映画を使ったシャドーイング〜楽しく続けて効果を出す3つのポイント〜 | Enjoy Learning English!!

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映画を使ったシャドーイング〜楽しく続けて効果を出す3つのポイント〜

公開日: : 最終更新日:2017/01/28

みなさん、こんにちは!英語学習コーチのタニケイです。

リスニング力アップ、スピーキング力アップ、そして発音改善にも効果が出るシャドーイングトレーニングですが、こちらの「タニケイ式シャドーイング(4) 効果を最大にする教材の選び方」でお伝えしたように、教材は「自分のレベルに合ったもの」そして「自分が好きなもの」を選んで頂くことが大切です。

中には、好きな映画を使ってシャドーイングをしたい、という方もいらっしゃると思います。

映画を使ってシャドーイングをする場合、楽しく続けて、かつ効果を上げるためには、少し注意が必要です。今日は、その3つのポイントをお伝えしたいと思います!

*以下の「タニケイ式シャドーイング」の7ステップを行うことを想定しています。

(1) リスニング:音声を聞く
(2) ディクテーション:聞き取りをする
(3) 黙読&理解:黙読して疑問点がない状態にしておく
(4) 音読:声を出して読む
(5) リピーティング:音声を一文ずつ流して、真似をして繰り返す
(6) オーバーラッピング:音声と同時に発話する(スクリプトを見ながら)
(7) シャドーイング:音声を聞いて少し後を追いかけて発話する(スクリプトは見ない)

映画シャドーイングのポイント(1)スピードに注意

映画でシャドーイングをする場合に少し難しいのが、シーンによって、登場人物によって、また状況によって、話すスピードがまちまちなことです。そういう意味では、TOEICのリスニングパートのように、ある程度同じスピードで話されるものをシャドーイングするよりも難しくなります。

もちろん、最終的に目指すゴールは、「ネイティブのナチュラルスピードの会話を聞き取れるリスニング力」だと思いますので、映画やドラマなどで生の会話をたくさん聞いて、シャドーイングをして練習することはとても効果的です。

ただ、速い部分ばかりを選んでしまうと、いつまでたってもシャドーイングができるようにならず、ストレスがたまってしまうと思います。最初、好きで選んだはずの映画が嫌になってしまったら、もったいないことです。

そこで、映画を使う場合には、こんなふうにシャドーイングに使う部分を選んでみましょう!

*シャドーイング初心者、初級の方(初挑戦〜3週間目くらいまで)
ゆっくり話されていて全部聞き取れるが、自分が言ってみるとスムーズに言えないところを選んでみましょう。そして、まずはシャドーイング自体に慣れましょう。得られる効果としては、リスニングよりもスピーキングがスムーズになったり、発音が改善したりする方がメインになります。時間は20秒くらいがオススメです。

*シャドーイング中級者の方(数週間シャドーイングをしていて慣れてきた方)
聞き取れる部分もあるけれど、一部が速くて全部は聞き取れない、というシーンを選びましょう。時間は20秒〜30秒分くらいがオススメです。聞き取れない部分はそこだけ繰り返し聞いて、リピーティングをしっかりしてから、オーバーラッピング、シャドーイングに入りましょう。

*シャドーイング上級者の方(初めて聞く会話でも、シャドーイングに抵抗なくすぐに入れる方)
ほぼ聞き取れないような速い部分や、自分の知らない語彙が含まれている部分も選んでみましょう。ただし、繰り返しポイント練習できるように、範囲を短めにしてください。時間は10秒以内がオススメです。1フレーズか1往復くらいの会話になります。

映画シャドーイングのポイント(2)字幕とスクリプトの使い方

見慣れた映画を使ってシャドーイングをする場合には、字幕を消してディクテーションからトライしてみてください。何度も観ている映画の場合、内容を理解してしまっているので、「リスニングをして内容のイメージをする」という段階は飛ばしてしまって構いません。

