TOEIC SWのスピーキング対策は、一人で黙々と学習するだけでなく、実際に人と会話をすることもとても効果的な学習法です。自分の間違いを客観的に指摘してもらうことで、それを改善し、次につなげることができるので、スピーキング力を伸ばすことができます。
そこでオススメなのがオンライン英会話です。今回は、オンライン英会話のひとつ「Best Teacher」を紹介します。Best TeacherがどれだけTOEIC SW対策に向いているのか、どのように使えば効果的に学習できるのかを検証します。

Best Teacherに関する基本情報




Best Teacherは、スピーキング&ライティング対策をネイティブ講師に学べる24時間体制のオンライン英会話です。「1ヶ月10レッスン、10ヶ月で100の英文を書いて話そう」というモットーで、いきなり話すのではなく、まずはテーマに沿った内容で英文で書くライティングレッスンから始まります。

スピーキングレッスン対応:○
ライティングレッスン対応:○
価格:月額16,200円でスピーキング、ライティング共に受け放題
受講時間:一回25分/毎日24時間
講師:様々な国籍(全30ヶ国)の講師で構成。アメリカ人講師が多いことも特徴

Best TeacherではSW対策として何ができるのか

Best Teacherには「TOEIC SW対策コース」というコースがあります。この「TOEIC SW対策コース」では、TOEIC SWの全問題形式を、Best Teacherの既存の1000種類から選んで練習することができます。

そこで、一体どこまで丁寧にTOEIC SW対策をしてくれるのかを検証するため、無料体験レッスンを受講しました。
今回注目したのは以下のポイントです。

TOEIC SWテストに特化した練習ができるのか
レッスンの進行、講師の雰囲気はどうか
発音やイントネーション、文法は直してくれるのか
スピーキング内容が論理的かどうかを判断してくれるのか
フィードバックやアドバイスは適切か

TOEIC SWテストに特化した練習ができるのか

今回使用した教材は、Best Teacher既存の問題から選択しました。TOEIC SWスピーキングテストの中で最も難しいとされる、問題11「意見を述べる問題」です。問題内容は以下の通り。

“Would you prefer to receive a higher monthly salary or to receive an end-of-year bonus in recognition of your good work performance? Give specific reasons and examples to support your opinion.”

TOEIC SWの「意見を述べる問題」によく出題されるような内容です。つまり、教材に関してはかなりTOEIC SWに特化したものが用意されていると言えるでしょう。問題数も、Best Teacher既存の1000種類が用意されているので、かなり豊富です。

レッスンの進行、講師の雰囲気はどうか

Best Teacherは全てライティングレッスンから始めるという、独特の学習法を用いています。始めに講師と何度かライティングメッセージをやりとりし、そのあとスカイプでのオンライン英会話を始めることができるのです。(「書くことができない英語をいきなり話すことはできない」というBest Teacherの考えによるものです。)ライティングから入る学習法は、特に「意見を述べる問題」に関しては、自分の考えを整理する練習になり、またライティングテストの「意見を記述する問題」の練習にもなるので、良いと思います。

*レッスンの進行*
①ライティングレッスン
②講師によるライティングの訂正&音声の吹き込み
③スカイプレッスン

①ライティングレッスン

ライティングレッスンでは、一つの教材につき講師とメッセージのやりとりを最大5回までできます。今回は、最初の問題(高い給料と、出来高制の年度末のボーナスとどちらが良いか?)から始まり、最終的には「日本の消費税」の話や、「お金があるのに不幸せな人がいるのはなぜか」という話まで広がっていきました。これらは、最初の問題とは関係ないのですが、TOEIC SWの「意見を記述する問題」への対策として自分の意見を英語で答える練習になります。

②講師によるライティングの訂正&音声の吹き込み

ライティングレッスン後は、講師がライティングを訂正したスクリプトと、そのスクリプトを音読した音声を送信してくれます。ライティングの訂正では、文法や語彙の使い方、語順などを訂正してくれます。そして、音声に関しては、講師の吹き込んでくれた音声を聞くことができるだけでなく、自分の音声も録音することができます。そのスクリプトと音声を使って、スカイプレッスンを始める前に復習をすることができます。

③スカイプレッスン

そして、スカイプレッスンは基本的にスクリプトの音読と講師への質問という形で進んでいきます。発音やイントネーションの練習には良いのですが、レッスン中に自発的な会話はそれほどありません。

講師は、フィリピン人の女性でしたが、ネットの回線が混み合っているという理由で、当日はビデオ通話ができませんでした。Best Teacherでは、講師は主に自宅でレッスンをしますので、その講師の国や家庭環境によって、回線が遅く通信に支障が出ることがあるそうです。通信環境だけでなく、講師の雰囲気やレッスン内容などは講師にもよるので、何度かスカイプをして好きな講師を見つけることが必要です。

発音やイントネーション、文法は直してくれるのか

「こちらからどんどん質問しないと直してくれない」という印象です。また、細かい部分的な指摘ではなく、大まかなアドバイスが多いです。始めにスクリプトを読み上げたときに意見を求めると、「抑揚がないのでイントネーションに気をつけるよう」に言われました。講師のお手本を聞いてから、イントネーションを意識してもう一度読み上げる練習をしました。

