英語初級者にこそオススメ!Kindleで英語多読 ~Cambridge English Readers Level1の10冊から始めよう~
公開日:
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最終更新日:2015/07/24
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
英語力を伸ばしていくのに効果的な洋書の「多読」。
「英語レベルが上がってからでないと洋書のリーディングはできないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今の自分のレベルに合わせて読めるものをどんどん読んでいく多読をしながら、少し難しめのものにも時々チャレンジしていくというのがオススメです。
そこで、今回は、Kindleで読めるレベル別洋書のうち、Cambridge English ReadersのLevel1(初級者向け)を、大学4年生で英語初級者のメイちゃん(TOEIC未受験、推定400点前後)に読んでみてもらい、あらすじ、感想とともに紹介してもらいました!
実際に何冊か読んでいくと、「長く読み続けること」への耐性ができていきますので、ぜひそれを実感しながら、多読にチャレンジしてみてくださいね☆
Kindleで英語多読にチャレンジ!~Cambridge English Readers Level1を読んでみた~
みなさん、こんにちは!メイです。
わたしは、ふだん英語に触れる機会は週1回の学校の授業のみ、TOEICは推定400点レベルの、英語学習初心者です。海外旅行中に現地の人と会話をしている自分や、英語で仕事をしている自分を夢見ながら英語をあらためて勉強し直したいと思い、英語学習を始めました。今回、そんなわたしが、Cambridge English ReadersをKindleで読む、初めての「英語多読」に挑戦しました!
Cambridge English Readersとは?
Cambridge English Readersとは、英語学習者の多読用に書かれたシリーズのことです。Starter~Level6までの7段階にレベルが分かれており、自分に合ったレベルから読み進めることができます。
詳しくはこちらのブログでも紹介しています。Kindle化されているCambridge English Readersリスト一覧もありますので、ぜひご覧ください!
電子書籍で英語多読!! Cambridge English ReadersをKindleで読もう☆
私はまずLevel1のシリーズから始めました。Level1は、30~40分もあればほとんど辞書をひかなくても読み切ることができるお話ばかりで、英語学習初心者にぴったりの多読教材です。「多読をやってみたいけど、英語は苦手だし何から読めばいいのかわからない・・・」という方のために、簡単なあらすじや私の個人的なオススメ度などと一緒に紹介していきますので、ぜひ参考にしてください☆
( オススメ度 )
★★★★☆
( 語句数 )
4,200語
( ジャンル )
ミステリー
( あらすじ )
新人女性刑事Loganが主人公のミステリー小説。「妻が失踪した」という夫の事情聴取から物語が始まる。事件の目撃者である子どもたち、携帯電話に残る見知らぬ男の着信、明らかになる妻のもう一つの顔。果たして、Logan刑事は犯人を突き止めることができるのか?
( 読みやすさ )
刑事物なだけあって、題名にもある"inspector"(警部補)や"sergeant"(巡査部長)などの専門用語をいくつか調べました。また、sergeantが事情聴取をしている男性を"sir"と呼んでいたり、何気ない会話の中にも単語のチョイスの使い分けを学べました。
( 感想 )
英語多読に挑戦して初めて読んだ作品がこちら。Inspector Loganはシリーズになっていると聞いたので、これを選びました。ベタな推理小説ではあるものの、複雑な人間関係も組み込まれていて、読んでいて飽きさせない、少し大人な刑事物語になっています。犯人は途中で想像できてしまうかもしれませんが、これだけの人間の心理を描いていると、なかなか読み応えがあります。
( オススメ度 )
★★★★☆
( 語句数 )
3,700語
( ジャンル )
ミステリー
( あらすじ )
女性刑事Flickは友人のパーティで医師であるJackと出会う。二人は意気投合し、後日会う約束をする。ところが再会を前にJackが自殺したという。FlickがJackのもとへ急ぐと、そこには手に銃を持って死んでいるJackの姿があった。しかし、Jackは確か左利きだったはずなのに、銃は右手に持っている。もしかしてこれは誰かに殺されたのでは…こうしてJack殺害事件の捜査が始まる。
( 読みやすさ )
調べた語句は2語くらいで、特に詰まることなく読み終えることができました。"a cop"は俗語で、日本語で言うと"サツ・おまわり"になるのは初めて知りました。
( 感想 )
