「トビタテ!留学JAPAN」を活用してイギリスでの実習を実現! | Enjoy Learning English!!

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「トビタテ!留学JAPAN」を活用してイギリスでの実習を実現!

公開日: : 最終更新日:2014/10/16

こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!

今回のインタビューでご紹介するのは、「トビタテ!留学JAPAN」という、文部科学省による留学促進プログラムを活用して、イギリスでの看護関係の実習へ旅立ったリサコさんです。

トビタテ!留学JAPANについてはこちら

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リサコさんとは同じ英語学校FORWARDに通っていたのですが、私よりもずっと年下なのに、しっかりと自分の意見を言えて、志も強く、将来がとても楽しみな女性です。

看護師を目指して大学に通っていたリサコさんが、なぜ留学を決めたのか、そしてどのように「トビタテ!留学JAPAN」の枠を勝ち取ったのか、詳しくはインタビューをどうぞ!!

「トビタテ!留学JAPAN」で、看護関係の実習へのためイギリスへ行ったリサコさんインタビュー

海外留学を志望したきっかけ

― リサコさんが「トビタテ!留学JAPAN」のプログラムを見つけたきっかけは何ですか?

母がNHKの番組でこのプログラムがとりあげられているのを見て、教えてもらいました。その数日後に大学から生徒向けにアナウンスがあり、それを通じて申し込みました。

― 元々留学には行きたかったんですか?

そうですね。2年前、大学2年生のときに知り合いの看護師が勤めている日本医療政策機構の朝食勉強会で、医師の黒川清先生という先生にお会いして、外に自分からもっと飛び出さなくては自分の世界観が広げられないという危機感を抱きました。黒川先生はブログで「休学のすすめ」を書いているほどの休学推進者で、学生のうちに外の世界を見ることがとても大事だと提唱しています。そのお話を聞いてから、休学したい、世界を見たい、そうしないと人としてつまらなくなってしまう!と強く思いました。
黒川先生は、「アイデアは経験から生まれてくるものだから、革新的なアイデアを持って行動を起こすには人と違う経験が必要だ」と言っていて、行動しないと、と思いました。

― その時何か具体的なアイデアはありましたか?

具体的なアイデアはありませんでしたが、休学という新たな選択肢があると知ったとき、これだと思いました。実は講演をきく以前から、ほとんど毎日1限から5限まで必修のクラスがある看護の授業から離れて、自由に外に出て学びたいと思っていました。それと中途半端な語学力を完成させてから卒業したいとかねてから決めていました。休学して「外」に出るだけなら国内でもできますが、語学力の完成という面から海外に行こうと思いました。

語学力について

― 「中途半端な語学力」とは、いつ頃から思っていたのですか?

大学1年生のときに海外の医療系学生と交流する機会があり、自分の乏しい英語力に愕然としたことがきっかけです。英語というツールが使いこなせずに意見を発信することさえも躊躇ってしまう、というのが悔しかったです。(AMSAという医療系学生の団体のイベント、東アジア医学生会議に出て、中国、フィリピン、タイ、インドネシアなどの医学生と5日間ともにしました。)海外の学生たちは、母国語は英語ではないものの英語で医学を学んでいて、大学でも当たり前のように英語で授業を受けているので、私達日本人学生よりずっと英語ができていました。

― それまでは英語はリサコさんにとって、得意科目でしたか?

中学2年生の頃から、自分の唯一の得意教科でした。学校の授業では、時制の名称など複雑で紛らわしく暗記してもすぐに忘れ、英語自体が難しい科目のように感じていました。しかし中学2年からある塾に通い始め、最初の1年間で一通りの英文法を学び、英語のルールを使いこなすための最低限暗記すべきことが明確になりました。例えば時制の名称よりも、時制を時間軸で捉えて、時制の表す性質を理解することが重要だとわかりました。中学2年で英文法をきちんと学んだことで、英語が苦ではなくなり、あとは単語や熟語を覚えて、練習するだけというステージに変わりました。他の人より先取りしているのが嬉しくて、楽しかったのを覚えています。

看護師を志望したきっかけ

― そもそもリサコさんが看護師になりたいと思ったきっかけはなんですか?