日本語字幕で内容を理解していても、英語をそのまま聞き取れるかどうかは、また別の話ですので、しっかり全文ディクテーションをしてみましょう。ディクテーションが面倒な場合には、聞き取れる場所は書かず、聞き取れないところ、聞き取りにくいところだけ書き取る、でも構いません。まずは、聞き取れる場所と、聞き取れない場所の確認をしっかりしましょう。それによって、その後の練習で集中すべきところが分かりやすくなります。リスニング力アップの効果を上げるためにも、このステップは省かないようにしましょう。

ステップ3の「音読」や、ステップ6の「オーバーラッピング」をするには、映画を流さないと出てこない字幕よりも、スクリプトがある方が便利です。映画の脚本(スクリーンプレイ)を入手できると一番良いですが、もしなければ、ディクテーションの答え合わせをしながら、自分でスクリプトを作ってしまいましょう。手書きでもPCでタイプするのでも、どちらでも構いません。手書きしたり、タイプしたりすることで、新しい語彙が印象に残りやすいという効果もありますので、オススメです!

スクリーンプレイが無料で入手できるサイトもあります。
http://www.imsdb.com/

1. 左側の「Search IMSDb」に英語のタイトルを入れて検索します。
2. 検索結果に該当の映画が出てきたら、それをクリックします。
3. Read "映画のタイトル" Script という部分をクリックすると、スクリプトが見られます。

また、スクリーンプレイの本もありますので、Amazonで「スクリーンプレイ 映画のタイトル」で検索してみてくださいね!

最後のステップ7:シャドーイングをするときには、必ず字幕を消してください。字幕があるとどうしても見てしまい、シャドーイングになりません。シャドーイングは文字を見て、ではなく、ネイティブの音声を聞いてそれをそのまま真似をすることによって、本物の発音で聞き取れるようにするトレーニングですので、文字を見てしまうと効果が激減してしまいます。

リピーティング、オーバーラッピングまでは字幕をつけていても構いませんが、シャドーイングの段階では面倒がらずに字幕を消しましょう!

映画シャドーイングのポイント(3)完璧主義にならない

映画のシャドーイングは、好きなシーンだけ、好きなセリフだけを行うのがオススメです。

もちろん、この一本を丸ごと聞き取れるようになりたい、という映画がある場合には、聞き取りにくい箇所を全部シャドーイングしていっても構いませんが、かなり時間がかかると思います。

元々完璧主義な人は良いのですが、自分の性格を考えてみて、完璧主義ではないな〜と思う方は、「好きなシーン」をピックアップしながら、つまみ食いをするイメージで、楽しくシャドーイングをしていってください。

同じ映画に飽きてしまったら、終わりまでいかなくても、別の映画に変えてしまって構いません。とにかく、自分が飽きない方法、楽しく続けられる方法を探して、シャドーイング自体を続けられるようにしましょう!

また、シャドーイングの完成度としても、100%を目指す必要はありません。「100%シャドーイング」を目指す方は、自分のシャドーイングの声を録音して、元の音声とほとんど同じように言えるまで続ける方もいますが、私はそこまでのシャドーイングはオススメしていません。それよりも、80%くらいの完成度で構いませんので、できるだけ色々なフレーズ、会話を聞いて、生の英語にたくさん触れて、シャドーイングしてみてください。

以上、映画でシャドーイングをする場合の3つのポイントでした!

シャドーイングを始めてみたいけれど、何を教材に使ったらいいか分からない、という方のために、電子書籍で実践練習本を出しました。先日出版した【実践練習本】 英語耳を作るシャドーイング -スティーブ・ジョブズ編-
に続き、今回は「ローマの休日」編です!

アン王女(オードリー・ヘプバーン)の可愛らしいエレガントな英語と、ジョーのスラングまじりのアメリカ英語、どちらも練習しがいがあります。そして、ストーリーもとても素敵なので、ぜひ、この映画を使ったシャドーイングが気に入った方は、他のシーンにも挑戦してみてくださいね。

Enjoy Learning English!!

タニケイ

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タニケイプロフィール

谷口 恵子(タニケイ)

プチ・レトル株式会社 CDO
ワクワク英語学習コーチ
TOEIC ・TOEFLリスニング満点
Street Academy Platinum Teacher

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