女性刑事Flickとイケメン医師Jackのラブストーリー…と思いきや、突然Jackは死んでしまいます。せっかく何かが芽生えそうな二人だったのに…!ナイスガイで敏腕な医師であっただけに、この不幸は起きてしまったのかもしれません。犯人にたどり着くまでにいろんな仕掛けがあって最後まで楽しんで読むことができました。
( オススメ度 )
★★★☆☆
( 語句数 )
4,578語
(ジャンル)
コメディ
( あらすじ )
売れない作家Frankのもとにハリウッドのプロデューサーから、小説を大金で買いたいという朗報が届く。小説の作成を手助けをするためプロデューサーから贈られたコンピューター。機械音痴な彼でも、困ったことがあれば"Help"とタイプすればコンピューター上のchipが何でも助けてくれる。chipと共に小説を書き進めるFrankだったが、chipは必要以上に"Help"する。やがて彼はその"help"に困り果てていく。
( 読みやすさ )
"Ping!"で「ピューン!」という音をあらわすなど、日本語でいう擬音語が英語ではまったく違う表現になることを学びました。人間ではないものが話し出したりするので、ややこしく思う部分もありましたが、そこまで読みにくくはなかったです。
( 感想 )
ちょっとコメディタッチのファンタジー小説。機械の人工知能に悩まされていく主人公の姿はIT社会への忠告にもなっているような気がします。それにしても、小説家志望で毎日ダラダラ過ごしている夫の面倒をみながら、法律家としてバリバリ働く妻は尊敬に値します。
( オススメ度 )
★★★★☆
( 語句数 )
3,948語
( ジャンル )
ラブストーリー
( あらすじ )
映画好きの主人公Bradは映画館でGinaと再会し恋人同士となる。Ginaとの結婚を望むBradは、彼女を幸せにするためにはお金が必要だと考える。そんな中、二人は"Dead Money"という映画を観る。その映画は、策略結婚の末に大金を手に入れ、愛する人と幸せに暮らすというストーリーだった。「お金なんて必要ないわ」と言うGinaをよそに、Bradの「映画のような」計画は進んでいくのであった…。
( 読みやすさ )
語句をほとんど調べることなく、最後まで読むことができました。私にとっては、レベル1の中でも一番読みやすい話だったと思います。
( 感想 )
ラブストーリーというよりミステリーのような話です。主人公のBradの愛が狂気に変わっていく様子を、簡単な短い文章でここまで表現されていると逆に緊迫感が伝わり、最後までドキドキしながら読むことできます。
( オススメ度 )
★★★☆☆
( 語句数 )
4,218語
( ジャンル )
ミステリー
( あらすじ )
なかなか良い収入にありつけないカメラマンのKenjiは、パパラッチとして力士のTakahanadaと女優のKumikoの写真を撮影することに成功する。ところが、帰宅途中、銃を持った男に襲われ、家は荒らされ、最後には捕らえられてしまう。彼らの目的はTakahanadaとKumikoの写真のフィルム。なぜ追われているのか? その写真に隠された秘密とは?
( 読みやすさ )
主人公がカメラマンなので少し専門用語は出てきますが、特に難しい語句はなく、あまり辞書を引かずに読み終えることができました。
( 感想 )
舞台は日本。なのですが、日本では起きないようなダイナミックな事件が次々起こるので、これは外国か? と錯覚してしまいます。イギリスの作家の目線で書かれた登場人物の名前もちょっとおもしろくて、日本人ならクスっとしてしまうかも。
( オススメ度 )
★★☆☆☆
( 語句数 )
4,500語
( ジャンル )
ラブストーリー
( あらすじ )
「そろそろ恋人を見つけなさいよ」過去の恋から一歩踏み出せないStellaは親友のJanetにいつもそう言われている。「隣に引っ越してきた彼は?」そうJanetに言われてから、Stellaはいつも寂しそうな顔をしている隣人のTonyのことが気になり出す。しかし、実は彼には離婚した妻と愛娘がいたのだった。傷を追った男女のラブストーリーが始まる。
( 読みやすさ )
特に単語を調べることなくスラスラと読める作品でした。日常を簡単に想像することができるので、二人の様子を想像しながらストーリに入り込めました。
( 感想 )
親友Janetの「考えるより先に行動しなさい」という言葉がベタながらも心に刺さります。複雑な人間関係がありながらも、純粋な大人のラブストーリーです。個人的にはあまり納得のいくラストではなく、もっと二人は幸せになれたのでは、と考えてしまいました。
( オススメ度 )
★★★☆☆
( 語句数 )
4,108語
( ジャンル )
フィクション
( あらすじ )
殺し屋Maxのもとに新たな依頼者Mr.Fairheadが現れる。Mr.Fairheadが手にしていた写真には自分に瓜二つな牧師。Mr.Fairheadいわく、パラレルワールドに存在するMaxという人物だという。この牧師に会わせる代わりにある女性を殺してほしいという。Mr.Fairheadに言われるがままにパラレルワールドを訪れたMaxが見たものとは…。
( 読みやすさ )
