通訳案内士筆記試験(一次)合格☆ 試験対策詳細レポート!
公開日:
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最終更新日:2016/06/17
<追記>以下に紹介している通訳案内士試験の情報は2014年度の情報です。通訳案内士試験の最新情報は、2016年6月に出版した『通訳案内士のすべてがわかる本』をお読みください☆
こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!
先日、通訳案内士の筆記試験(一次試験)の合格発表がありました。結果は...晴れて合格!応援いただいた皆さん、ありがとうございました!!
今、来月12/7の口述試験に向けてがんばっているところですが、記憶が新しいうちに筆記試験対策の詳細レポートをさせていただきます。
通訳案内士 一次(筆記試験)合格までの軌跡
通訳案内士試験の受験を思い立ってから、筆記試験までどんな流れで準備をしていったか、詳細にお伝えしますので、これから受験する方は参考にしていただけたら嬉しいです!
(1)「通訳案内士合格」を今年の抱負に(2014/1初旬)
年初に2014年の抱負を考えていたとき、ふと、今年度の通訳案内士試験からTOEIC、TOEIC SWのスコアによって英語の筆記試験が免除になることが決定した、というニュースを思い出し、「そうだ、通訳案内士を受けてみよう!」と思い立ちました。
それまでも、英語系で唯一の国家資格として「通訳案内士」という資格があることは知っていたのですが、日本の地理や文化、歴史などを英語で説明するなんて、とても難しそうだし、自分には縁のない資格だと思っていました。でも、TOEICのスコアにより英語の筆記試験が免除になるということは、その他の科目の対策に集中できるということ。さらには二次の口述試験では、英語で日本特有の事柄を説明しなければならないので、その練習をすることで、英語で日本のことを語れるようになったら素敵!と思ったのです。
通訳案内士の資格が取れたら、ニッチなツアーを企画してガイドの仕事をしたり、2020年の東京オリンピックで通訳ボランティアとして仕事ができたらいいな〜という夢もあり、チャレンジすることにしました。
そして、1月17日に英語学習者の皆さんと「Enjoy Learning English☆新年会」というパーティーを開催した際に、参加者の皆さんにそれぞれ今年の抱負を書いてもらったのですが、私自身の抱負として、「通訳案内士合格」という目標を宣言させていただきました!
(2) 過去問を解いてみた!(2014/1中旬)
まずはどのくらい難しいのか、過去問を解いてみよう!ということで、2013年度の過去問(日本歴史、日本地理、一般常識)を解いてみました。
本当は40問ずつですが、通訳案内士試験の公式ページで公開されている過去問では、一部塗りつぶされていて解けない問題があったため、全部は解けませんでしたが、この時点での私の正解数・正答率はこちら。
日本歴史:30問中9問
(正答率30%...ほとんど知らないことばかり!がんばらなければ!)
日本地理:20問中14問
(正答率70%...合格基準点を超えた☆)
一般常識:40問中19問
(正答率47.5%...難しい!これ本当に一般常識なの?と思う問題が多い!)