きっかけは小学生のとき手術室での看護師との出会いです。交通事故で、頭に怪我を負い緊急手術しました。髪の毛が乾燥するほど泣く私に、看護師さんが「痛い分だけ手を握っていいからね」と声をかけ励まし、手を繋いでくれました。このとき初めて看護師という職業を知り、その後もなぜか、看護師が職業選択の一番候補でした。また、親が看護職の新たな可能性に期待していたことも大きかったです。親に勧められ、「米国ではナースプラクティショナーといって、限定的な疾患ならば診療、薬の処方もできる看護師がいる。日本でも看護職がさらに役割拡大していく変革期にあるだろう」といった記事を読み、わくわくしたことを覚えています。

世界の人とディスカッションして、一つの組織で与えられたことをするだけではなく、さらに広い視野で活動できる看護師、日本の社会の仕組みから考えて問題を解決していけるような看護師になりたいと考えていました。

― 世界的に見て、日本の看護師のレベルは高いんですか?

日本の看護のレベルは質が高い、ホスピタリティが素晴らしいと言われています。日本は世界的にみてもベッド数が多いです。看護師不足と言われる中、患者さんが病院で24時間安全に入院できているのは、忙しくても真面目に仕事をする看護師がいるからです。

「トビタテ!留学JAPAN」の応募準備

― 「トビタテ!留学JAPAN」のプログラムの話に戻りますが、お母様からこのプログラムの話を聞いた時、すぐに応募しようと思ったんですか?

そうですね。「トビタテ!留学JAPAN」では海外で挑戦したい若者を応援していて、自分主体の計画で自由度が高く、実践重視である点が魅力的でした。

― 留学のプランはどうやって考えたんですか?

緩和ケアを学びたいというのは決まっていて、プランは3つ考えていました。1つ目に、知人の看護師から聞いていた、看護ケアを行っているアメリカの看護師のところ。2つ目に、アメリカにある、家族が介護に疲れたときに休めるレスパイトケア(緩和ケアの一種)を行う施設。3つ目が今回行くことになったボランティア。1年前に参加した講演会で国立病院機構新潟病院の中島孝先生から「緩和ケアを学ぶなら聖クリストファーホスピス」という話を聞いたのを覚えていたんです。ただこの段階では、どれも受け入れてもらえるという確証はありませんでした。そこで父親に相談したら、新潟病院の中島先生はホスピスのスタッフと顔馴染みだから、3つ目が1番有力だ、と言ってくれました。そこで中島先生にメールをするところから始めました。

― 中島先生はすぐに会ってくれたんですか?

いいえ、中島先生からは「私がホスピスを勧めたのは看護師に向けてであって、看護学生にはまだ早い。大学の勉強がちゃんとできているかどうか心配だ」と言われました。それに対して、「自分は看護実習に行って、介護現場の中で疲弊している看護師や介護福祉士を見た。入院している患者もベッドで一日中過ごしていて、生きがいもなかったように見えた。これは社会の問題だと思う。でもこのまま自分が看護師になったら、それを見過ごしてしまうのではないか。だから、看護師になる前に自分の価値観を捉え直したくて緩和ケアを勉強したい」と理由を書いて送りました。

それでも中島先生からは力になれるかどうかわからないと言われました。「トビタテ!留学JAPAN」の応募直前だったので、とりあえず応募だけはしたいと思っていたところ、「新潟に行って、直接話して来たら」と家族に言われたので、2日後にアポを取って会いに行って、ホスピスでの研修計画を認めてもらいました。

ほぼ突撃のような訪問になったので、最初は中島先生に「こういうことはもっと時間を取ってやりなさい」と注意を受けました。それでも2年前から休学を考えていたことや大学入学以前から考えていたことなどを話すと、夜ご飯までごちそうになり、様々なアドバイスもしてくださいました。それからは国内の緩和ケア医療関係者、医療機関の紹介、英国の医療機関とのやり取りから緩和ケアの学びの助言まで手厚くサポートしてもらっています。中島先生はとても教育熱心で、人脈も広く、研究も臨床でもご活躍されている先生です。「医療職者は実践から学ぶべきで、あなたの考えは教科書で満足せずに実践から学ぼうとしていて素晴らしい」と、励ましてくださいました。

「トビタテ!留学JAPAN」の選考プロセス

― 無事申請が間に合い、選考に進んだわけですが、選考はどんなものでしたか?