単語を調べることなく読むことができましたが、パラレルワールドがいったいどういう世界なのか一度では理解しづらく、何度か読み返しました。
( 感想 )
簡単な文章から、この複雑な世界やストーリーを理解するのは少し難しかったです。なぜMr.Fairheadはパラレルワールドを行き来できるのかも不思議…。でも、「私」が選択してきた道とは違う道を選択した「私」。それが存在するパラレルワールド、本当にあるなら行ってみたい、と思いました。
( オススメ度 )
★★★☆☆
( 語句 )
4,500語
( ジャンル )
ミステリー
( あらすじ )
道端で発見された記憶喪失の男性が病院に運ばれた。自分が誰か全くわからない彼は、医師や看護師から受ける質問に答えることができない。いや、できないのではなく、答えない。なぜなら、実は彼は、本当は自分が誰なのかわかっているから…。彼が退院した後、彼の正体を知ることになった医師は青ざめる。なぜなら彼は…。
( 読みやすさ )
こちらも語句を調べることなく、スラスラ読めました。特に詰まることなく、緊迫した部分もハラハラしながら読むことができました。
( 感想 )
レベル1の中でも珍しい物語の進め方で、記憶喪失の男性、医師、看護師と章ごとに語り手が変わります。始めの記憶喪失の男の章でとことん謎が深まり、医師、看護師と視点が変わるごとに真実がだんだん明らかになっていきます。最後は緊迫感あふれる章なのですが、個人的にはオチがあっさりしすぎていて少し物足りなさを感じました。
( オススメ度 )
★★☆☆☆
( 語句数 )
4,700語
( ジャンル )
サイエンスフィクション
( あらすじ )
5年後、100年後、1500年後の未来を描いた3つの短編集。スパムに困らせられたり、ロボットと共存していたり、人間が滅亡しロボットの世界になっていたり…。どの未来も明るい未来ではなく、少し考え込んでしまうような結末。ケンブリッジが描く人類の未来とは?
( 読みやすさ )
特に難しい表現はないですが、ファンタジーな世界感なだけあって、しっかり物語を頭で想像しながら読み進めていかないと途中で展開についていけなくなることがありました。じっくり読み込んだように思います。
( 感想 )
レベル1を読み始めて初めての短編集。5年後のお話あまだコメディタッチなのですが、1500年後のお話はもう人類が絶滅してしまった未来を描いています。簡単な英語でも、1500年後の虚無な世界のむなしさが伝わり、なかなか読みごたえがあります。でも、個人的にはもう少し明るい未来のお話を読みたかったなぁと思います。
( オススメ度 )
★★☆☆☆
( 語句数 )
4,900語
( ジャンル )
フィクション
( あらすじ )
KirkpatrickとShepherdは息の合う新聞記者のコンビ。2人はBlood Diamondsについて特ダネを仕入れた。Blood Diamondsとはアフリカの人々が争いに使う銃を買うために、払うダイヤモンドのことをいう。このBlood Diamondsを売買しているビジネスマンが今ロンドンに滞在しているというのだ。2人は記事を書くためその男を追うが、事件に巻き込まれてしまうのだった。
( 読みやすさ )
特に難しい表現もなく、読み進めることができました。「Blood Diamonds」などのような一見どういう意味だろう?という言葉ができてきてもその後にすぐ解説してくれているので辞書を開くこと無く読めました。
( 感想 )
難しいテーマですが、主人公は何度も危険な目に遭いながらも怪しいビジネスマンに近づこうとします。ただ、主人公が相手に立ち入る方法が少しおバカで、え!大丈夫なの?と笑ってしまいます。(笑う場面ではないのですが…)Blood Diamondsが題にはなりますが、危険なビジネスマンとジャーナリストの対決の方がメインストーリーになっていました。
Cambridge level1シリーズを読み終えての感想
個人的にはファンタジー小説より、ミステリー小説の方が読みやすいと感じました。ミステリーでもさすがに、語句数も少なく簡単な英語でしか書かれていないので、オチは読めてしまうのですが、それでも展開が速く、飽きさせない工夫がたくさんあります。
「英語多読」を始めて、英語の長文に対する抵抗感を薄めることができました。おもしろいお話ばかりなのでもっと読みたい!とKindleを取り出し、自然と毎日長文を読む習慣がつきます。楽しみながら英語を学びたい…そう思う方はぜひ、Level1から「英語多読」を始めてみませんか?
タニケイからひとこと
メイちゃんはCambridgeのLevel1で英語多読の面白さに目覚めたようです! 引き続き、Level2を読み進めることになりました。
みなさんも、どのレベルから読み始めればいいか迷ったら、まずは一冊、Level1を読んでみてください。よかったら、上でメイちゃんが紹介した中で一番面白そうと思えたものを選んでみてくださいね。でも、全部読む必要はありません! 英語学習は何でもそうですが、自分が興味があって続けられそうなものを選んでいくことが大切です。
楽しく、英語多読を続けていきましょう!!
タニケイ