半年間で英語力を上げてハーバードのケネディスクールへ留学できた秘訣とは! | Enjoy Learning English!!

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半年間で英語力を上げてハーバードのケネディスクールへ留学できた秘訣とは!

公開日: : 最終更新日:2014/06/30

こんにちは。英語学習コーチのタニケイです!

今回のインタビューでは、決して英語が得意ではなかったけれども、半年間でTOEFLのハイスコアを取得し、ハーバードのケネディスクールへ社費留学された山崎さんに、どのようなTOEFL対策でスコアを伸ばしたのか、また留学中の経験などをお伺いしました。

― 山崎さん、よろしくお願い致します。まず、山崎さんが本格的に英語学習を始める前の語学力をお伺いしたいと思います。留学準備を始める前に、TOEICなどは受けられていましたか?

社会人になってから受けたTOEICは最初700点弱くらいでした。まあ、英語で仕事ができるレベルではなかったですね。若手の頃は英語を使う機会自体もそれほどありませんでしたが、時々海外から人が来て、メモ取りで同席したのに、全然メモが取れなかったりしました。

― 英語は苦手な方だったんですね。

そうですね。かなり苦手意識がありました。

― そんな山崎さんが英語学習を本格的に始められたのは、留学の準備のためとのことですが、留学は社費留学ですか?

そうですね。社会人3年目の2004年末に社内選考に合格しまして、それから留学準備を始めました。

― 英語が好きではなかったとのことですが、どうして留学に行こうと思われたんですか?

海外の大学で公共セクターのリーダーシップを勉強したかったのです。政治や選挙などにも元々興味があったので、ハーバードのケネディスクール(政治・行政大学院)に行きたいと思っていました。日本でこうしたことを体系立って学べる場所はありませんし、何より世界中から志の高い仲間が集まってきますからね。

― いつ頃から社費留学を目指されていたんですか?

社会人になってから意識し始めましたが、最初は社内選考で足切りになってしまうような有様でした。当時受けたTOEFL(CBT)は、300点満点中180点弱だったと思います。

― 社内選考はどのようなものでしたか?

英語、面接、論文(金融の問題など)でした。

― そして、社会人三年目のときに社内選考を通って、留学準備を始められたんですね。ケネディスクールのTOEFLの足切りスコアは決まっていたのですか?

CBTで250点でしたので、今のiBTに換算すると120点満点中100点くらいです。

― かなりのハイスコアですね!そのTOEFLのスコアを取るために、どんな準備をされたのですか?

まず、最初は誰もが知っている留学予備校に通いました。

― そこはいかがでしたか?

ある程度英語ができる人が、さらにテクニックで伸ばす、という場合には向いていますが、自分はそのレベルにすら達していない、と思いました。それで、そこは辞めました。

― なるほど。私も模擬授業を受けたことはありますが、たしかに基礎がないと厳しそうな授業ですよね。どのくらい通われたんですか?

2-3ヶ月ですね。出願は1年後でしたが、TOEFL以外のテストを受けたり、エッセイを準備したりする時間も必要なので、TOEFLに時間をかけられるのは正味半年くらいでした。

― 時間的に切羽詰まっていたわけですね。そして、その後はどうされたんですか?

「プレゼンス」という英語のコーチングスクールがあるのですが、そこの代表だった杉村太郎さん(故人)に相談しました。そうしたところ、杉村さんから「絶対大丈夫です。ケネディスクールに行きましょう」という力強い言葉をもらい、その場で翌日から始まるコースに申込んでしまいました。

― 杉村太郎さんといえば、就職活動対策本の『絶対内定』で有名な方ですよね。プレゼンスのどのようなコースを申し込んだんですか?

「TOEFL260点コース」というコースを受講しました。私の当時のスコアは200点くらいでしたが、2ヶ月半くらいこのコースに通って、その後も自分で勉強を続けて、夏頃にほぼ目標通り267点を取ることができました。

― すごい伸び率ですね!プレゼンスは「コーチングスクール」とのことでしたが、普通の英語学校とはどこが違うんですか?

そうですね。毎週、単語を覚えてくるなどの課題が出るのですが、クラスメイトと、互いに競い、助け合いながら勉強する雰囲気がありました。メールなどで「今日は私はこれだけやりましたよ!山崎さんはまだ報告がないですね」などと学習の成果を全員で共有するなど、体育会系の部活のようなノリでした。現に、当時のノートを見返してみると、「体で覚える。スポーツと同じ」といった書き込みがあります。

― それは頑張れそうですね!クラスメイトにはどんな方々がいましたか?

TOEFL対策のクラスにいたので、やはり留学したいという人が多かったです。

― 単語はどんなものを覚えたのですか?

