、「最初に英語で選んだトピックを話してから始めてください」と日本人面接官に日本語で言われました。

私が話したのはこんな内容です。正確に英語で何と言ったか忘れてしまったので、日本語で書きますね。


・鎖国とは"national isolation policy"のことで、江戸時代にとられた政策である。
・江戸時代というのは300年続いた平和な時代で、徳川幕府が治めた時代。(300年というのは間違いですが、なぜかそう言ってしまいました...)
・幕府が鎖国政策をとった主な目的は、スペインやオランダなど、海外から来た人々によって広められたキリスト教の影響で、人々をコントロールできなくなることを恐れたため。
・鎖国政策により、限られた国だけが日本との貿易を許され、その貿易は幕府がコントロールした。

話している途中で日本人面接官の方が「1分です」と小声で言ってくれました。必死だったので、残りの1分をどうまとめようかと組み立てる余裕はなく、最後は話している途中で「2分です」と言われたので、その文章を言い終えたところで終わりました。

質疑応答

質疑応答はプレゼンで選んだトピックについてのQ&Aです。全部ネイティブの面接官とのやり取りでした。実際には英語でのやり取りですが、日本語で書きますね。

(1)江戸時代が300年続いたとのことですが、鎖国は300年続いたのですか?
- いいえ、違います。鎖国が始まったのは、江戸時代の途中ですが、始まった正確な年は忘れてしまいました。

(2)キリスト教が広まることを恐れたことが鎖国政策をとった主な理由、というのはユニークな視点ですね。
- そうですね。他の理由を挙げる人もいると思いますが、私はそれが一番の理由だったと思います。たとえば、当時、天草四郎というクリスチャンの若者をリーダーとするグループの反乱があり、キリスト教徒は強い信仰によって負けることを恐れなかったので、幕府はキリスト教の広がりによって人民をコントロールできなくなることを恐れるようになったのだと思います。

(3)幕府は特定の国を恐れていたのですか?
- 特定の国を恐れていたというよりは、キリスト教の広がりを恐れていて、他国との貿易自体は続けたかったのだと思います。ですので、幕府がコントロールする形で貿易を続けました。
(正確にどこの国との貿易を続け、どこの国を禁止したのかを思い出せなかったので、こんな解答をしました)

「時間が来てしまいました。これで試験を終わります。ありがとうございました」と英語で言われました。最後に、二人に"Thank you very much."と言って、退出しました。

振り返り

口述試験の感想としては「楽しかった!」の一言に尽きます。やはり英語はコミュニケーションの道具。筆記試験よりも英語を使って話せる口述試験の方が、ずっと楽しめました。

他に口述試験でどんな問題が出たのか知りたい方も多いと思いますが、なんと、ハロー通訳アカデミーの植山さんのブログで、今回の口述試験の各時間帯の問題を公開されています。これを読むと、私の時間帯は比較的答えやすい問題だったようです。運もかなり関係してきますね。

口述試験の準備ですが、8月下旬に筆記試験が終わった後、結果を待たずにすぐに口述試験の練習を始めました。口述試験対策として行ったことは以下の3つです。

(1)口述試験対策ワークショップ
口述試験を受ける予定の人や、通訳案内士試験に興味がある人たちで集まって、通訳問題、プレゼン問題の形式で、ペアでスピーキング練習&質疑応答をしました。9月から毎週のように開催する予定でしたが、私のスケジュールの都合で、開催できたのは3回だけでした。それでも、このワークショップのおかげで、2分間とにかく話し続けるということに慣れたと思います。

(2)通訳問題の練習
自分の声で、口述試験の過去問や、ちょうど良い長さの日本語文を読み上げたものを録音し、それを聞いて通訳をする、という練習をしました。メモをとらなくても内容を覚えて話せるようになるので、これはやっておくのがオススメです。頼める人がいるときには、誰かにテキストの日本語文を読んでもらって、それを訳すこともしていました。

主に通訳問題で使ったのは以下の本です。

(3)「タニケイ100選」で2分スピーキング練習
直前の1週間は、自分で「タニケイ100選」と名付けた予想問題のリストを作って2分話す練習をしました。特に、試験の直前に気仙沼に出かける用事があったので、その往復の車内、合計6時間以上をこの練習に使いました。仕事をしながらだと、なかなかまとめて練習をする時間が取れなかったので、この移動時間は貴重な練習時間でした!

ちなみに、「タニケイ100選」からは、自分の時間帯のプレゼン問題「鎖国」が出た他、他の時間帯でも使える問題がありました!

・「祭り」:10:00~11:00の通訳問題に関連
・「台風」「火山」:11:00〜12:00のプレゼン問題「日本の自然災害について」で使える
・「鎖国」:13:00〜14:00のプレゼン問題
・「日本語の表記」「ひらがな」:15:30〜16:30の通訳問題に関連
・「新幹線」:15:30〜16:30のプレゼン問題「北陸新幹線」で使える

一番良かったのは、一人で練習するだけでなく、人に聞いてもらって話す練習をしたことです。一人で話すときには全く緊張しないでスラスラ言えたとしても、誰かに向かって話すと緊張してスムーズに言葉が出てこないものです。ぜひ、これから受けられる方は、人に聞いてもらって練習をしましょう。できれば、質疑応答にも付き合ってもらえると良いですね!

なお、口述試験の評価ポイントは以下の4つです。

・プレゼンテーション
・コミュニケーション(臨機応変な対応力、会話継続への意欲等)
・文法及び語彙
・発音及び発声

知識は問われないそうなので、「江戸時代が300年」はスルーしてもらえると思います...。結果が出るのは来年2月5日。結果が出たら、また皆さんにご報告させていただきますね!

今回、通訳案内士試験を受験してみての感想ですが、試験の準備をするうちに、自分が知らなかった日本の文化や日本の魅力を知り、だんだん英語で伝えられるようになっていくのがとても楽しかったです!単なる試験対策と思わずに、楽しみながらそういった知識や英語での説明の仕方を学ぶと、とても充実した時間になりますよ☆

通訳案内士試験に興味がある方は、来年受けてみませんか?きっと、世界が広がっていくはず!!

私の主宰している「楽しい通訳案内士♫」グループは、今後も活動を続けていきます。基本はFacebookグループ上での情報交換がメインですが、来年1月以降、今年の受験体験談をシェアしたり、来年の受験の準備を始めるワークショップも開催していきますので、通訳案内士の受験に興味があってこのグループに参加されたい方は、こちらまでご連絡くださいね。

タニケイ

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タニケイプロフィール

谷口 恵子(タニケイ)

プチ・レトル株式会社 CDO
ワクワク英語学習コーチ
TOEIC ・TOEFLリスニング満点
Street Academy Platinum Teacher

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