一次の書類選考では、語学力は選考の対象ではなく、留学計画と応募動機が重視されていたので、なるべく留学計画を書く際に具体性を意識して書きました。応募動機にはこれまでの経験と、その経験から考えたことをなるべく具体的に書きました。これまで何をしてきたのか(Where did you come from?)、これからどこに行きたいのか(Where are you going?)、の2つの視点を説明して線でつながるようにしました。

― 二次試験はどんな感じでしたか?

二次試験は個人面接とグループディスカッション、それから自分の留学計画のプレゼンテーションでした。グループディスカッションの試験官も個人面接の面接官も民間企業の方でした。

― まず、個人面接はどんな感じでしたか?

ブースがたくさんあってそれぞれ面接官が座って待っているという感じでした。個人面接では、どうして留学に行きたいと思ったのかと聞かれたので、介護の実習で介護の現場に愕然としたという話をしたら、なぜ愕然としたのか聞かれました。その時、「自分がこれまで一番しんどかった時に、本当にしんどい時には助けてとすら言えないということに気づいた経験から、そういう状況にある人に寄り添いたいと思ったため、介護の現場でなんとか高齢者の声を問題化して共有しなきゃいけないという責任感を感じた」という話をしました。

また、フィリピンのレイテ島で地域実習をする機会があったのですが、日本の高齢化は知ってはいたけれど、フィリピンで小さい子や若者ばかりという光景を見た時に、高齢化の景色はフィリピンの人からしたら異常事態だということを実感しました。でも、異常だと気づくには与えられた環境から出てみないとわかりません。それもあって、なんとかしなきゃと思って愕然としたという話をしました。

― グループディスカッションはどうでしたか?

グループディスカッションは、応募者が4人ずつグループになって「トビタテ!留学JAPANを理系の学生に広報するにはどうすればよいか」というテーマで行いました。

4人のメンバーはみな理系の学生で、最初はホームページにイメージキャラクターとしてAKB48の歌が起用されていることへの批判的な発言から始まりました。制限時間の20分以内にアイデアを出さないといけないので、このままではマズイと焦りました。そこで、「理系の学生にとってこのプログラムの利点は何だと思うか」という問題提起をして、理系の学生はみんな自分の専門分野を持っているから、その専門分野に合った留学計画を立てることができるのがメリットだからそれをアピールすれば良い、一期生の体験を伝えていこう、という流れになりました。

導入期(「トビタテ!留学JAPAN」をまず知ってもらう)、中間期(さらに知ってもらう)、直前期(応募直前)の3ステップを考え、それぞれの段階での広報を考えました。第一段階の導入には留学計画を紹介する番組の制作という企画、第二段階で更に詳しく知りたい人のために一期生の留学中にtwitterで活動状況を発信する企画、第三段階で更に決意が固まった人には報告会を開いて個別相談会を行おうという企画が固まり、それを代表者がプレゼンテーションしました。プレゼンテーションの担当は他の人に譲りましたが、問題提起や議論のまとめの役割を担えたと思います。

― 留学計画のプレゼンテーションは自由に話して良かったんですか?

はい。「資料は使いたければ自分で用意する。時間は3分」という情報しか与えられていなかったので、自分がどういう状況でプレゼンターになるのかわかりませんでした。

ある人はポスターを作って来ている人や、紙芝居を作って来ている人、パワーポイントのスライド資料を配る人などがいました。どういう状況でプレゼンテーションするかもわからなかったので、私はほとんど準備しませんでした。

プレゼンテーションはグループディスカッションのメンバー4人に対して行いました。私は「緩和ケアは死にゆく人たちのためだけのものではなく、家族が介護で鬱病になったらそれは緩和ケア不足なんだ」、という点に絞って話をしました。

プレゼンテーションが3分、Q&Aが2分だったのですが、プレゼンテーションが長引きQ&Aの時間が無い人が多く、時間はそれほど厳しくはなかったです。一番大事だったのは30分くらい話した個人面接だったと思います。

― 何が合格の決め手になったと思いますか?