過去問を解くことで、「がんばらなければ合格しない試験だ」ということが分かりました。これを早めに実感すること、結構大事ですね。
(3)「楽しい通訳案内士」グループ発足!(2014/1下旬)
私は何でも楽しくやらないと続かない性格なので、通訳案内士の受験に興味がある人たちに声をかけて、「楽しい通訳案内士」というグループを作りました。基本はFacebookグループ上での情報交換で、時々は実際に集まって一緒にワークショップを開催しています。私の直接の友人だけでなく、ブログを見たり、友人からの紹介で参加してくださった方もいて、今では66名のグループになっています。
Facebookグループ上では、たとえば、一般常識に出そうなニュースをシェアし合ったり、おすすめの対策本やサイト、メルマガの情報を交換したりしました。それから、私にとって大きな意味があったのが「励まし合い」。特に試験が近づいてくると、こんな状態で今から間に合うのかしら...と思うことも多かったのですが、他のメンバーと励まし合っているうちに、もし今年ダメだったとしても来年の試験につなげるつもりで、1科目でも2科目でも科目合格を取ろう、と開き直りました。
このグループでは筆記試験前に3回のワークショップを開催しました。
◆第1回ワークショップ(2014/2/16)
初回のワークショップでは、私から「通訳案内士とはどんな資格か」「通訳案内士試験の概要」などをお話してから、皆で過去問の一部を解いて、どのくらい難しい試験なのかを体験しました。この時点では、「難しい〜!」という声が多かったのですが、まだ試験まで半年あるということで、がんばろう!と思った人が多かったようです。また、英語の筆記試験は難しすぎるので、まずはTOEICで免除基準を満たしてから通訳案内士を受けようと決めた人もいました。
第1回ワークショップの配布資料はこちら
◆第2回ワークショップ(2014/3/23)
第2回は、私の方で模擬問題や、試験に出そうな知識を問う練習問題を用意して、さらにペアワークやグループワークをしました。たとえば、英語の口述試験の通訳問題の練習をペアでしたり、グループで一般常識に出そうな2013年中のできごとを話し合ったりする、ということをしました。自分ひとりでは思い浮かぶものに限界がありますが、グループで話し合うと、自分の印象には残っていなかったニュースなども出てきます。ちなみに、このグループワークで出てきた「式年遷宮」は、今年の英語の筆記試験で出題されました!(私は受けませんでしたが)
第2回ワークショップの様子はこちら
◆第3回ワークショップ(2014/7/5)
第3回は、出願も終わり、筆記試験の準備に本腰を入れているはずの7月初旬開催でした。実は、私はこの時点でまだ本格的な筆記試験準備が始められていなかったのです。自分一人ではなかなかやる気が出ない性格ですので、またワークショップを開催し、グループの皆に情報共有することを目的として、過去問分析をしました。
今年受験予定の方中心に急に開催を呼びかけましたので、参加者は10名と少人数でしたが、表参道でランチを食べながら和やかに過去問分析会をしました。
過去問分析を1ヶ月半前にやるなんて遅いのでは?と思うかもしれませんが、残り1ヶ月半しかないからこそ、絞って勉強する箇所を探そうということで、あらためて過去問分析をしたのです。その結果、日本史は出題傾向があって、分野を絞って勉強しやすい、ということが分かりました。
第3回ワークショップで配布した過去問分析資料はこちら(過去3年分)
・日本史
・地理
・一般常識
(4)zuknowで暗記帳を作成し暗記開始!
第3回のワークショップで、日本史は対策がしやすい、ということが分かったので、暗記を始めることにしましたが、日本史のたくさん絵や写真が載った資料集をめくっていても、さっぱり覚えられません。学生時代はどうやって暗記もののテストを乗り切っていたんだっけ...と、遠い目をする始末。
そんなとき、英語学習に使えそう!と以前チェックしていた暗記帳アプリzuknowのことを思い出しました。そして、プチ・レトル(私が所属する会社)のメンバーの皆に手伝ってもらって、頻出項目に絞って、zuknowで暗記帳を作っていきました。
作った暗記帳は以下で公開されていますので、これから受ける方はぜひ使ってくださいね!以下のうち、作成者:petitelettre となっているものが私が作ったものです。万が一間違いなどあればこちらまで教えてくださいね。
zuknowはゲーム感覚で使える暗記帳アプリで、一通り覚えたら、順番をランダムにしたり、クイズモードにして練習しました。苦手なものは何度も何度も繰り返し見ました。特に良かったのが、写真や絵の暗記です。何度も刷り込むように目にしましたので、本番で出たときにもすぐに分かりました。日本史ではなく、地理で役立ったものもありました(東大寺大仏殿の写真)。
(5)直前1週間にやったこと
・日本史:
直前までzuknowでの暗記だけを続けました。結果、9問・28点分が暗記した内容から答えられました!
