現在、海外赴任や昇格の条件としてTOEICテストを導入している企業が多くあります。英語力を測るためにはTOEICテストが一般的でした。しかし、TOEICテストで測ることができるのはリスニング力とリーディング力のみです。いくら良いスコアを取得できたとしても、実際に海外の顧客を相手に、もしくは海外営業所の社員を相手に流暢に英語で会話ができるとは限りません。実際に、海外赴任した当初は会話に苦労した、という話はよく耳にします。そこで、最近注目されているのがTOEIC SWです。スピーキングとライティングのテストなので、英語の実践力を測ることができます。最近では、TOEIC SWテストを導入している企業も増えています。

本記事では、一体どんな企業がTOEIC SWを導入しているのか、実際に導入している企業はどのようにTOEIC SWを活用しているのか、について紹介していきます。

TOEIC SW導入企業一覧とその導入事例

TOEIC SWの受験者は年々増加しており、企業でもTOEICと並んでTOEIC SW試験を積極的に導入するようになってきました(TOEIC SWの受験者数の推移や受験者の平均点に関してはコチラをご参照ください)。では、実際どんな企業がTOEIC SW試験を導入しているのでしょうか。実際にTOEIC SWを導入した企業の中からその一部を紹介します。

業種 企業名
アパレル 株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン
エネルギー 出光興産株式会社
エネルギー 石油資源開発株式会社
化学 住友化学株式会社
ガラス 日本ガイシ株式会社
機械 株式会社小松製作所
建設 大成建設株式会社
建設 株式会社竹中工務店
建設 東洋エンジニアリング株式会社
サービス 株式会社オークラニッコーホテルマネジメント
サービス 株式会社GABA(GABAマンツーマン英会話)
証券 SMBC日興証券株式会社
商社 双日株式会社
商社 三菱商事株式会社
食料品 キリン株式会社
精密機器 オリンパス株式会社
造船 川崎重工業株式会社
通信 ビジョン株式会社
通信 日本電信電話株式会社
電気機器 シャープ株式会社
電気機器 ソニー株式会社
電気機器 株式会社東芝
電気機器 株式会社日立製作所
電気機器 富士ゼロックス株式会社
電気機器 富士通株式会社
不動産 三井不動産株式会社
マスメディア 株式会社電通
輸送機器 アイシン精機株式会社
輸送機器 株式会社デンソー

上記の表から分かるように、業種を問わず様々な企業がTOEIC SWを導入し、リスニングやリーディングだけでなく、スピーキングやライティングの力もつけて、社員の英語4技能を伸ばそうと努めています。

では、実際にTOEIC SWを導入した企業はどのようにこの試験を活用しているのでしょうか。現在最も多い活用方法は、「社内英語研修の効果測定」や「海外赴任後の英語レベルチェック」などです。受験を通して、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能の中で自分の弱点を知り、次の学習につなげる意識を社員一人ひとりに持ってもらいたい、ということです。つまり、昇格の条件にもなってきているTOEIC試験と比較しても、そこまで重要視されていないのが現状です。しかし、その中でも、TOEIC SW試験をTOEIC同様、高いレベルで重要視している企業もいくつかあります。以下に、2つの事例を紹介します。

双日株式会社

双日株式会社では、TOEICとTOEIC SWの両方のスコアが出張、海外赴任の目安として活用されており、全社員が受験する仕組みになっています。会社が設定している海外駐在の社内基準は、スピーキング130点、ライティング140点です。

導入目的 ・グローバルビジネスの拡大に対応するための英語力の底上げ
・TOEICテストとTOEIC SWテストの併用でアウトプット力も強化
・レベルアップへの刺激、学習意欲向上のきっかけとして
活用方法 ・人事制度とも連動した英語力のガイドラインとして
・海外赴任要件として

富士通株式会社

富士通株式会社では、グローバルビジネス人材育成のため、様々な研修を行っています。その一つに、30代前半の社員を対象とした「海外ローテーション制度」が設けられており、対象の社員には海外のグループ会社への赴任のチャンスがあります。この赴任要件として、TOEICとTOEIC SWの両スコアが活用されており、TOEICスコアで730点以上、TOEIC SWスコアでも合計270点以上が目安となっています。

導入目的 ・グローバルビジネスリーダーとして活躍する人材育成をめざして
活用方法 ・「海外ローテーション制度」による海外のグループ会社への赴任要件として

今後グローバルビジネスが進んでいく中で、上述した2社のように、海外赴任や海外出張の要件としてTOEIC SW試験が重要視する企業は増えていくことでしょう。また、昇格要件の一つとしてTOEIC SWのスコアが求められることも大いにありえるでしょう。グローバル社会において、企業も個人も総合的な英語力が求められています。リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能を平等に身に付けて、英語のインプットだけでなくアウトプットできる力を鍛えていくことが大切でしょう。

*TOEIC SWのスコア別によ実際の仕事でできること、業種別に求められるTOEIC SWのスコアに関しては、『TOEIC SW仕事で求められるスコアとは【スコア別に見る仕事上でできること、業種別に見るTOEIC SW得点期待値について】』をご覧ください。