発音に関しては、個人的な癖があるか知りたかったので尋ねると、「全体的に日本人っぽい発音なので、アメリカドラマを見て口の動きを練習するよう」に言われました。細かい指摘には欠けるのですが、発音練習に役立つアメリカドラマを教えてくれるなど親切に対応してくれます。

文法に関しては、もともとスクリプトの音読がメインのレッスンなので、ほとんど訂正されませんでした。

スピーキング内容が論理的かどうかを判断してくれるのか

内容に関してはほとんど触れてもらえませんでしたが、英文の量に関してアドバイスをもらいました。以下の英文は、最初の問題(高い給料と、出来高制の年度末のボーナスとどちらが良いか?)に対する自分の意見です。

“I prefer to receive a higher monthly salary. I have several reasons to support my opinion. Firstly, it’s easier to think a family budget when I receive a higher monthly salary. Actually, I receive a higher monthly salary now. Then, I have a plan to move house next year. Now I know how much I can earn next month, so I can efficiently save money for the plan.
Secondly, stable salary makes my family feel ease. Think about the case that I receive an end-of-year bonus in recognition of my good work performance. If I had a traffic accident and broke my arms, I would not reach a good work performance even though I could go to the company. If so that, I can’t make enough money to support my family.
So that, I prefer to receive a higher monthly salary.”

文法等の誤用を除き、この内容が問題に対して十分な解答になっているのかどうかを尋ねると、講師からは「良いと思うよ。」と、とてもあっさりとした返事が返ってきました。文の長さに関しては、「1分間話し続けるにしては短すぎる。3ooワードくらい入れないと不十分だから、自分の意見に対する理由や具体例をもっと増やすべき。」とのことです。1分間にどれくらい話せば良いのか、という基準は自分一人で学習していてもなかなかイメージできないものです。こうして講師にアドバイスを仰ぐことで、学習の仕方も見えてきそうです。

フィードバックやアドバイスは適切か

レッスン中に講師が積極的に生徒の英語を直すというよりは、講師が生徒に「何か質問はある?」と尋ねることの方が多いです。よって、レッスン中はこちらから積極的に質問をしたりアドバイスを仰ぐことが大切です。分からないことや疑問に思うことは全部聞くと良いでしょう。

スカイプレッスン終了後には「レベルチェックレポート&学習アドバイス」というものがメールで届きました。これがなかなかきちんとしたもので、私の「リスニング・発音・語彙力・文法・表現力・総合評価」を5段階で評価してくれました。それぞれの項目で、どこが出来ていなかったのかを具体的に書いてくれます。例えば発音だと、「v, f, sh, th, r, l, er, a, u, o」がクリアでないと書かれていました。レッスン後すぐにメールが送られてきたので、基本的にはフィードバックや学習アドバイスの内容は評価ごとに決まっているようですが、その内容はとても丁寧かつ具体的で良いです。

「レベルチェックレポート&学習アドバイス」が届いて少し経ってから、講師から直接のフィードバックも届きました。その内容は、「ニュースや記事、物語を英語で読むことを始めると良い。始めに音読して、内容を理解し、それについて講師に話すことで、より良いディスカッションが出来る。」というものでした。確かにディスカッションの練習をすることは、TOEIC SWテストには役に立つかもしれません。自分の立場を明確にして、論理的に話す力がつきそうです。このように、学習方法を教えてくれること良いと思います。特に一人で学習している人にとっては普段の学習法を知ることは非常に大切です。。

結論!TOEIC SW対策のためのBest Teacherの効果的な使い方

ライティングレッスンではとにかく沢山書こう

ライティングレッスンでは、講師と最大5回まで会話をできます。先ほど述べたように、TOEIC SWの「意見を述べる問題」用の教材を選べば、ライティングのやりとり中に、講師が色々な質問を投げかけてくれます。それを毎回テスト本番と想定して、ロジカルに分かりやすく300字程度にまとめて書く練習をすると良いでしょう。

講師からライティングの訂正が来たら何度も音読練習をしよう

ライティングレッスンが終了すると、講師が今までのライティングを訂正し、音声を吹き込んでくれます。なので、この段階で自分の作成した文章を何度も音読練習しておきましょう。また、自分の音声を録音する機能も付いているので、自分の発音を客観的に聞いてみることも大切です。ここで出来るだけ練習しておくことで、スカイプレッスンを有効に使うことができるでしょう。また、ある程度慣れてきたら、文章を見ずに話す練習をするのも良いと思います。一字一句覚える必要はありませんが、スピーキングテスト本番を想定してやってみましょう。

スカイプレッスンではライティング内容について講師とディスカッションしよう

スカイプレッスンでは、こちらからどんどん質問をしたり話す積極的な姿勢が必要です。レッスンの序盤に、発音やイントネーションの疑問を解決し、その後はスクリプトの内容について講師とディスカッションすると良いでしょう。テーマについては一度ライティングをしているので、関連する語彙はすでに調べてあると思います。そこで、「自分のライティング内容に対して講師はどう思うか」「それを聞いて自分はどう思うか」というように、自分から積極的に会話を膨らませていきましょう。そうすることで、スカイプレッスンが、ただ「ライティングしたものを音読するだけ」でなく、自発的にスピーキングを練習する場所になるでしょう。



*TOEIC SW対策に対応しているオンライン英会話サービス一覧は以下のURLからご参照ください。各オンライン英会話のサービスの特徴や基本情報をまとめて紹介しています。
TOEIC SW対策ができるオンライン英会話紹介