「TOEFLテスト英単語3800」の単語を覚えていきました。

単語テストの結果が悪かったら、クラスメイトの前で、できなかった理由を説明する、なんていうこともしていました。

― わ〜それはプレッシャーですね!精神的にきつそうな気もしますが、そこは大丈夫だったのでしょうか。

確かに辞めてしまう人もいましたが、私にとっては刺激になって良かったです。プレッシャーもきついかわりに、「この課題をやり切ればこれだけできるようになる」と信じられる、そういう場を提供してくれた学校でした。だから頑張れたのだと思います。

― プレゼンスで仲間と刺激し合いながら勉強できたことが続けられた一番の秘訣でしょうか。

そうですね。特に仕事をしている人の場合、「英語がうまくなりたい」といった漠然とした目標だと挫折してしまう可能性が高いと思いますが、自分には明らかな目標がありました。しかも時間もなかったので、挫折はしづらかったと思います。挫折している暇がない(笑)。また、そういうモチベーションの高い人たちが集まっているからこそ、刺激し合うことができました。

― モチベーションの高い人たちが集まっている場、というのは本当に良い刺激を受けますよね。留学準備をしていた間はどうやって勉強時間を作っていましたか?お仕事はお忙しかったと思いますが、睡眠時間を削ったりしていたのでしょうか。

睡眠時間は平均5時間くらいだったと思います。平日は帰宅後に1時間、あとはスキマ時間を使っていました。

― スキマ時間の有効活用というのは、忙しい社会人には必須ですね。山崎さんは具体的にはどういった時間を、どのような学習に使われていたんですか?

通勤の電車内でシャドーイングをしたり、昼食をとりながら本を片手に勉強したりしていました。

― 電車内でシャドーイングは私もよくおすすめしています!週末はどのくらい勉強されていましたか?

6時間くらいですかね。

― 勉強は完全にTOEFL対策に特化されていたんですか?何か会話練習などもされていましたか?

実践的な英語力全般を短期間で伸ばすのは難しいので、当時は留学に必要なTOEFLのスコアを取ることに特化していました。すなわち、目標スコアを取るために足りないところを最短距離で勉強していったのです。

― そして、実際にスコアは順調に伸びていったのですか?

TOEFLで出そうな専門単語を「TOEFLテスト英単語3800」で覚えていくと、まずリーディングが高い点数で安定するようになっていきました。230点までは順調にいったのですが、やはりリスニングの克服には時間がかかり、その後スコアを伸ばすのは大変でしたね。

― 目標スコアに達するまで、TOEFLは何回くらい受験されましたか?

20回くらい受けました。そして目標の267点に到達したのは2005年7月でした。そのとき、ライティングは満点を取ることができました。

― 満点ですか!すごいですね。では、リスニングの練習はどのようにされていましたか?

リスニングはシャドーイングをメインにしていました。スピードは抑えつつ、単語と単語の繋がり部分に注目して、何度もリスニングをしました。また、自分のシャドーイングしている声を録音して聞くのも有効だったと思います。

― シャドーイングは苦手な部分を丁寧に繰り返すと、リスニング力アップの効果が出やすいですよね。回数などの目安はもうけていましたか?

同じ教材を一日10回以上聞きながらシャドーイングしていました。慣れてきたら2倍速などにして、シャドーイングをしました。

― スコアだけでなく、実感としても聞き取り能力はアップしましたか?

もともと全然聞き取れなかったので、やはり聞き取れるようになっていった実感はありましたね。TOEFLのリスニングは想像することである程度内容が分かるものも多いです。逆に、英語を聞き取れても、内容が分からない場合もあると思います。ですので、TOEFLで出てくるシチュエーション(大学での授業や寮生活など)の英語に慣れておく必要もありますね。

― リーディングはどうしていましたか?

リーディングは単語を覚えることで、自然と高得点がでるようになりました。「TOEFLテスト英単語3800」のRank3までは、全部覚えたほうがいいと思います。日本人にとってリーディングは点を落とせない分野ですから、いかに漏れなく単語をカバーするかが重要です。

― たしかに、知らない単語を減らしていくと、リーディングはどんどん楽になっていきますよね。ちなみに、TOEFLの他に必要だったテストは何ですか?

GREというテストです。これは元々アメリカ人を想定した試験で、特にVerbalという言語能力テストが日本人にとって相当難しいのですが、夏の間の1-2ヶ月で頻出単語を暗記するなどの集中対策をして、必要なスコアを取りました。

― そして、見事ケネディスクールの合格を勝ち取られたんですね。それでは、留学してからのことをお伺いしたいと思います。留学中は、英語でのコミュニケーションはいかがでしたか?

行ってから、特に最初の頃は苦労しましたね。何のディスカッションをしているのか、宿題が何か分からないことすらありました。

― TOEFLでそんなハイスコアを取っていても、やはり実際の会話となると難しく感じるものなのですね。リスニングが一番難しかったですか?

リスニングやスピーキングといった分断された能力ではなく、やはり統合的な英語運用が一番大変でしたね。例えば、教授や他の学生の英語が聞き取れなくて、ディスカッション中、急に話を振られても何も言えなかったりしました。でも、議論に参加できないと評価が下がってしまいます。そこで、そういった状況を乗り切るために、予習をしっかりしました。

あとは、飲み会にもできるだけ顔を出して、しかも最後まで居座るようにしました(実際のところはかなり辛いのですが!)。そうすると、カジュアルな英語や、BGMが流れている中での聞き取りにくい英語にも慣れていきましたし、色々な言い回しなどが身についていきました

― なるほど!「飲み会で英語学習」は良いアイディアですね。仲良くなれますしね。そのうちにだんだんと授業の英語も聞き取れるようになっていったのですか?