・地理:
薄い小学生向けの地理の本を一通り読みました(残念ながら役立たなかったので紹介しません)。またzuknowで地図記号を覚えました。地図記号が分からないと答えられない問題が3問出ました!
・一般常識:
薄い就活向けの時事用語の本を読みました。この本を読んでいたから答えられた問題が少なくとも4問ありました!
(6)筆記試験当日にしたこと
・観光白書の確認
通訳案内士試験のガイドラインに、一般常識の出題について「内容は、高校の現代社会の教科書をベースにしつつ、新聞(一般紙)に掲載されているような最近の時事問題や最新の『観光白書』に掲載されているような観光をめぐる主な動向を加味する。」と書かれており、毎年観光白書にあるような問題が出ます。ですので観光白書の確認は必須なのですが、白書を確認できたのは当日の朝でした。観光白書は結構な量がありますが、特徴的なニュースや、訪日外国人の国別順位、訪日外国人数など、大事な点だけおさえて行きました。その結果、解けた問題が3問ありました!
・試験の合間にもzuknowや本で見直し
試験は早く終わると途中退出ができます。順番は、地理→日本史→一般常識でしたので、地理、日本史の試験のときには、解き終わったら途中退出して、次の科目の勉強をしました。特に日本史のzuknowの見直しは役立ったと思います。
振り返って
振り返って、筆記試験の勝因と言えるのは以下の5つだと思います。
(1)最初に過去問を解いて難易度と自分の苦手科目を確かめたこと
(2)過去問分析で傾向を確認し、日本史に絞って時間を使ったこと
(3)暗記帳アプリzuknowを活用して、短期間に集中して暗記したこと
(4)筆記試験直前で一般常識で良い本に出会えたこと
(5)試験日当日まで、できることをしたこと
そして、皆さんにもおすすめなのがこちら!
「受験者同士でグループを作って、情報交換をしたり、問題を出し合ったり、励まし合うこと!」
スクールなどに通われている方は自然とできると思いますが、そうでない方もぜひ仲間を見つけて一緒にがんばってみてください。
口述試験対策のご紹介
さて、二次の口述試験まであと2週間ですが、口述対策はこんな風に進めています。
●口述試験対策ワークショップ
実際に数人で集まって、口述試験の形式で時間を測りながら話す練習をしています。そもそも日本語でも語れない内容のものもあったり、英語で何と言うのか見当もつかないものがあったり、とても難しいのですが、通訳問題のメモの取り方や、プレゼンテーション問題での2分間の長さ、スピーチの組み立て方、そしてQ&Aの対応など、良い練習になります。まだ数回しかできていないので、これは口述試験までにもう何回かやりたいところです。
●英語学校FORWARDでの授業「英語で日本を紹介しよう」
私は英語学校FORWARDに通っているのですが、そこでちょうど「Japanese Culture 英語で日本を紹介しよう」という授業があり、それを受けています。これまでに、「日本での名刺の扱い」「神社」「酉の市」「浮世絵」「箸」などのトピックで、ガイドになったつもりで英語で説明するという練習をしてきました。生徒同士で、ガイド役と観光客役になって、実際に学校の中で歩きながら説明をしたりするので、リアルな練習ができて、楽しいんです!口述試験も、ガイドになりきって説明したら、リラックスして楽しめそうだな〜と思います。
●残り2週間の予定
これからの2週間で、出題が予想されるトピックに絞って、英語で原稿を作ってみようと思っています。日本的なことを説明するのにどうしても必要な単語は覚えなければなりませんが、できるだけ自分の言葉で説明できるように、馴染みのあるフレーズ、語彙を使って、話す練習をしていきます。
今年口述試験を受ける方は、最後まであきらめずにできる限りのことをしていきましょう!そして、本番はしっかりプロのガイドになったようなつもりで、ホスピタリティをもって、そして自信をもって話しましょう!
タニケイ