「トビタテ!留学JAPAN」の事前研修に行った時に、3つの選考基準は、Passion/好奇心/独自性があること、と言われました。そのどれか1つ以上が卓越していれば選ばれるということでしたので、私はその中ではPassionが評価されたのだと思います。

― 結果が来たのはいつ頃ですか?

6月8日に2次試験の最終選考があって、7月1日頃の発表でした。1,700人応募があって合格者は323人でした。

「トビタテ!留学JAPAN」合格後の活動

― 「トビタテ!留学JAPAN」の合格後に義務付けられていることはなにかあるんですか?

毎月報告書を出すことが決められています。また留学前、留学後に事前・事後研修会に参加することも義務づけられています。事前研修では教育、経済などの起業家や一流企業の幹部の方々の講演、トビタテ1期生どうしのグループワークなど充実したプログラムでした。多額の借金を抱えながらも「心が向くほうへ進む」ことが志なのだという教育者の方の強い覚悟に感銘を受けました。同じ1期生の仲間とも不安を分かち合い、刺激も受けました。

― 奨学金はどれくらい出るのですか?

地域によって違いますが、イギリスは生活費(毎月20万円)、研修費(上限30万円)、往復の渡航費の一部(20万円)、合計150万円の補助が出ます。語学学校に行くとすれば半年で250万円かかるので大体半分程度は自己負担になります。途上国なら全額カバーされる人もいますが、ヨーロッパなど先進国への留学だと自己負担も発生する可能性が高いです。

― 留学に備えて国内での事前研修には行ったんですか?

事前準備として、緩和ケアと難病ケアの研修に行きました。ひとつは新潟病院の難病の人たちが療養している病棟、もうひとつは千葉にあるがん患者専門の在宅緩和ケアを提供している診療所に行きました。それ以外にも難病ケアをしている東京都医学総合研究所の看護師さんにも話を聞きに行きました。

― 6ヶ月間の留学で何を得たいですか?

自分で課題を見つけ、解決策を考えて学びを深めることができるようになりたいです。今回の留学は、自分の力試しだと思っています。大学の正規の交換留学とは異なり、実習先の確保から自分で組み立てていかなくてはいけません。日本にいると、親や友達、先生などサポートしてくれる人がたくさんいて、何かあったら助けてくれます。でも海外に行くと、計画を充実させていくには、自分で行動し交渉しないと始まりません。自分の考え、思いを英語で伝える力も養っていきたいです。自分の見てきた介護の現場の問題意識や、素晴らしい活動をしている看護師、医師の意見も伝えたいです。

― リサコさんならきっとやり遂げられると思います!がんばってくださいね!!

インタビュー後記

リサコさんにインタビューさせていただいて、あらためて、その行動力、積極性に驚かされました!

イギリスに着いてからの様子も教えてもらいましたが、リサコさんは、あちらでも積極的に色々な場に参加して、人と出会い、予定していた実習以外にも実習プログラムを増やしたり、また、ホストファミリーと交流したり、現地の人たちと一緒にアクティビティをすることで、イギリス文化を知ったり、日本の文化を伝えたりと、留学期間をとても有効に活用しています。

その中で、日本特有のこと、たとえば「武士」や「俳句」などについて説明しようとしたときに、何となくしか理解していないと、英語ではうまく伝えられないことに気づいたそうです。

私も今、通訳案内士の口述試験の練習で、日本特有の事象について英語で説明する練習をしていますが、内容をまずしっかり知らないと、英語での説明はできないことを実感しています。英語を使って海外の方とコミュニケーションできるようになりたい、と思っている方には、ぜひ、海外の方が興味を持ちそうな日本特有のことを語れるようになる練習をおすすめします!

今回のインタビュー、いつか留学したい、いつか海外で働きたいと思っている方には、とても刺激になる話だったのではないかと思います。ぜひ、リサコさんのように、自分の思う道、進みたい道に近づけるように、一歩一歩動いてみてください。私も良い刺激を頂きました!がんばっていきましょう〜☆

タニケイ

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タニケイプロフィール

谷口 恵子(タニケイ)

プチ・レトル株式会社 CDO
ワクワク英語学習コーチ
TOEIC ・TOEFLリスニング満点
Street Academy Platinum Teacher

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