非破壊型スキャナ「ScanSnap SV600」は自炊に使えるか

自炊用のドキュメントスキャナシリーズの新製品で、非接触・非破壊型のドキュメントスキャナScanSnap SV600 FI-SV600が発売されました。非接触・非破壊型のドキュメントスキャナとは、これまで一般的だったドキュメントスキャナとは違い裁断が不要なため、本をそのまま手元に残したまま自炊できます。

自炊をやらない理由の大きな一つであっただろう裁断が不要になったということで、ネット上ではこの商品によってさらに自炊が増えて問題になるのでは、という意見が多いようです。

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「ScanSnap SV600」の利用シーンがYoutubeで見れるのですが、この動画を見る限り、自炊よりも動画内で紹介されているように、新聞記事や雑誌の切り抜き用のスキャナとしては便利そうですが、本1冊を丸々自炊するのはかなり大変そうです。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=c1vW2lQ4SVA[/youtube]
裁断型スキャナのメリットとして、裁断さえすればスキャンをするときにはスキャナにセットすれば後は自動でスキャンしてくれましたが、非破壊型スキャナでは全ページめくるのはけっこう面倒です。

また価格も59,800円と、現在一般的に自炊に使われているScanSnap iX500が4万円前後で購入できるので、5割ほど高額になります。

絶版本など貴重な本などには使えるのでしょうが、個人でそういった蔵書を持っている人は少ないのではないでしょうか。またTSUTAYAなどでレンタルした本をスキャンできてしまうという懸念もあります。しかしTSUTAYAのレンタル対象となるような人気コミックの大半は電子書籍版も出版されているので、買うよりが安いとはいえわざわざ自炊する人はそれほどたくさん出てくるとは思えません。

そもそも自炊に興味を持っている人は、既に自分のスキャナもしくは業者を使って自炊をしているでしょうし、追加で6万円払える人はそういないはずです。

「ScanSnap SV600」は、雑誌記事のスキャンなどに使うためには欲しいので、自炊をするなら裁断して「ScanSnap iX500」、一部のスキャンなら「ScanSnap SV600」と使い分けるのは便利そうだなとは思います。

出版業界の皆様も、自炊がもっと増えることを心配するくらいなら、電子書籍化をどんどん進めていけば、自炊する人は自然に減っていくはずなので、より一層電子書籍が増えるように頑張っていきましょう。