そうですね。また、慣れてくるとごまかしも効くようになります。ある程度パターンが見えてきますし。また、間違えても誰も気にしないんだ、という度胸がつきました。それでもやはり、即座に返さなくてはいけない、事前に準備できない場合のレスポンスというのは難しかったですね。

そのかわり、スピーチの授業は頑張ってトップの成績を取ることができました。スピーチは、きちんとしたコンテンツを選べば、聞く耳を持ってもらえます。スピーチの授業では、自分が良いスピーチをするだけでなく、他の人のスピーチに対してもしっかりフィードバックをしなくてはいけません。ところが、最初は全然他の生徒が何を話しているのか分からなかったので、このフィードバックが難しかったのです。内容には触れられないので、ジェスチャーなどの指摘をして乗り切っていきました。

― 自分の得意分野で勝負したわけですね!もし、もう一度留学準備からできるとしたら、今度は何をすると思いますか?

もう一回留学準備をやり直せるなら、もっと外国人とたくさん話す機会を持つのも良いかもしれません。TOEFLでは、現実的でない、実際の会話とは違う部分も多くありますので、TOEFLで目標スコアを取れても、実際に行ってから「本当の英語」の洗練を受けることになります。

― TOEFLのハイスコアを取らないと留学自体ができなかったわけですから、TOEFL対策を集中的に、戦略的にされたのは正しかったと思いますが、そのうえで、留学に必要となる実践力をつける練習をしていくと良かった、ということですよね。では、留学を終えて帰国されて、今は英語に対してどんな印象をもたれていますか?

まだまだレベルは不十分ですが、今は「楽しい」と思いながら英語を使えるようになりました。もっとも、今の仕事では、それほど英語を使う機会は多くなく、海外から来客があった場合に対応するくらいですが。

― もう全然英語でのコミュニケーションには困らないですか?

そんなことは全くありませんね。自分が話すことは仕事に関わる内容ですし、事前に用意できるのである程度大丈夫ですが、リスニングは留学当時と比べると落ちたように感じます。やはり継続的なブラッシュアップは不可欠ですね。

― ちなみに、今は英語学習は何かされていますか?

留学から帰ってきてからは、「いつまでにこれをする」という明確な目標がないこともあり、なかなか学習に気が入らないですね。海外のドラマやニュースで英語を聞き流す程度でしょうか。

― 明確な目標があるほうが、やはり続けやすいですよね。では最後に、今英語学習を続けている方や、留学を考えている方へ、アドバイスをぜひお願いします!

英語を使えると、それによって海外の人たちと分かち合える経験が一気に増えます。それは留学でも仕事でも同じだと思います。また、日本に興味がある人は驚くほど多くて、日本について色々なことを聞かれます。英語ができれば、日本の良さについて伝えることもできます。

― 社会人で留学を考えている方もいらっしゃると思いますが、山崎さんは留学されて良かったですか?

はい。本当に良かったと思っています。全く別の世界を見ることができましたし、留学時に知り合った友人たちが各国に戻っていって、またそれぞれの国で世界をよくするために仕事をしている、その様子から再び刺激を受けることができます。今でも、半年に一度くらいは留学時代の友人が日本を訪ねてきます。留学していなければ得られなかった繋がりができたことは何物にも代え難い財産になりました。

― 山崎さん、貴重な経験談をありがとうございました!

インタビュー後記

山崎さんのお話を伺って、忙しい社会人が、短期間で劇的な英語学習効果を出すのに必要なことは、(1)明確な目標、(2)切磋琢磨できる学習仲間、(3)プレッシャーの3つだと思いました。

私自身もそうですし、周りの方を見ても思うのですが、自分の「やる気」というのはとてもあやふやな頼りないものですよね。やる気に頼っていると、英語学習をコンスタントに続けて効果を出すのは難しいと思います。

留学という明確な目標がなかったとしても、英語学習を続けざるをえない状況に自分を置いてみたり、明確な目標を作って周りに宣言して自分にプレッシャーを与えてみたり、英語学習の進捗を報告し合えて励まし合えるような仲間を見つけられると、英語学習は続けやすくなると思います。

ぜひ、自分の性格やタイプによって、色々工夫をしてみてくださいね!!

山崎さんには、留学準備中に使われた本もご紹介いただきましたので、TOEFL対策などが必要な方はぜひ参考にしてください。

山崎さんが留学準備中に使用された書籍

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タニケイプロフィール

谷口 恵子(タニケイ)

プチ・レトル株式会社 CDO
ワクワク英語学習コーチ
TOEIC ・TOEFLリスニング満点
Street Academy Platinum Teacher

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